私たちの体は筒状になっており、それを覆う体表面は外側が皮膚そして内側が粘膜で構成されています。そして、その皮膚や粘膜は外からの異物や病原体から身を守る防御機構を備えています。皮膚や粘膜の上皮細胞は、物理・科学的バリアであり、免疫と連動して生体防護に関わっています。また、この生体バリアは外敵から身を守るだけでなく、そこで共存している微生物との共生関係を構築しています。その共生関係が壊れることにより、様々な疾患とのかかわりが報告されています。
腸管上皮細胞は、食事などと共に侵入してくる細菌やウイルスなどによる感染から身を守るためのバリア機能を備えています。強固な細胞間接着によって形成されるタイトジャンクションは微生物の細胞間の通過をブロックし、腸管上皮を構成する各種腸管上皮細胞はそれらの様々な機能によって生体防御をしています。また、腸管上皮細胞は外来生物を認識する受容体を持ち、抗菌ペプチドやサイトカインの産生を誘導し、免疫細胞にも作用することにより生体防御に貢献しています。
腸管上皮細胞には、吸収上皮細胞、胚細胞、パネート細胞、M細胞、タフト細胞、腸内分泌細胞の計6種類の分布が確認されています。これらの細胞は腸陰窩部に分布する腸上皮幹細胞から分化します。
少し難しくなってしまいましたが、以上の様に腸上皮細胞は非常に重要な場所です。この生体バリアを正常に機能するようにしていかないと疾患が起きやすい状態になります。この腸内環境を維持し上皮細胞がうまく働くようにするために私たちができることは食事と生活習慣です。食事はお腹を満たせればいいものではないんですよ。