『昭和堂薬局』

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低価格食品はほんとに得?

高級ブランド品のお店がにぎわい、町でも高級バッグを持った人ばかり。その側で食料品は安売り合戦…
 食品は安ければいいのか?
 食べるものは自分や家族の体をつくる素です。常識外れの価格で売られているものにはからくりがあります。以前コラムで書いたように、添加物だらけのミートボールやチーズ・アイス・バターもどき(チーズもどきの見分け方が良く分からないのですが、バターもどきはマーガリンやファットスプレッド、アイスもどきはラクトアイスで植物油脂を使っています。植物油脂はリノール酸〈オメガ6系〉の油で炎症体質にします。)はスーパーの価格競争やコンビニの低価格品が生んだものですが、私達が価格で食品を選ぶことも、それに拍車をかけているのです。
 無農薬の米や有機野菜、無添加の調味料などを使うとそんなに負担増なのでしょうか?ペットボトルの飲み物や缶ジュースを毎日何本も買うことを考えれば…また、ご家庭で野菜を腐らせたりして無駄にしてませんか?良い物を工夫して使うことで無駄を省けたら…
 私の店に健康相談に来る方たちに最初に言うことは食のことです。多くの方はインスタント食品やスナック菓子を悪いことをしていると思わず食べています。医食同源という言葉がありますが、食を疎かにすると病気になり、食を大切にすると病気になりにくいのです。病気になればお金も掛かります。結局、負担増になってしまうのではないでしょうか?
 総務省の家計調査では1世帯が1年間に買う米代は、お菓子代の半分以下という恐ろしい結果も出ています。日本人の主食代よりお菓子代が二倍以上多いのです。
 何度も言いますが、食べるものは自分や家族の体をつくるものです。簡単ですぐ食べられるものは便利ですが、自分や家族がそれを続けると病気になるとしたら…
 アトピーや花粉症、不妊、うつや不安障害など、食と関わりがあまりなさそうな病気も食の乱れが関係していると思います。殺人事件や子どもの虐待事件がこんなに多いのも食の乱れが関係しているのではないでしょうか。
 良い食材を大事に使い、少し手間をかけて自分たちの体を守りましょう。病気になってしまうと手間とお金がかかります。年齢によって養生をすることも大切なことです。漢方にも養生法がありますが、食生活と生活習慣を改善することが一番の養生ではないでしょうか。ちょっとした工夫で心と体を元気に保ちましょう。



昭和堂薬局 | 2010年9月30日

 

秋の養生法

“収穫の秋”と言うように、自然界では秋は、収穫の季節です。米をはじめ粟(あわ)、黍(きび)、稗(ひえ)などが実り収穫の時期を迎え、夏の陽気が盛んな季節から、少しずつ陰が盛んになっていきます。昔から、”食欲の秋”や”読書の秋”と言うように、夏の暑さで疲れた胃腸の働きも盛んになりはじめ、蔵の季節である冬に備える季節で、人間のエネルギー(気)は内向きになり、エネルギーが旺盛で活発な夏に比べ、活動が控えめで、気分も落ち着いてくるので、”食欲の秋”や”読書の秋”と言うのでしょう。
 秋に気をつけなければいけないことは、乾燥と冷えです。秋になると朝晩が涼しくなり、湿度も下がってきます。そのため、秋の臓である肺の病気が増えてきます。風邪やアレルギー、皮膚の乾燥などが起こってきます。また、中医学では肺と大腸は密接な繋がりがあるため、便秘なども起こりやすくなります。
 肺や大腸を補う辛味の物を摂ると良いでしょう。辛味の食材は、ねぎ、生姜、わさび、唐辛子、大根、たまねぎ、しそ、にらなどがあります。
 最近の日本人の食事は、欧米の影響で脂っこい物や動物性のタンパク質を多く摂るため、夏の暑さで弱った胃腸に負担をかけます。辛味の食材をうまく取り入れ、肺と大腸を補う事が重要になります。肉にこしょう、刺身にわさび、すしにわさびと生姜、油ののったサンマに大根おろしが添えられるのも、理に適った事なのです。
 今年は残暑きびしく、暑い日が続いていますが、季節は確実に秋を迎えています。暑いからと言って、冷たいものばかりを摂るのはそろそろ控えて、陽の季節から陰の季節になる変わり目をうまく迎えましょう。
 地球温暖化が言われていますが、日本では確実に季節は巡っています。秋は訪れているのですから、何千年も前から言われている養生をしていくことが、元気で長生きの秘訣だと思います。


昭和堂薬局 | 2010年9月15日

 

昭和堂薬局がお勧めする病気にならない食事№4

 私たちの周りに、偽物が多くなっています。
 安くする為に、安くできる代替食品。私たちは生きていく為に食事をしますが、その中に知らず知らずに、体をむしばむ偽物の食べ物が増えていたら…。
 消費者は安いものを求め、企業は安く売れて採算がとれるものを開発する時代。自然で、手間のかかる本物は、高くて売れない。
 私たちの体は、食べ物からつくられています。そこに不自然な食べ物が入ることで、知らず知らずに健康を害するものが体に入って健康を害していたのなら…


 安くてたっぷり使いたい
 「安いのをたっぷり」が現代人の病気のもと
 とろんと溶けた様子は本物そっくり。味はやや淡白だが、じっくり味わわないと違いに気付かない程度だった。
二〇〇八年、メーカー数社が発売し、外食や加工食品で需要が伸びたという”代替チーズ”を試食してみた。主原料は植物油脂。値上げされたチーズより、二,三割安いのが売りだ。
「コンビニなどから『値上げしたチーズをサンドイッチの具材から外したい』という話が出た。これまで通り、たっぷり使ってもらえるように代替品を開発しました」と、あるメーカーの広報は言う。
 手ごろな”代替品”があれば、いつでもたっぷり食べられる。そんなニーズに応えた食品は、見慣れた中にもある。
 マーガリンも、もともとは「人造バター」と呼ばれた代替品。最近では、さらに安価な「ファットスプレッド」(マーガリンより水分量が多い)が売り場を占める。
 生クリームの半値のホイップクリームも主原料は植物油脂。アイスクリームの約五分の一で買える「ラクトアイス」も、主原料は糖類と植物油脂だ。
 ”本物”なら時々しか買わないものも、これなら買い物かごに二、三個入れられることになる。
 「和食を基本に。でも、サラダを食べるならシソ油がいい。アレルギーを抑える『α(アルファ)-リノレン酸』が豊富ですから」
 山口県の下関中央病院。1万人以上のアレルギー患者を診てきた医師永田良隆(68)が、アトピー性皮膚炎の子どもの母親に油の使い方を説明していた。
 一般の植物性に多い「リノール酸」は体に必要なものだが、摂り過ぎはアレルギー性疾患やがん、動脈硬化などの原因になると指摘される。
 「でも先生、シソ油って高いですよね」
 「『安いのをたっぷり』が現代人の病気のもと。『良いものを控えめに』でいけば、生活習慣病にもならないですよ」
 外来が終わり、永田はこう振り返った。
 「昔、油は高価だった。私は子ども時代を佐賀県の唐津で過ごしましたが、天ぷらは『おくんち』のごちそうだったと、よく覚えています」
 小売物価統計(東京都区部)を参考に試算すると、永田が二十歳だった1960年、食用油一リットルは米二キロ分とほぼ同じ価格。今で言えば、油一リットルが約千円することになるが、実際、昨年の油は一リットル約三百五十円。多用しやすくなった結果、加工食品を含めて一人が食べる植物油脂量も、六〇年の約四倍に膨らんでいる。
 地元で取れた菜種を低温で焙煎、プレスすると、琥珀色の油が滴る。
 福岡県築上町では今、昔ながらの菜種油づくりが復活している。〇八年に取れた油は、「幅二十メートルの五十メートルプール」と同じ面積(十アール)の畑当たりで約九十リットル。
 一方、大量生産の食用油では、同量の菜種からより多くの油を搾れるよう、高温焙煎したり、溶剤のヘキサンを使ったりする方法が一般的だ。
製法が違えば、価格も変わる。最近の菜種油の相場は、一リットル換算で約二百三十円。築上町の菜種油は一リットル千円だが、「香りがよくておいしいと好評で、大事に使ってもらっている」(生産している湊営農協組合)。
 六〇年以降、急速に原料輸入が拡大した植物油脂は、いまや自給率3%。「良いものを控えめに」という食べ方は、菜種畑の風景とともに、私たちの心から消えていったのかもしれない。

 これは、西日本新聞(価格の向こう側)の抜粋です。
 私達は、安い物を求めることで、本物を忘れかけています。
 食事は、”命をいただく”と言うことです。生きていくための体に、自然界にはないような物から命がいただけるでしょうか?
 本物を知り、健康的な生活が送れるように、もう一度食について、考える時期に来ているのかも知れません。


昭和堂薬局 | 2010年8月31日

 

世界保健機関(WHO)が、抗生物質適切使用を、新型耐性菌で初勧告

 ほとんどの抗生物質が効かない新型耐性菌が問題になってします。
 この問題に対し、WHOは抗生物質の安易な使用が耐性菌の発生につながることから、各国に抗生物質の適切な使用など対策を講じるように初めて勧告をした。
 耐性菌については、私が大学を卒業し病院勤務をしていたころには騒がれていたので二十数年前(もっと前かも)からありました。耐性菌が出ると新しい抗生物質が開発され、一時はいいのですが、また新しい耐性菌が出るという事を繰り返しています。
 細菌は自分の身を守るために抗生物質が効かないように自分の形を少し変えます。これが耐性です。安易に抗生物質を使うことで耐性ができやすい状態にします。特に日本では、風邪の二次感染予防など感染が確認されていない時や感染の可能性が低いような時でも抗生物質を使う事が多く世界の中でもその使用量はかなり多くなっています。
 また一方では、無菌加工品や過剰な除菌により世の中がきれいになり過ぎて人の抵抗力(免疫力)が必要なくなり、細菌に対する力が弱くなったことや過剰なストレスにより免疫の低下が起こったことも人間を弱くしていると思います。
 では私達ができることは何でしょうか?
 手洗いうがいという事も大事でしょうが、適度な運動と栄養バランスに優れた日本の伝統食を心がけると腸内環境が良い状態になり、抵抗力が上がります。
 腸管免疫は全体の60%を占めているので、非常に重要です。善玉菌を増やし悪玉菌を減らし、便通を良くするように心がけましょう。(肉の摂りすぎや野菜不足は腸内環境を悪くし、便秘の原因です。)
 人間の歴史の中で感染症(チフスなど)の大流行で多くの人の命が失われ、その救世主である抗生物質に助けられてきたことも事実です。しかし、抗生物質は万能薬ではないので適切な使い方が必要なのです。


昭和堂薬局 | 2010年8月25日

 

食育について

 「食育」とは、国民一人一人が、生涯を通じた健全な食生活の実現、食文化の継承、健康の確保等が図れるよう、自らの食について考える習慣や食に関する様々な知識と食を選択する判断力を楽しく身に付けるための学習等の取組みを指します。
 (財)食生活情報サービスセンターのホームページ記述です。
 食育基本法は、平成17年6月10日に成立し、その後、食品関連企業が食育についていろいろな活動をしているようですが、「あれ?それが日本の食育?」と思いたくなる事もあります。
 食育についての私の解釈は、欧米食が日本に入ってきたことで脂質が過剰になり、肥満や糖尿病などいわゆる生活習慣病が問題になってきたことで、日本の伝統食をもう一度見直すために言われていることだと思っています。
 日本の生産者が苦労して作った食材が家庭に届き、その食材で食事をつくり、私たちがそれを食べるという流れを中心に、食生活の重要性を学ぶことだと思います。
 健康相談に来る人たちの食生活を聞いて驚くことは、食べられて空腹が満たされればなんでもいいのかなと思うような食べ物が普通に食べられていて、良くない食事だと思っていないことです。病気を治すのに食事と生活習慣の改善は非常に重要です。例えば、アトピーを漢方で良くしようとした時、食生活が乱れていると良くならないことを経験してきました。
 中医学(漢方)では、人間は自然界からの影響を受けて生きていると考えます。ですから、季節や食べ物の影響を向けて成長してきているのです。南育ちの人は南国の食べ物、北育ちの人は北国の食べ物が一番体に合うのです。日本人は日本の伝統食がいいのです。
 日本での食育とは日本の伝統食だと私は思います。ご飯とみそ汁、焼き魚に海苔や納豆、お新香、酢の物などなど日本の伝統的な食事がいいですね。
 しかし、フランス料理やイタリア料理を食べてはいけないと言っているのではなく、日本の伝統食を中心に食すことが日本人には良いと思っているのです。
 今、好んで食べているものが本当に良いのか考えてみてください。日本には日本の、夏には夏の、冬には冬の食べ物があり、夏野菜は体を冷やし、冬野菜は体を温めます。
 こんな事を参考に食を見つめてみると見えてくるのではないでしょうか、意識してみてください。日本の伝統食。



昭和堂薬局 | 2010年8月17日

 

日本人は”植物性”がお好き?

 日本人は「植物性」という言葉に対し、健康に良いというイメージがあるようです。
 過去には、植物油から作られたマーガリンが代表的ですが、これについては以前のコラムに書いたように、トランス脂肪がたくさん含まれます。植物性ということで医師が薦めていた時代があったくらいです。
 最近では、植物性乳酸菌。乳酸菌とは糖から乳酸をつくる菌のことで、植物性乳酸菌ラブレとはラクトバチルス・ブレビスという菌で、漬物のほか人や動物の腸など自然界に広く棲息する菌種です。ラブレがたまたま京漬物から発見されたので植物性と言われたにすぎないのです。そして大ヒット。
 私もそうですが、健康に良い食事について話す時、必ず野菜を摂るようにすすめています。
 野菜を摂るという事と、植物性の油や乳酸菌を摂るという事は話が違います。その事を日本人は勘違いしているのです。
 しかし、植物性乳酸菌が体に良くないと言っているのではありません。植物性と言うだけで体に良いとイメージすることが良くないのです。
 油についても言えることで、紅花油・コーン油など植物性の油=体に良いではないのです。
 油には大きく分けると飽和脂肪酸(バター・ラード・牛などの脂・ココナッツオイルなど)と不飽和脂肪酸があります。不飽和脂肪酸には一価不飽和脂肪酸(オメガ9:オリーブ油やキャノーラ油など)と多価不飽和脂肪酸があり、さらに多価不飽和脂肪酸はオメガ6(紅花油・コーン油・大豆油など)とオメガ3(フラックスオイル・シソ油・青背の魚油など)に分けられます。
 現代人は欧米食が多く、特にオメガ6系の油を多く取る傾向にあります。オメガ3とオメガ6の比が1:1~4が理想ですが、現代人は1:10~50と言われます。
 この二つの油は細胞膜を構成し、柔らかさと固さを調整しています。ですからこの比が崩れ、オメガ6が多くなると細胞は固くなります。オメガ3とオメガ6は拮抗関係にあり、この二つからできてくる物質もオメガ3系は炎症抑制・血栓抑制・血管拡張にオメガ6系は炎症促進・血栓促進・血液を固めるように働きます。バランス良く1:1~4で摂れていれば問題ありませんが、オメガ3とオメガ6を1:10~50で摂ることで炎症系の病気が増えているのです。
 このように植物性と言うだけで油を選ぶことはいけません。油の正しい摂り方を簡単に言うと、炒め物など火を使う油はオメガ9、ドレッシングなど生で使う油はオメガ3、オメガ6は自然に摂れてしまうので極力減らすと良い比になります。
 植物性の物がすべて健康に良い物ではありませんからそのイメージは捨てるべきです。植物性に惑わされることなく正しい認識を持ちましょう。


昭和堂薬局 | 2010年8月10日

 

米の「亜糊粉層」、心臓血管疾患予防に効果(読売新聞)

 和食や玄米・分搗き(ぶづき)米を食すよう、これまで店頭やコラムで薦めてきました。
 お米は精米度により、籾米→玄米→1分搗き→3分搗き→5分→7分→白米と変化していきます。玄米の食物繊維を1とすると白米は0.3、他のビタミンやミネラルなどの栄養素も3分の1くらいに削り落されてしまいます。(外側の糊粉層の方が栄養素が多いと言われているのでもっと少ないかもしれません)
 玄米食もいいのですが、よく噛んで食べないと消化によくない上あまり美味しくないのです。この点、食べやすい分搗き米なら普通に炊け、栄養素もしかり残っています。 そしてついに、玄米・分搗き米の良さが栄養価以外にも科学的に証明されました。


高血圧 原因ホルモン活動抑制
 白米とぬかの間にあり、精米によって失われてしまう「亜糊粉層」に、動脈硬化などの心臓血管疾患を予防する効果があるという研究が、4月に米国の実験生物学会で発表された。研究論文が科学雑誌に掲載されるなど、注目が集まっている。
 和歌山県立医科大の宇都宮洋才准教授(細胞生物学)や和歌山高専の奥野祥治助教(工学)、米ペンシルベニア州立テンプル大の江口暁准教授ら研究グループが2008年頃から、栄養価が極めて高く風味が豊かな組織層「亜糊粉層」で研究を始めた。高血圧や動脈硬化などの原因となるホルモンの一種「アンジオテンシン2」に着目。生後12週間のラットの胸部大動脈から培養した細胞を、亜糊粉層成分を抽出した液に加えたものと加えなかったもので比較。亜糊粉層成分がアンジオテンシン2の活動を抑制する作用があることを初めて確認した。
 亜糊粉層は玄米や胚芽米では残っているが、通常の精米による白米では大半が失われる。今後は治療薬などの可能性も研究するという。宇都宮准教授は「米食は健康に良いと言われるが、その根拠を科学的に明らかにして消費拡大につなげたい。精米技術も日々向上しており、亜糊粉層が残るような方法も推奨したい」としている。
 日本食生活指導センターの野々村瑞穂会長の話「米には未知数の可能性があり、日本の食文化が見直されていくのではないでしょうか。玄米は消化があまりよくないので、白米で採れればなおのこと良い」
(2010年8月2日 読売新聞)

 私の友人のお米屋さんに聞くと、最近の精米はより白い米にするため削りを多くし、昔は残っていた亜糊粉層まで削ってしまっているものが多く見られるそうです。
 そのお米屋さんが取引している大学病院でも入院食に分搗き米を使うことになったそうです。
 いろいろな分野で注目されている米の栄養価。毎日でなくていいので玄米や分搗き米を取り入れてみませんか。



昭和堂薬局 | 2010年8月3日

 

『熱中症死者が、30年前の6倍 冷暖房慣れも影響か(朝日新聞)』

連日猛暑日がつづき、その日何人が、熱中症で病院に運ばれたか、などがニュースで伝えられています。熱中症は、暑い時期に野外で激しい運動をして起こるというイメージが、室内でも熱中症になることがあります。
 では、熱中症はどのようにして起こるのでしょうか。
 元来、人には体温を調節するメカニズムがあります。
 1.皮膚表面からの熱放出
 2.発汗による気化熱を利用した熱放出
 しかし、高温・多湿のこの季節になると、体温より気温が高いため皮膚表面から熱放出がうまくいかず、さらに湿度も高いため汗が蒸発されずに熱を放出できなくなります。その結果、熱が体内にこもり、汗により水分とミネラルが失われるため、熱中症になります。
 症状としては…
 ・軽症:立ちくらみ、体に力が入らない、筋肉のけいれん
 ・中等度:顔面蒼白、めまい、吐き気、倦怠感
 ・重度:立っていられない、意識がもうろうとする、体温の異常な上昇
 熱中症の予防には、水分とミネラルの補給です。
 スポーツドリンク(2倍くらいに薄める:吸収しやすい糖分が多く入っているので急激に血糖値が上がり、インスリンを消耗して体力を使う為)やお茶と天然塩を摂るようにしてください。日頃から食生活に注意してインスタント食品や加工食品を控え、野菜や果物を摂りミネラル不足にならないように気を付けましょう。ミネラルをサブリメントで摂ることも良いです。また、冷房は高めに温度設定(25℃~27℃)し、体温の急激な変化(室内温度と外気温度の差)を少なくし体力の消耗を防ぐようにしましょう。
 どうしても暑い時期に外出や運動する場合は、漢方で陰液を補い、脱水症状や筋肉のけいれんを抑えるのも良いですし、シャワーではなくぬるめのお風呂(ぐっすり眠り体力の消耗を防ぐ)につかり汗腺を開くことも大切です。
 高齢になると体温調節がうまく出来なくなりますので、冷房を適度に使い日中の暑い時間帯は外出を避けること(ただし家の中でも油断は禁物)が必要です。
 これらを実行し、うまくこの暑い時期を乗り切りましょう。


昭和堂薬局 | 2010年7月27日

 

「高脂血症→脳卒中死亡率低い」という記事があった。

 7月13日の読売新聞の夕刊に「高脂血症→脳卒中死亡率低い」という記事があった。
 コレステロール値が高く、高脂血症と診断された人の方が、そうでない人よりも脳卒中の死亡率が低く、症状も軽くなるという調査結果を、東海大の大櫛陽一教授が発表したものでした。これまでは、コレステロールが高いと脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高くなると言われてきました。しかし、私は、検査数値に関し、疑問に思うことがあります。例えば、昔と比べ血圧は正常血が少しずつ下がってきて、年齢関係なく正常値は一定である点や、コレステロールも年齢や性別関係ないことなどです。
 血圧は、年齢を重ねるとともに血管が固くなり弾力性を失うので、少し血圧を上げないと細い血管に血液がとどかなくなる。細い血管が多い所の代表は脳であり、脳に血液がいかなくなれば…。
 コレステロールは、ホルモンをつくる材料で閉経後の女性ではエストロゲンというホルモンが減るためコレステロールの消費が減り、コレステロール値が上がります。
 店頭で私は、このような理由で数字を気にしない方が良いとお客さんに言ってきたが、大櫛教授は正しかったことを証明してくれた。大櫛教授は、「コレステロールと中性脂肪で、くすりは飲むな」という本で詳しく解説しています。
 検査数値はチョイ高め、数字よりもストレスや食生活の方を改善しないと、例えば、コレステロールで言えばLDLコレステロールが酸化されて酸化LDLコレステロールになると血栓をつくる原因になるので、量より質が問題なのです。質を改善するためには、食生活の改善とストレスをためない生活が重要です。
 数値が、少し高いだけで病人にされないように注意しましょう。


昭和堂薬局 | 2010年7月21日

 

昭和堂薬局がお勧めする病気にならない食事№3

近年、炎症性の疾患が増えている。
アトピー性皮膚炎や喘息、肺炎、肝炎、腎炎、すい炎の増加。他に子宮内膜症などの婦人科疾患はもちろん、さらには認知症やガンまで炎症とのかかわりがあると言われている。
なぜか?
今から80年前の明治~大正時代には平均寿命は40歳ぐらいこのわずか80年の間に、寿命が倍の80歳ぐらいまで伸びたことは驚異的だ。
医療の進歩で死亡率が下がったことは、もちろん大きく関与しているが、一番大きなことは?それは食事(栄養)だ。
栄養状態が改善した事が一番の理由であろうと言われている。
しかし現在、過去には少なかった疾患が増加の一途をたどっている。
前述した炎症性の疾患である。
加工品や添加物を口にする機会が増え、栄養のないカロリーだけの食事、そして油の問題。
体の中でゴミとなったり、熱に変わりやすいものばかりで、炎症を起こしやすくなっている状況がある。
食事の内容が劇的に寿命を延ばしたように食事の内容が劇的に病気をつくりだし、増やしている
今日、あなたは何を選んでたべますか…


マーガリンは不自然な食べ物

植物油をつかったマーガリンはなぜ常温でも固体なのでしょうか?本来ならばサラサラの液状になっているはずです。
実は「水素添加」という方法を使って、無理やり油の性質を変えているのです。
-中略-
マーガリンを製造する過程で部分水素添加を行うと、飽和脂肪酸とどことなく似た、できそこないの飽和脂肪酸のようないびつな形になります。これが「トランス脂肪」です。
食品工業の技術者は、トランス型のいびつな脂肪酸に変化した構造をもつマーガリンがプラスチックとよく似ている、と指摘したのです。
ご存知の通り、プラスチックは自然界には存在しないものなので土の中に埋めても分解されません。それと同じ構造のものが体のなかに入ったらどんなことになるか、考えただけでもゾッとします。

これは『病気がイヤなら「油」を変えなさい!』という本からの抜粋です。
また本書は、日本が栄養後進国であることを指摘しています。現在ヨーロッパ各国では、トランス脂肪酸を「殺人脂肪」として扱い、トランス脂肪酸が一定基準よりも多く含まれている食品を違法としています。また、アメリカ・ニューヨーク市でもすべての調整食品からトランス脂肪酸を排除することを法律化しています。
今回は油(トランス脂肪酸)をピックアップしましたが、加工食品に囲まれて、炎症を生む「死んだ食品」が溢れているのが現状です。

病気にならない方法は, 薬を飲んだり病院に通ったりすることではありません。
「私達の体は100%食べたものでできています。良い物を食べれば、良い体と心ができます。悪い物を食べれば、悪い体と心ができます」
こんなシンプルで当たり前のことなのです。


トランス脂肪酸を多く含む食品トップ10
1.スプレッド(マーガリン・ショートニング)
2.粉ミックス(ケーキ用小麦粉)
3.インスタントラーメン、インスタントスープ
4.ファーストフード(フライドポテト)
5.冷凍食品(冷凍チキン)
6.オーブン食品(ドーナツ・パウンドケーキ)
7.スナック菓子(ポテトチップス)
8.シリアル(オートブラン)
9.クッキー、チョコレート(チョコレートクッキー)
10.トッピング(ホイップクリーム・コーヒーフレッシュ)


昭和堂薬局 | 2010年7月7日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。