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不妊症の解説~子宮内膜症~

 子宮内膜症とは子宮内膜組織が何らかの原因で、本来あるべき子宮内膜以外の場所に発生し、その部位で内膜組織が増殖する疾患です。20~30代の女性で発症することが多く、そのピークは30~34歳にあるといわれており、女性ホルモンのひとつであるエストロゲン分泌が低下する40歳代後半から閉経に向って減少していきます。
 子宮内膜症は女性ホルモンの影響によって月経周期に合わせて増殖し、月経時の血液が排出されずに子宮内に残ってしまったり、周囲の組織と癒着を起こして様々な痛みをもたらしたりします。子宮内膜症の発症原因はまだはっきりとは解明されていませんが、現在いくつかの説あり、その諸説が混在して起こっているといわれています。
 しかし、共通していわれていることとして月経時の経血逆流が発症に関与することは間違いないと考えられています。
 月経がある女性の90%以上は月経血が逆流しているのですが、その人達すべてが子宮内膜症にはなりません。経血が逆流し、停滞したものは免疫が正常に働いていればナチュラルキラー細胞という免疫細胞が働き、取り除いてくれることが解ってきました。
 中医学的に子宮内膜症を考えると、その多くは”お血(血液の滞り)”か”痰飲(代謝し切れていない汚れた水)”であると考えています。(詳しくはトップページ⇒子宮内膜症をご参照ください。)
 簡単な表現をすると、何らかの原因があって生理時に”出さなくてはいけないもの”を出すことが 上手にできていない、ある種”もの持ちのいい方”とも言えます。 望んでそうしているわけではないのでしょうが、出すべきものを出せない原因を知ることが重要になります。
 例えばリラックスすることがなかなかできずにストレスをため込むタイプの方はそのストレスと共に本来出しきらなくてはならない血をため込んでしまったり、忙しすぎて疲れがたまっているような方は出すべきものを出す力が弱くなってしまい、その結果として出せない。冷えを増長するような生活習慣によって出さなくてはならないはずの痰飲を出せなくなっている…など様々な原因が考えられます。
 このような原因がどこから発生しているのか、様々な角度から詳らかにし不妊で悩んでおられるご夫婦のお手伝いをさせていただいております。
 子宮内膜症は女性の疾患であることは間違いありませんが不妊は夫婦二人、手を取り合って考えていく姿勢が重要です。
 その上で漢方薬や健康食品を用いて”しっかり出せる体”を作りましょう。


昭和堂薬局 | 2013年7月12日

 

「巷間される”アルカリ信仰” 栄養学的には意味なし」

 最近、極端な健康法に”もの申す”的な記事をよく見かけます。
 この産経新聞の記事もそうですが…
 基本的に生活習慣とくに食習慣は極端なことはせず、バランスが大切です。
 では、どんな内容か以下に紹介します。


 「アルカリ性食品は健康に良い」と言われることがありますが、明確な科学的根拠はありません。「体を健康に保つアルカリ性食品」「酸性食品を食べ過ぎると血液が酸性になって体に悪い」などと言われ、アルカリ性食品は体に良く、酸性食品は体に悪いというイメージがなんとなくありませんか? 本当ところはどうなのでしょう。
 レモンや梅干しのようなすっぱい味のするものは酸性食品と思われがちですが、それは味覚上のことです。
 「アルカリ性食品」・「酸性食品」の判定は、食品を燃やし、燃え残った灰(ミネラル分)を水に溶かして、その水溶液がアルカリ性か酸性を示すかで判定します。これは体内に取り入れた栄養素を、生理的に燃焼したあとに残ったミネラルが同様の反応を示すと考えられていることに基づきます。
 ■酸性食品、アルカリ性食品の分類
 測定の結果、以下のように分類されます。
 【酸性食品】
 穀類、肉、魚介類、卵、砂糖、チーズ、ビール、日本酒など
 酸性を示すミネラル⇒塩素、リン、硫黄など
 【アルカリ性食品】
 野菜、果物、海藻、きのこ類、大豆、ワインなど
 アルカリ性を示すミネラル⇒ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウムなど
 ■体に与える影響
 食品のアルカリ性・酸性は人体にどの様な影響を及ぼすのでしょう。酸性食品ばかり食べていると、血液は酸性になるのでしょうか?
 人間の血液のpHは7.35~7.45の弱アルカリ性に常に保たれています。これは、血液、呼吸器、腎臓などの働きによって体を常に正常な状態に保とうという機能(=恒常性)によるものです。恒常性は、気温の高低に関わらず、体温を一定に保つ機能と同じような仕組みになります。
 人間には、生命を維持するために防御・緩衝機能が備わっています。「酸性食品を食べ過ぎると血液が酸性になる」と言うことはありません。
 酸性食品に分類されている肉類を多く食べ過ぎると、コレステロ-ルや脂肪の摂り過ぎになることがありますが、酸性食品であることとは関係なく、これによって血液が酸性になることはありえません。
 栄養学的にみて、科学的根拠のない「アルカリ信仰」は、あまり意味があるとは思われません。
Q:アルカリイオン水は、健康にいいのですか?
A:高額な浄水器や飲料が販売されていますが、アルカリ性食品と酸性食品と同様に、医学的な効用はわかっていません。
 アルカリイオン水は電解水とも呼ばれ、水に電圧をかけてプラスイオンを持った分子をマイナス電極に集めて濃度を高めたものです。カルシウム、マグネシウムなどのイオンが増えるのでアルカリ性を示しますが、生理的な活性があるわけではありません。

 通常、極端な病的状態でない限り、血液が一時的に酸性やアルカリ性になっても元に戻ります。
 ただし、この記事で言っている「酸性食品」ばかりを食べていると、アルカリ性・酸性という意味ではなく栄養のバランスが悪くなりますので、「アルカリ性食品」も積極的に摂っていく必要があります。


昭和堂薬局 | 2013年6月19日

 

元宝塚ジェンヌの女優45歳が心筋梗塞で入院

 「元宝塚ジェンヌの女優45歳が心筋梗塞で入院」と報道されました。
 心筋梗塞や脳梗塞などの血管病は、本来であればこの年代の女性において少ないはずであり、この女優の45歳という年齢では心筋梗塞にはあまり罹らない。これは女性がエストロゲン(卵胞ホルモン)で守られているためです。しかし、閉経後増加し70歳以降では男性のエストロゲン分泌レベルに近づいていきます。
 では、この女優はこの年齢でなぜ心筋梗塞になってしまったのでしょうか?
 考えられることは、強いストレスや女性ホルモンを分泌低下などが考えられます。女性の更年期は45歳~55歳であることを考えると、そろそろ女性ホルモンの分泌が不安定になってくる時期でもあります。女性ホルモンの分泌が低下すると脳の視床下部に影響して自律神経系に影響します。この結果としてストレスにも弱くなってくるのです。
 このことに関連するコホート研究が、2009年に独立行政法人国立がん研究センターより紹介されています。この研究は岩手県、秋田県、長野県、沖縄県の40歳~59歳の男女4万人を11年間追跡調査で、食事調査を含む生活習慣のアンケート調査から心筋梗塞・脳梗塞との関連を調査したもので、「大豆をよく食べる女性グループは脳梗塞・心筋梗塞のリスクが低下」という結果が示されています。さらに、この研究では、大豆製品の摂取量からイソフラボンの摂取量を算出し、イソフラボンの摂取が、日本人の女性、特に閉経後の女性で脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを低減させることを示しました。一方、男性では同様の結果は得られなかったようです。
 女性にとって、特に閉経以降の女性にはイソフラボンの力を借りるといいですね。


昭和堂薬局 | 2013年5月13日

 

排卵障害と食

 不妊症で原因が女性にある場合、多いとされる病因は卵管因子と内分泌因子の異常であり、その中でも内分泌因子の異常で排卵障害が起こされています。最近は、食生活の変化が内分泌に影響し排卵障害が起きているとも言われています。
 排卵障害を起こすものとしては、高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群、副腎機能障害、甲状腺機能障害、体重減少性無月経、肥満、下垂体性無月経、黄体機能不全、黄体化非破裂卵胞などがあります。
 これらのうち原因となる疾患や薬剤がある場合を省くと、食との関わりが多くあるように思います。例えば、多嚢胞性卵巣症候群は肥満やインスリン抵抗性(インスリンという糖代謝に関係するものがうまく働かない状態)との因果関係が指摘されていることを考えると、現代の高脂肪食が関係している可能性があり、黄体化非破裂卵胞と慢性炎症の因果関係でも同じように高脂肪食が関係している可能性が考えられます。
 近年、慢性炎症と肥満やインスリン抵抗性の関係が解ってきています。この原因の一つには高脂肪食があり、高脂肪食を摂り続けることによる体に対する影響として腸内環境が悪くなることもわかっています。その腸内環境が脳に影響するとも言われ始めていることから、メンタル面にも影響がある可能性があります。
 障害が出てしまっている状態では、食を変えてもすぐには改善されないかもしれませんが、これ以上状況を悪くしない為に食の見直しは必要なことだと思います。
 以前から当コラムで食養生についていろいろと書いておりますので、参考にしてみてください。また、漢方やサプリメントを上手に利用することも改善への近道になりますので、店頭にてご相談ください。


昭和堂薬局 | 2013年5月8日

 

酵素ファスティングがダイエットに良い、もう一つの理由

 酵素飲料を使ったファスティングがダイエットに良い理由が、今まで言われてきた酵素栄養学以外にもう一つあります。
 近年、肥満のメカニズムが研究され、肥満の原因が高脂肪食による腸内細菌叢の変化と脂肪組織での炎症であることが判ってきました。
 1980年頃から肥満が問題になり始め、ちょうどこのころ日本は高度成長期で生活が豊かになり、食が大きく変わり始め、さらに交通機関の発達などで運動不足が起こり始めました。この高栄養食と運動不足で肥満が増えてきたのです。
 では実際のところ体の中で、この時にどんなことが起こっていたのでしょう?
 高脂肪食の摂取増加によって、私たちの腸内では腸内細菌の善玉菌が減り、悪玉菌が増えることになってしまいました。そしてその悪玉菌が増えることにより、身体が微弱で慢性的な炎症を起こすことが近年になり分かってきました。
 肥満が進むメカニズムも解明され始めており、脂肪組織で発生した炎症が、脂肪細胞を肥大化し、さらにその脂肪細胞が炎症を起こす物質を放出することにより、脂肪組織の炎症が進むという悪循環が形成されてしまいます。
 この肥満に至るメカニズムに、なぜ酵素ファスティングが良いかというと、ファスティングで食事制限をするために、脂肪の摂取が長い目で見たときに抑えられ、同時に酵素飲料は発酵飲料ですから、酵母菌や麹菌、植物性の乳酸菌などが摂取できます。このことで腸内環境を改善の方向に向わせ、肥満の二つの原因(高脂肪食と腸内細菌の変化)を酵素飲料でファスティングを行うことで改善できるのです。
 また、ファスティングの思わぬ副作用であるケトアシドーシス(食事制限によりエネルギーを蓄えてある脂肪酸を糖質に返還させてエネルギーに変えようとすることが過剰に起こると発生します)を酵素飲料をとることで糖質が少量摂取できることで防ぐことができるのです。


昭和堂薬局 | 2013年3月26日

 

肉や乳製品ほどほどに 脳卒中減り心筋梗塞は増加

 私が提唱している油の摂取の仕方について、興味深い記事が産経新聞に載っていたのでご紹介します。


 肉や乳製品に多く含まれる飽和脂肪酸を多く取ると脳卒中のリスクが下がる一方、心筋梗塞を発症しやすくなるとの研究結果を国立がん研究センターなどの研究チームがまとめ、11日公表した。チームは「肉や乳製品は、ほどほどに食べるのが良い」としている。
 チームは国内の約8万2千人を追跡調査した。摂取量により5グループに分けて分析、摂取量が最も多いグループ(1日当たり21・6~96・7グラム)は最も少ないグループ(同0・8~11・7グラム)と比べ、脳出血や脳梗塞を含む脳卒中全体の発症率が23%低かった。
 脳卒中のうち脳の奥にある細い血管から出血し、日本人に多い「深部脳出血」は摂取量の増加に伴い発症率が下がる傾向が鮮明だった。飽和脂肪酸を取ると、血管を強くするのに必要なコレステロールが増えることが関係するらしい。
 一方、心筋梗塞は、摂取量が最多のグループは最少のグループと比べ発症率が39%高かった


 飽和脂肪酸は過剰に摂取することにより、免疫担当細胞やその細胞が放出する伝達物質を過剰に刺激してしまい炎症を起します。この炎症が原因で通常の血管は動脈硬化を起こし、心筋梗塞を増加させます。しかし、脳の血管、特に脳の奥の方にある血管は通常の血管と異なり、脳を守るために脳にとって必要のない物は通さない構造になっているため、脂質や上述した炎症の影響を受けにくくなっているため動脈硬化にはなりません。
 飽和脂肪酸は、一般的には体にとって悪者のように思われますが、細胞膜を作るために必要なものです。特に脳内においては脳神経組織の安定や脳の血管細胞を作る際に必要なもので成人の体内におけるコレステロールの1/4は脳に集中して存在しています。
 脂肪酸には、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸があり、各々身体には必要なもので、それらの役割も分かってきています。特に多価不飽和脂肪酸の内、EPAやDHAでよく知られるオメガ-3系の脂肪酸は炎症を終息させるために必要不可欠なものです。炎症を終息させる多価不飽和脂肪酸や細胞膜を作るために必要な飽和脂肪酸、摂取の仕方もバランスが大切なのです。脳卒中は起こらなくても、心筋梗塞が起こってしまっては健康とは言えません。健康のためには、動物性の脂肪酸や植物性の脂肪酸、現代人は特にオメガ-3系の魚の油やシソ油などが必要なのです。
 人間の体はバランスが大切です。食べるものもバランスよく食べなければバランスが崩れて病気を起こしてしまうのです。



昭和堂薬局 | 2013年3月14日

 

平成25年2月22日NHKためしてガッテンで子宮内膜症について放送されました。

 平成25年2月22日NHKためしてガッテンで子宮内膜症について放送されました。
 最近、不妊相談に訪れる方たちの多くが子宮内膜症や子宮筋腫を患っています。
 今回、ためしてガッテンで子宮内膜症が紹介されたので免疫学的な補足をさせていただきます。

以下、番組内容を抜粋(詳細はためしてガッテンのホームページでご確認ください)

さらば!あのツライ痛み 260万人を襲う謎の病~いま女性に増えている病気「子宮内膜症」~
 月経がある女性の10人に1人がこの病気になるといわれ、患者数はおよそ260万人と推定されています。
 しかし、そのうち病院で診断を受けている人は、およそ60万人。
 病気のサインに気づきながらも、放置していたために悪化してしまうケースも多く、女性はもちろん男性にもぜひ知っておいてほしい、知られざる子宮内膜症の実態をお伝えします。
 女性の月経(生理)と深い関係のある病気、「子宮内膜症」。
 恥ずかしながら、女性である私も、取材を始めるまで、その実態についてほとんど知りませんでした。取材に応じて下さった子宮内膜症の患者さんの多くも、診断を受けるまで病気のことをご存じなかったそうです。
 そんな皆さんが口をそろえておっしゃっていたのが、この病気について「知っておくこと」の大切さです。それが病気のサインにいち早く気付くことにつながり、診断を受けても治療に前向きになれる力になるからです。
 番組でお伝えできたのは、さまざまな形であらわれる子宮内膜症のごく一部ですが、病気についての理解が広がっていく、その一助になれたらと思っています。
 そしてなにより、もし「重い月経痛」「月経に伴う体の痛み」など気になる症状があれば、我慢せずに病院を受診していただきたいと思います。


 子宮内膜症の原因はまだ完全には分かっていません。しかし、体内でどのような現象が起きているかという点で解明が進んでいます。
 月経時に、ほとんどの女性において経血は逆流しています。
 健康な女性では経血と共に逆流した子宮内膜(異所性子宮内膜といいます)を免疫担当細胞が排除しているので子宮外に子宮内膜が生着、増殖することはありません。
 しかし子宮内膜症を患っている方は何らかの原因で(例えば体内で起こる炎症など)免疫により排除されるはずの異所性子宮内膜が免疫担当細胞からの攻撃を逃れ、本来存在しないはずの卵巣や腹腔で子宮内膜が生着、増殖してしまいます。
 免疫の中心的な役割を果たしているのは腸管免疫で、欧米型の食事の普及によって日本の伝統食である発酵食品の摂取が減少したことで腸内環境のバランスは乱れ、さらにストレスが加わることで悪性菌が優位に働くことが分かっています。
 また、マーガリンや酸化された油を恒常的に摂取していると風邪などの感染症やアレルギーによる炎症反応を完全に鎮めることができず、その結果免疫の異常をきたすことに繋がっていくことになります。
 子宮内膜症を発症してしまうと完治するのは大変であるため早期発見と予防が大切です。
 ストレスを感じる方やよく風邪をひく、アレルギーがある方、感染症によくかかる方などは注意が必要で免疫の狂いが生じている可能性があります。
 普段から生理不順や便秘と下痢を繰り返すような方は、腸内環境のバランスが乱れている可能性があるため、ストレス解消や腸内環境を改善し免疫を正していく必要があり、生活の改善が難しい場合は漢方薬や腸内環境を整えるための健康食品を使用していくことも視野に入れてみては如何でしょうか。


昭和堂薬局 | 2013年2月27日

 

アレルギー性鼻炎 8割が薬の効果実感できず

産経新聞電子版にアレルギー性鼻炎の治療についての調査結果が掲載されました。


アレルギー性鼻炎 8割が薬の効果実感できず
 日本人の3割が患っているともいわれるアレルギー性鼻炎だが、通院中の患者の約8割が、鼻づまりの症状に対し治療薬の効果を感じていないことがサノフィ(東京都新宿区)の調査で分かった。
 調査は、アレルギー性鼻炎の患者を診察する医師300人、16歳以上の通院患者1千人に実施した。それによると、患者の92%が「鼻づまりの症状で困っている」と回答。具体的には「十分な睡眠がとれない」(82%)、「仕事・勉強・家事に集中できない」(74%)などが挙がった。
 一方、使用中の治療薬の効果については「鼻づまりの症状がすっきりとれる」と答えた患者は22%。約4割の患者は「鼻づまりがあっても治療は変わらないと思った」などの理由から、診察時に鼻づまりの症状について医師に伝えていなかった。
 山王病院(港区)耳鼻咽喉科医師の倉島一浩さんは「過去の経験から、治療に期待を持てなくなっていることや治療に対する不信感、諦め感があると考えられる」としたうえで、「医師が積極的に患者に聞き取りを行い、満足度を向上させる治療に取り組むことが重要だ」と話している。


 8割の方が鼻づまりに関して効果を実感できていないというのは驚きですが、医師からの処方薬や一般的に売られている鼻炎薬(抗アレルギー薬も含む)と呼ばれているものは、”アレルギー”という私たち誰もが持っている”免疫”の過剰反応そのものを起こらなくしているわけではなく、この過剰な免疫反応によって発生してしまうヒスタミンやロイコトリエンといった物質の放出をブロックするタイプかこれらの物質が受容体というスイッチを押すことをブロックするタイプがほとんどです。
 花粉やほこりなど体にあまり害を及ぼさないものに対して過剰な反応を起こしてしまうことが問題であり、薬を服用してその場しのぎの対応をすればよいのではなく、日頃から、この敏感すぎる反応を起こらないようにするための生活習慣や食生活を送ることが重要です。
 現在、アレルギー疾患や生活習慣病(糖尿病など)、心疾患、がん、自己免疫疾患(リウマチなど)、肥満に至るまで様々な病気の根本に”慢性炎症”が関わっていることが判明しています。この”慢性炎症”の発生メカニズムは解明されていませんが、ストレスや食生活が原因であると言われています。食生活の乱れにより腸内環境が悪くなることで炎症が起こりやすくなり、油の摂り方が不適切だと何らかのきっかけで一度発生した炎症を終息できずに慢性化し、この流れが何度か続くことで炎症が持続した状態になり、害が少ないはずの花粉が侵入しても敏感に反応してアレルギー性鼻炎の症状が出てしまうのです。
 花粉症の症状を抑えるのではなく、この微弱ではあるが持続的な炎症を起こしている体を正常に戻すために食事のバランスや腸内環境を良くする善玉菌を積極的に摂っていくことが大切です。


昭和堂薬局 | 2013年2月13日

 

こんなアレルギーまで…

 読売新聞電子版のコラムに”セックスも命がけ…精子アレルギーの話”という記事が載っていました。
 その内容は以下の通りです。


 精子アレルギー(精液アレルギーもしくは精液血漿過敏性とも呼ばれます)は、男性の精液に含まれるタンパク質に対する、まれなアレルギーの一種です。このアレルギーは主に女性に悪影響を及ぼします。
 主な症状として性行為後の膣周辺の赤みや、腫れ、痛み、かゆみ、灼熱感が出ます。重症化すると、アナフィラキシーといって、呼吸困難や血圧低下が起きて致命的になる可能性もあります。
 主に、精子アレルギーは初めて性行為をした際に起こる場合が多いのですが、一人のパートナーとずっと性行為をしていたのにもかかわらず、突然アレルギーになってしまう場合もあるそうです。(これは他のアレルギーにもあることですね。私の周囲にも、ずっとエビやカニが大好きだったにもかかわらず、突然エビカニアレルギーになってしまった知人がいました)。
 精子アレルギーは、その症状から、膣の細菌性炎症やヘルペスなどの性感染症と誤診されてしまう場合があり、診断が難しいのです。「コンドームを使用した時だけ、アレルギーが起こらない」というポイントから、判断します。
 つまり、コンドームを使えば、アレルギー予防になるということですね。でも、妊娠を希望する女性が精子アレルギーになってしまったら、どうすれば良いのでしょうか?
 自然妊娠は難しいですが、方法はあります。精子を培養液で洗浄して、アレルゲンとなってしまっているタンパク質(抗原)を除去した後に、人工授精や体外受精をすることにより妊娠が可能となります。


 この記事を書いた小堀医師も国際性機能学会から送信されたメールで知ったようです。
 日本でどのくらいの方がこの精液アレルギーになっているのかは不明ですが、このような記事を見ると本当にアレルギーが増えていることを実感します。
 花粉症にしても精液アレルギーにしても原因となる物質の違いがありますが、アレルギー反応であることは同じであり、免疫という本来自分の体を守るシステムが少しの狂いで好ましくない反応を示してしまいます。本来自分の体の中のものには反応しないはずの免疫が自己を攻撃してしまう”自己免疫疾患”や花粉や食べ物など異物ではあるが本来免疫反応が起こらないはずの”アレルギー”、自分の細胞が異常な細胞になったのに排除できずに体の中で増えたしまった”がん”など大きく分けると、この3つになります。
 このような免疫の狂いを極力起こさないためには日頃からストレスをためない、食べ物のバランスを考えていい便が出るようにし、腸内環境を良好に保つことです。
 便をバロメータの一つとして、ヨーグルト等の発酵食品やそのような食だけではいい便にならない時には腸内環境を整える健康食品を使い、いい便が出るようにしましょう。このようなことをして免疫を正し、アレルキーを発症しないようにしましょう。



昭和堂薬局 | 2013年1月25日

 

「美やせ&腸までキレイ 出た!プチ断食大解剖」

 NHK総合テレビ・ためしてガッテンで「美やせ&腸までキレイ 出た!プチ断食大解剖」というテーマで断食が取り上げられました。皆さんにきちんと断食を理解していただくために、今回のコラムでは私なりの見解と解説をしてみたいと思います。
 番組の冒頭で「今回のテーマは、巷で話題の”プチ断食”たくさんの方法が本や雑誌などで紹介されていますが、今日取り上げるのはあえて朝食を抜いてみたり、週末を飲み物だけで過ごしちゃうという健康法!期待されている効果は、ダイエットやメタボ予防、便秘解消やアンチエイジングまでさまざま!いったいその効果のほどは?プチ断食をさまざまな角度から、徹底研究します!」こんな感じでスタートしました。
 断食とは、そもそも摂取カロリーを減らし、代謝を促すことによるダイエットやデトックスを目的にしたものです。
 通常人間は、食べ物を食べると消化・吸収・代謝・排泄が順番に起こります。断食はこのうち消化・吸収過程を休ませて、代謝や排泄を促すことでダイエットやデトックス効果を期待する健康法です。
 人間は糖からエネルギーを作りますが、食べ物を摂らないとグリコーゲンや脂肪から作られた脂肪酸、タンパク質からブドウ糖を生成し、エネルギーを作るようになります。
 まず、断食をすると筋肉からグルコース(ブドウ糖)が作られ、さらに断食を続けると脂肪酸が利用されるようになります。この脂肪酸は脳ではそのまま利用することが出来ないために肝臓でケトン体が作られ利用されるようになります。このケトン体が増えた状態をケトーシスといい、ケトン体が増えすぎてしまうとケトアシドーシスという電解質異常を起こします。ためしてガッテンではこのケトアシドーシスに至らないように注意していますが、半日や1日程度の断食ではケトアシドーシスになる事はほとんどないでしょう。もし、プチ断食でこのようになってしまう人がいれば、もともとインスリンが反応しないような糖尿病などの人でこのような方々は断食をしない方がいいでしょう。
 また、このようなことがないように、最近は酵素飲料などを使う断食が多いようです。酵素飲料には野菜や果物の糖質が含まれますし、ミネラルやビタミンも多く、発酵生成したものですから酵母や乳酸菌などの腸内環境に有用な菌類も含まれているので排泄(便通など)にも有効です。


昭和堂薬局 | 2012年11月13日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。