『昭和堂薬局』

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テレビで取り上げられた「腸内環境」が話題ですね!

文書

 

 先月、腸内環境についての話題がテレビで取り上げられていました。

 腸管は、腸内細菌や口を通じて外界のいろいろな細菌に曝されています。腸管内には数百種類以上でおよそ100兆個もの腸内細菌が棲息しています。その腸内細菌の集合を腸内細菌叢と呼びます。これらは食べ物や消化液などにより、その構成が変化します。また腸内細菌叢の構成や腸内発酵によりつくられた代謝産物が、腸管上皮細胞や免疫細胞、神経細胞、内分泌細胞に作用することで生体機能全体に影響を与え、それが再び腸内細菌叢の構成に影響しています。通常それが複雑な腸内生態系の絶妙なバランスのもと、恒常性を維持しています。外界からのストレスや老化などの多少のバランスの崩れはもとに戻す頑健性を持っていますが、過度のストレスなどの外的要素などでその恒常性が破錠すると、腸管防御能が低下したり、炎症性腸炎や大腸がんといった腸管関連疾患を発症したり、肥満や糖尿病などの代謝性疾患の発症に影響をおよぼしたりします。

 

 ヒトの腸内細菌は、食習慣で3つのタイプに分かれます。「肉食系」はBacteroidesタイプ、「草食系」はPrevotellaタイプ、「雑食系」はRuminococcusタイプになり、日本人は、もともと食物繊維の摂取量が多いのでPrevotellaタイプになります。しかし、今の日本は食の欧米化で食環境が変わってきています。それに伴い欧米の人に多かった大腸がんが増えてきています。

 

 腸内細菌叢は遺伝的素因も関係していて、双子を調べた実験では、Christensenellaceaeという細菌類の存在量が二卵性双生児より一卵性双生児で似ていて、その量が少ないほど太っていたそうです。「その子の将来は親を見ろ」といいますが、そういうことなんですね。

 

 繰り返しになりますが、環境要素のうち食習慣が腸内環境と密接に関わっています。日本では近年、食の欧米化で大腸がんが増えていますが、食事内容と大腸がんの関連を示す研究報告があります。アフリカ系アメリカ人の大腸がん発症率は、南アフリカ農村部に住むアフリカ人の大腸がん発症率と比較すると10倍以上高いことが知られており、両者の食習慣は大きく異なっています。アフリカ系アメリカ人は高動物性タンパク質、高脂肪、低食物繊維の典型的な欧米食で、南アフリカ農村部のアフリカ人は逆に高食物繊維、低脂肪の食習慣だった、彼らの食事を2週間逆にして腸内環境を見ると、農村部の食事をしたアフリカ系アメリカ人では腸内で糖質の代謝発酵が促進し、制御性T細胞の分化を誘導する短鎖脂肪酸の産生が増加しました。また、腸管の炎症マーカーも低下し、さらに大腸がんの発症にかかわる二次胆汁酸も低下していました。一方でアフリカ人が欧米食を摂取すると、これらがすべて悪い方に変化していました。このことから、食環境が腸内環境に影響することがわかります。

 このように、欧米人の腸内細菌叢は、原始的な生活をしている人々の腸内細菌叢と比べて多様性が低下していることが知られていますが、マウスの実験で高脂肪・低繊維食の摂食は腸内細菌叢の多様性の低下を招きますが、同一世代ではその後高繊維食を摂食すると腸内細菌叢の多様性が回復しましたが、世帯を超えて高脂肪・低繊維食を摂食すると、その後高繊維食を摂食しても多様性は回復しませんでした。これは、動物実験ではありますが、日本人の食の欧米化に対する注意喚起とも言えます。

 

 食物繊維は腸内環境を良くすることはお話しました。では、知らず知らずのうちに腸内環境を悪くする物にどんな物があるのでしょうか。

 

 最近、報告されている物に食品添加物があります。食品添加物は人の健康を損なわない、国が安全性を認めた物ですが、その中に腸内細菌叢に悪影響することがわかってきたものがあります。その一つに人工甘味料があります。人工甘味料は消化管から吸収されずに大腸に届き、腸内細菌叢の変化を招き、その結果耐糖能の悪化を招くことがわかってきました。また、食品添加物の一種である乳化剤についても動物実験レベルではあるものの、乳化剤の摂取は腸内細菌叢の変化を招き大腸炎の発症を促し、肥満や血糖値の上昇といったメタボリック症候群を引き起こすことが明らかになっています。

 

 腸内細菌叢が我々の身体に大きな影響をおよぼしていることは明らかです。その腸内細菌叢に影響をおよぼすものは食事です。食を改善し腸内細菌叢を良い状態にすることが健康維持には大きく関係しています。


昭和堂薬局 | 2016年4月22日

 

佐藤店長の漢方処方解説~婦宝当帰膠~

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 いつも当店のホームページを閲覧いただきましてありがとうございます。

これから時々、コラムに登場することになりました。ポルタ店店長の佐藤直哉と申します。

 

 漢方薬は皆様にとってあまり馴染みの無いものであると思いますが、そんな漢方薬に少しでも興味を持って頂けるよう、この処方解説を通して、東洋医学の考え方をシリーズでお伝えしていこうと思います。

 漢方薬には様々な処方がありますが、私が特に愛着のある処方を順次掲載させていただきたいと思います。もしこのホームページをご覧の方で、この処方を解説してみて!などのリクエストがございましたら、ぜひ店頭でお申し付けください。

 

 第一回目となる今回は“婦宝当帰膠”です。

 婦人科の漢方薬としては割と有名な処方なのではないでしょうか。あまり有名じゃないと思われた方も最後まで読んでいただければ幸いです。

 

婦宝当帰膠

原典:当帰養血膏(とうきようけつこう)

薬味:当帰(とうき)黄耆(おうぎ)地黄(じおう)芍薬(しゃくやく)茯苓(ぶくりょう)

甘草(かんぞう)川芎(せんきゅう)党参(とうじん)阿膠(あきょう)白糖および黒糖

主治:肝血虚

効能:補血調経

症候:面色蒼白あるいは萎黄無華・頭暈目花・両目干渋・口唇舌爪甲淡白無華・頭髪不栄・多夢失眠・耳鳴耳聾・四肢麻木・筋脈拘攣・婦女は月経過少あるいは経行後期。

と、教科書には記載されていますが、これでは解りません。

 

 まず原典にある当帰養血膏の“膏”の字、これは膏剤ですよという意味ですが、膏というと“塗り薬=軟膏”を想像する方が多いと思います。膏剤には内服膏剤と外用膏剤の二種類があります。

当帰養血膏は内服膏剤の中でも煎膏剤と呼ばれるものに分類され、生薬の浸出液を濃縮してから蜂蜜や砂糖などを加えて作った濃厚な半固形製剤で、甘いので飲みやすく、慢性疾患や虚弱な人に使いやすいという利点があります。

 

 では処方についての解説に移りましょう。

薬味(各生薬)の解説をしても、つまらないと思われる方が多いと思いますので割愛させていただきます。(興味のある方はリクエストしていただければ追々書いていきます。)

主治の肝血虚って何?

東洋医学では身体の構成材料は気・血・津液(しんえき)・精の4つと規定してあります。

その働きは主に2つあり、“肌肉・筋脈を濡養す(きにく・きんみゃくをなんようす)”“神志の物質的基礎(しんしのぶっしつてききそ)”と述べています。

肌をしっとりさせ艶のあるものにし、筋肉をしなやかにする。神志とは意識のことで、これは誰かを意識するの意識ではなく、意識を失う=眠りを安定させるという意味になります。意識、無意識の切り替えをはっきりさせると考えると良いでしょう。

この血は古書において“人動なれば即ち血は諸経に運び、人静なれば即ち血は肝の臓に帰す”と云われており、また五臓の一つである“肝”の働きとして“肝は血を蔵す”とも云われております。

肝が血の貯蔵タンクとなっていると考えて下さって構いません。

つまり、血が不足する=肝血虚ということになります。

次に、効能・症候の解説をしてみましょう。

補血調経とあります。補血は血を補うの意味で、調経とは月経を調えるの意味になります。月経は妊娠に使われなかった子宮内膜が剥がれ落ちることですが、見かけ上は血液が出ています。1回の生理につき約200mlの血液が失われています。月経の有る女性は毎月この分の血液を非生理時に作らなくてはなりません。食べるもののバランスも重要ですが、それでも足りなければ月経量が少なくなるか遅れることになります。

症候がたくさんあるのですが、言葉の意味さえ理解できればあまり難しいことはありません。

面色蒼白あるいは萎黄無華(めんしょくそうはくあるいはいおうむか):顔色が青白いもしくは肌にくすみがあり艶が無い

頭暈目花(ずうんもっか):めまいがして目がかすむ

両目干渋(りょうもくかんじゅう):目が乾く

口唇舌爪甲淡白無華(こうしんぜつそうこうたんぱくむか):唇や舌、爪、手の甲が乾燥していたり割れやすい

頭髪不栄(とうはつふえい):髪の毛がパサついたり、艶が無い

多夢失眠(たむしつみん):睡眠が浅い。夢をよく見る

耳鳴耳聾(じめいじろう):耳鳴りがしたり、テレビの音が大きいと家族に言われる

四肢麻木(ししまぼく):手足がしびれる。因みに“麻”という漢字にはしびれるという意味があり、皆さんにおなじみの麻婆豆腐はしびれるくらいに美味しいという意味があるそうです。

筋脈拘攣(きんみゃくこうれん):よく脚がつる。脚だけでなくても構いません。

婦女は月経過少あるいは経行後期(ふじょはげっけいかしょうあるいはけいこうこうき):効能の説明のところでも書かせていただきましたが、血の不足があると出血することができないため月経量が少なくなるか遅れることです。

 

 婦宝当帰膠は血を補うためには最も薬力のある処方と考えていただいて良いと思います。不妊などでお悩みの方には有名な漢方薬となっていますが、年齢を問わず女性であれば生理のことだけではなく美しさを保つ要薬になるのではないでしょうか。

 

 まだまだお伝えしたいことがたくさんあるのですが、今回は此処までとさせていただきます。また次回以降、皆様に少しでも東洋医学の面白さをお伝えできればと思っております。

(佐藤直哉)


昭和堂薬局 | 2016年4月11日

 

やすらぎ通信 平成28年春彼岸

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 やすらぎ通信を書き始めて、今回で7回目になりました。

最近は、テレビや雑誌などの影響で、一般の方たちにも漢方が知られるようになってきましたが、番組を面白くするためか情報を簡単に伝えるためか、中には「そんなこと言っていいの?」と思うことがあります。前号では、風邪の漢方イコール葛根湯ではないことをお話しましたが漢方も薬ですから正しい使い方をしていただきたいと思っています。そこで、今回はテレビCMでよく耳にした古典の原文をご紹介しながら、東洋医学(漢方)について解説したいと思います。

 

帝曰く、人 年老いて子なき者は、材力尽きたるか、将(は)たまた天数然るか。岐伯曰く、女子は七歳にして腎気盛し、歯更(かわ)り髪長ず。二七にして天(てん)癸(き)至り、任脈通じ、太衝の脈盛し、月事時を以て下る。故に子あり。三七にして腎気平均す。故に真牙生じて長極まる。四七にして筋骨堅く、髪の長極まり、身体盛壮なり。五七にして陽明の脈衰え、面初めて焦(やつ)れ、髪初めて堕(お)つ。六七にして三陽の脈上に衰え、面皆焦れ、髪初めて白し。七七にして任脈虚し、太衝の脈衰少し、天癸渇き、地動通ぜず。故に形壊(つい)えて子なきなり。丈夫は八歳にして腎気実し、髪長じ歯更る。二八にして腎気盛し、天癸至り、精気溢写し、陰陽和す。故に能く子あり。三八にして腎気平均し、筋骨勁強たり。故に真牙生じて長極まる。四八にして筋骨隆盛にして、肌肉満壮たり。五八にして腎気衰え、髪堕ち歯槁る。六八にして陽気上に衰竭し、面焦れ、髪鬢頒白たり。七八にして肝気衰え、形体皆極まれり。八八にして則ち歯髪去る。腎は水を主り、五臓六腑の精を受けてこれを蔵す。故に五臓盛なれば、乃ち能く写す。今五臓皆衰え、筋骨解堕し、天癸尽きたり。故に髪鬢白く、身体重く、行歩正しからずして、子なきのみ。

 

 この文章を簡単に解説すると、人の成長や老化を具体的に示したもので、女性は7歳ごとに成長し、28歳~35歳ぐらいまでに精力がピークになりその後衰えていく様を現し(二七は2×7で14歳のことです。)男性は、8歳ごとに成長、老化が起こると言っています。この「黄帝内径」は約2千年前の書物といわれていますが、女性は14歳(二七)で生理が起こり、49歳(七七)で生理がなくなると言っていることからも、今も昔も成長・老化はそれほど変わっていないことがわかります。(医学の発達で寿命は延びていますが)

 このことを、漢方的に言うと、「腎」という臓の力の満ち引きであらわされ、五臓の精を受けて精を蓄えています。それゆえ、五臓が盛んであれば年相応でいられますが、五臓が衰えると老いが早まってしまいますということです。2千年前に現代に当てはまるこのような正確な記述があることに、驚かされると共に貴重なことだと思います。また、「黄帝内径」の後に「傷寒論」という古典がありますが、かの有名な「葛根湯」や「麻黄湯」などがここに記載されていて、現代でも薬として用いられていることも漢方の偉大さを物語っています。(西洋医学には2千年も前の薬ってないですよね)

 

 では、今なぜ漢方薬が注目されているのか?

 西洋医学は、病気の場所を見ます。少し違った言い方をすると、病気の場所しか見ません。目の病気であれば目しか見ていません。しかし東洋医学は、体全体のバランスの崩れが目に影響したと見ます。そして、使われる薬も西洋医学では抑えつけたり除いたりする薬を使いますが、東洋医学では主に補う薬で心身のバランスを整えて病気を治そうとします(東洋医学でも抑えつけたり除いたりする薬もありますが)。

 人は、自然界の中で生きています。人のバランスも自然界とは切り離して語ることはできません。また、心と体も切り離せません。人間は自然界も含め心身のバランスで成り立っているのです。

 西洋医学はできてしまった物を外科的にとったり、感染症を起こしていればその原因菌を殺してしまうような治療。このような病気は西洋医学が得意とする分野で、東洋医学は得意ではありません。しかし不足や衰えが原因で起こってしまったような病気は、東洋医学が得意とする分野です。具体的にはアトピーや婦人科疾患、メンタル疾患などが得意疾患として挙げられます。現代は高齢化や食の乱れ、冷蔵庫の普及による冷え(陽の不足)など、不足を起しやすくなってきています。それら時代的背景も漢方が注目される所以かもしれません。

 

 「女性の7歳ごとの変化」についてそれに関連する更年期障害を東洋医学的に見てみましょう。

閉経という正常な生理変化が49歳(七七)前後で起こります。女性であればだれもが通る道です。しかし、黄帝内径にあるように“天癸渇き”(天癸は性ホルモン)といっているように、性ホルモンの急激な変化が生じます。それまで、女性の身体は女性ホルモンで守られてきたので、その守り手がいなくなるのですから、心身に大きな影響を与えることになるのです。しかし、この閉経前後を「更年期」といい心身に不調をきたすと「更年期障害」といいます。何事もなく「更年期」を通過する人も多くいらっしゃいます。最近は男性更年期もありますが、性ホルモンの変化が女性ほど急激でないので症状も緩和なことが多いようです。

 この更年期障害を漢方的にとらえると腎の衰えです。専門的な言い方をすると腎虚です。この更年期障害における腎虚には、腎陰虚と腎陰陽両虚の2つのタイプに分けられます。基本的に女性は陰の性質があり、生理や妊娠、授乳をしてきたこともあり、陰の不足になりやすい傾向にあるようです。そのため、ホットフラッシュや多汗、手足もほてりといった熱症状が起こりやすいのです。このような症状のときは、「知柏地黄丸」や「杞菊地黄丸」などを中心にしていきます。また、陽の不足も伴う場合は「参馬補腎丸」や「至宝三鞭丸」を使います。しかし、この性ホルモンの急激な変化は簡単ではないことが多いので、「知柏地黄丸」や「杞菊地黄丸」に紫河車(胎盤エキス)を併せたり、症状によって他の漢方薬を足したりもしていきます。

 

 今回は、更年期という状態を例に人の老化について解説しました。この連載コラムの第1回目に陰陽について解説していますが、臓腑で中心になるのが腎です。腎は成長、発育、生殖を主る臓腑で、精を貯蔵しています。補腎の漢方薬で有名なのは「八味地黄丸」で、腎陽虚の薬です。おしっこの異常で有名になった処方です。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。加齢による衰えを予防していく養生として補腎の漢方をうまく使うといいですよ。(このやすらぎ通信を編集者も飲んでるんですよ! 紫河車)


昭和堂薬局 | 2016年3月23日

 

「家族みんなで楽しめる」カレールー

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 大手食品メーカーのカレールーの宣伝に違和感を感じるのは私だけだろうか?

 

 この商品は、「特定原材料7品目」を使用していないことをうたっている。皆さんは、この広告からどんなイメージをするでしょうか。私は食物アレルギーを持っているお子さんでも食べられるので、他の家族と分けて作らなくてもいいんだなと思うと感じてしまいました。確かに、国が定めた「特定原材料7品目」(アレルギーを起こしやすい、表示が義務化された原材料)は入っていないので、この7品目にアレルギーがある方でも、この製品には入っていないのでアレルギーは起こさないのかもしれませんが、パッケージの裏の原材料を見てください。多くの添加物が使われています。その中にはヤシ油クリーミングパウダーが使われています。私がよく見かけるカレールーにはパーム油がよく使われています。ヤシ油はココナッツオイルのことです。(去年流行った油です)これらの油の組成は飽和脂肪酸、一価の不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸です。多価不飽和脂肪酸はリノール酸で、ω6系脂肪酸です。以前からお知らせしているようにω6系脂肪酸は炎症を起こす油なのです。

 

 昨年の実験医学という本に、「卵白アルブミンを摂取するとアレルギーを呈するマウスの食物アレルギーモデルを用いた検討で、ω6系のリノール酸が多い大豆油を含んだ餌を与えると腸管アレルギー症状が強く出る一方で、ω3系のαリノレン酸が多い亜麻仁油を含んだ餌を与えると腸管アレルギー症状が大幅に緩和した」と出ていました。これはあくまでも動物実験ですので、食物アレルギーがある方がこのようになるとは限らないのですが、脂質、特に多価不飽和脂肪酸の組成は重要なようです。

 

 このことだけとってもこの商品を食物アレルギーがあるお子さんに積極的に食べさせていいのかなと思ってしまいます。

 

 確かに、食物アレルギーのある方がいらっしゃる家庭では食事は非常に神経を使い大変だと思うので、このような商品は便利でいいのでしょうけれど…

 

 我々の体にとって、食は非常に重要です。商品イメージに惑わされることなく、しっかり成分表示を見て選んでもらいたいと思います。


昭和堂薬局 | 2016年2月17日

 

2月7日の読売新聞に主な医療機関の不妊治療実績が掲載されました

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 読売新聞は、昨年高度不妊治療を行う医療機関に2014年の治療実績などをアンケートし、その実績を発表しました。

 

 当店でも子宝についての漢方相談は多く、そのほとんどの方が医療機関にかかられています。ご相談に来られると、一応どこの医療機関に行かれているかを聞いています。最近は人気のあるところはなかなか予約が取れないそうです。しかし、読売新聞の実績を見ても、成績が良い医療機関にかかるのがいいように思いますが、当店に来られる方たちの評判を聞いていると、必ずしも表の上位にあるからいい訳でもないようです。

 

 漢方薬局選びもそうだと思いますが、医療機関を選ぶときも数字だけではなく、相性やその医療機関の姿勢なども考慮して選ぶことが大切なんでしょうね。

 

 今回、読売新聞の実績をみて、今か受診している医療機関を信頼されてるのであれば、すぐに変えたりしないほうがいいように思います。


昭和堂薬局 | 2016年2月10日

 

がんには免疫を上げればいいの?

 アスピリンを長期服用している人達が、服用していない人達と比べ大腸がんの発生が有意に低下することが疫学調査で示されました。アスピリンは非ステロイド性抗炎症薬で、シクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素を阻害してプロスタグランジンという痛みや炎症に関係する物質の生成を阻害する薬です。このことから研究が進み、COXががんの発現や転移、増殖に関係していることがわかってきました。

 

 このプロスタグランジンは、脂質中のリノール酸からアラキドン酸という物質を経てこのCOXによって作り出されます。正常細胞が何らかの影響でCOX-1によってつくられたプロスタグランジンE2が関係し、前がん病変ができ、その後、その組織の間質細胞で誘導型のCOX-2が発現していき、がんを発現させていくのです。

 

 また、国立がん研究センターのコホート研究では、いくつかのがんと魚の摂取量ががん罹患率に関係していることが示されています。この研究の考察では炎症抑制に働く魚に含まれる油の摂取が多いほど、ガンに罹り難いと言っています。

 

 この2つのことから脂質、特に多価不飽和脂肪酸の摂取ががんの発現や転移、増殖に関係がありそうです。

 

 このようにがんに対する研究が進みいろいろなことがわかってきており、疫学データも多く出てきています。

 

 一般的に、がんは何らかの要因で免疫力が下がり、それが原因でがんができてしまうと思われがちですが、それほど単純ではなく身近でも非常に元気な人ががんになってというような経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?確かに免疫が結果的に下がってしまうことはあるかもしれませんが…

 

 がんを予防する為や不幸にしてがんを患ったからといって、やみくもに免疫を上げればいいわけではありません。場合によっては逆にその行為ががん細胞を助けてしまうことにつながる可能性もあります。

 

 がん組織では炎症が起こっています。この炎症が起こらないようにすることががんの予防につながる可能性があるといえるでしょう。


昭和堂薬局 | 2016年1月27日

 

肥満遺伝子

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 日経サイエンスに“姿現す肥満遺伝子”という題目のお正月明けで気にしている方も多い肥満について興味深い記事が載っていたのでご紹介させていただきます。

 

 今日、現代人の肥満が問題視されています。肥満が原因で糖尿病などの生活習慣病が増えてきました。その原因はある遺伝的な変化が原因ではないかというものです。
 人類の祖先となった類人猿は,ある種の酵素の遺伝子が変異した結果、飢餓を生き延びたとみられています。現代における肥満と糖尿病の蔓延は,大昔に生じたこの遺伝子変異のせいである可能性が浮かび上がってきました。
 その遺伝子変異は“ウリカーゼ(尿酸酸化酵素)”という酵素の遺伝子に生じたもので、この“ウリカーゼ”はもともと尿酸を分解する酵素で、この酵素の遺伝子が変異したことによって食べた物を、その場でエネルギーとして燃焼するのではなく脂肪として蓄えられるようになったからだと言っています。しかし、飽食の時代の現在では、この変異が肥満や糖尿病の一因になっているというのです。

 現代の多くの人が慢性的に贅沢な(欧米型)食事を摂り過ぎているため、尿酸を分解する“ウリカーゼ”を持たない人間は尿酸が上昇してしまいます。しかし、食習慣によってこの上昇は変化し、人によってはその食生活で尿酸が上昇したりしなかったりするのです。その原因食品の一つに果糖があげられています。確かに生成された砂糖や加工食品などに使われる異性化糖(ブドウ糖果糖液など)が多く使われています。これらが増えるにつれますます肥満や糖尿病が増えていると指摘しています。これら精製された果糖を減らし、その分新鮮な果物などからとれば、果糖や尿酸の影響を抑えるビタミンCや抗酸化物質が含まれるので様々な病気の予防につながるだろうと述べています。

 

 日経サイエンスで述べている疫学調査や科学的理論については割愛しますが、自然に近い食べ物を食べ、適度に運動することが現代人には必要だと思われます。確かに簡単に摂れる便利な食べ物や飲み物が重宝されていますが、それによって病気が起こっているのであれば、すぐにでも止めたいですよね。


昭和堂薬局 | 2016年1月11日

 

怖い心筋梗塞

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 「テラスハウス」出演していた31歳の男性が心筋梗塞で亡くなったことは、記憶に新しいことではないでしょうか。私の身近な人たちがこの病気で亡くなったり、意識不明になったりしたので、皆さんの予防につながってくれたらと思いこのコラムを書いています。

 

 この病気は、心筋に栄養や酸素を送っている冠状動脈が何らかの原因で通りが悪くなり心筋が壊死してしまう病気です。

 

 独立法人がん研究センターのコホート研究(疫学研究)では、約4万人の日本人のデータから魚の摂取量と心筋梗塞の関係を検討し、2006年に発表しています。これによると、高齢になるほどリスクが上がり、また魚の摂取量が多い人ほどリスクが下がっています。
 元々、魚に含まれるω3系の脂質が注目されたのは、グリーンランドのイヌイットに心筋梗塞が少なく、彼らの食生活を調べたところ、ω3系脂質を多く含む食品を摂取していたことからでした。動物実験でも、マウスに心肥大・心不全を実験的に起させ、ω3系脂肪酸の心保護作用を解析したものでは、体内のω3系脂肪酸レベルが上昇するほど心筋の線維化が抑制されたそうです。

 

 もう一方では日本人の食の欧米化でω6系脂肪酸や飽和脂肪酸の摂取量が多くなっていることも、心筋梗塞を含め多くの炎症性疾患が多くなっている原因の一つだと思われます。

 

 最近では、健康番組でω3系の脂質を紹介したことでエゴマ油などのω3系脂肪酸を多く含む油が人気なようですが、今の食生活にエゴマ油をプラスするのではなく、ω6系脂肪酸が多い場合にはそれを少なくしてエゴマ油などのω3系脂肪酸を摂取して欲しいのです。

 

 我々の食生活の中でω6系の脂肪酸は多く使われています。例えば加工食品の表示に植物油脂という文字がよく出てきますが、これもω6系脂肪酸です。昔は健康にいいといわれていたマーガリンやコーヒ―フレッシュにも使われています。インスタントラーメンやカレールウなど挙げればきりがないほどです。

 

 また、現代は飽食の時代と言われています。それによる肥満も炎症系の病気になりやすくなります。肥満になってくると白色脂肪細胞がうまく働けなくなり、身体を守るアディポネクチンというホルモンの分泌量は低くなり、逆にTNF-αなどの炎症性物質を多く出し始めます。このことにより、炎症性の病気である糖尿病や血管系の病気などになりやすくなってしまうのです。

 

 自分の食生活を見直してみてください。魚は適度に食べていますか?加工食品やインスタント食品多くないですか?お腹いっぱいに食べていませんか?外食や買い弁当ばかりも問題です。

 

 健康にいい食事を目指すとよくベジタリアンになってしまう人がいらっしゃいますが、これもまたバランスの悪い食生活です。

ご自身や身内の方が食材から作る食事が基本です。どうしても買い弁当や外食になってしまう場合はサプリメントで補うことも仕方のないことだと思いますが、これも質が問題です。しかし、基本は食事で予防することが大切です。


昭和堂薬局 | 2015年12月8日

 

養生のすすめ

井上先生用 五行

 

 黄帝内経という数千年前の書籍にこんな一文があります。

「天師に問いて曰く、余聞く、上古の人、春秋皆百歳を度えて、しかも動作衰えず。今時の人、年半百にして動作皆衰うる者は、時世異なるか、人將たこれを失するか。岐伯対えて曰く、上古の人、其の道を知る者は、陰陽に法り、術数に和し、食飲に節あり、起居に常あり、妄りに労を作さず。故に能く形と神と倶にして、尽く其の天年を終え、百歳を度えて乃ち去る。今時の人は然らざるなり。酒を以て漿となし、妄を以て常となし、酔いて以て房に入り、欲を以て其の精を竭くし、以て其の真を耗散す。満を持するを知らず、時ならずして神を御す。務めて其の心を快にし、生楽に逆い、起居に節なし。故に半百にして衰うるなり。」(黄帝内経上古天真論篇)

 これは、黄帝が自分のお抱えの医師との問答を文章にしたもので、簡単に言うと「昔の人は百歳まで生きていたのに、今の人達はなぜ五十歳くらいで亡くなるのはなぜか?」お医者さんは「昔の人は養生をわきまえて、節度思って生活していたが、今の人は酒を水のように飲み、良くないことを平気でして、酒を飲んでは色事をして精気を消耗してしまい、精気を満たしておくことをしらず、一時の快楽で養生をしないので五十歳で衰えてしますのです。」と答えています。

 

 数千年前の会話なのに、今の時代にも言えることですよね。

食べ物は簡単便利なものがもてはやされて、インスタント食品や加工食品が飛ぶように売れ、身体に悪いことと気がつかずに、成長期の子供にも食べさせる。体調が悪くなって相談に来て、それを指摘され初めて気がつく、これでいいのでしょうか?

体調が悪くなると、化学物質だらけのサプリメントを飲んでみる。もっと体調悪くなりませんか?

サプリメントがすべていけないと言っているわけではありません。自然に近いものを選ぶべきですし、サプリメントを飲んでいれば、食事がむちゃくちゃでいいわけではありません。

 

 このコラムで季節の養生法を解説してきました。ちょっとそれを実践してみませんか?

もしかしたら、それだけで体調良くなるかもしれませんよ!


昭和堂薬局 | 2015年11月2日

 

やすらぎ通信 秋彼岸

通信39号昨年始めた「やすらぎ通信」のコラム第5弾です。

 

秋の養生訓

 

 秋は五穀豊穣の季節です。私たち日本人が主食としてきた米や粟、黍、稗などの穀物が実りのときを迎えます。そして、残暑が終わり、夏に疲れた胃腸の調子も整って食欲が増す季節です。空は高く、空気は澄み、健康や体力の回復には良いので、「食欲の秋」「スポーツの秋」といったりするのはこのためです。しかし、夏から冬に変わっていく過渡期であるため、日中と朝夕の気温差が激しく、同時に空気は非常に乾燥してきます。そういった面では体調管理が難しい時期でもあります。

 

 秋の三箇月は、万物が成熟し、収穫の季節である。天気はすでに涼しく、風の音は強く急で、地(ち)気(き)は清(せい)粛(しゅく)として、万物は色を変える。人々は当然早寝早起きすべきである。鶏と同じように、夜明けとともに起き、空が暗くなると眠り、心を安らかに静かにさせて、秋の粛殺(しゅくさつ)の気候の人体に対する影響を緩和(かんわ)させ、神気(しんき)を収(しゅう)徹(てつ)して、秋の粛殺(しゅくさつ)の気を和(なご)ませる。心を外にはたらかせないで、肺気を清浄に保持しなければならない。これが秋に適応して、「収気」を保養する道理である。もしこの道理に反すると、肺気を損傷し、冬になって食物を消化しきれないで下痢を病んでしまう。人が冬の潜伏(せんぷく)閉蔵(へいぞう)するという気に適応する努(つとめ)を減少させてしまうのである。

「黄帝内経」・『素問・四気調神大論』:中国伝統医学の古典より

 

○秋は「肺」と関係が深い
 秋は「肺」と関係が深く、肺は皮膚や体毛をコントロールし、肺の異常は空気の出入りする鼻に表れるとされます。また、肺は五臓の中で一番高い場所にあるので、「五臓六腑の蓋」と呼ばれ、気管やのどを通じて外界に直接接し、外気の影響を受けやすい臓器です。そのため、秋は大気の乾燥による影響を受け易く、秋に起こりやすい咳、鼻炎、喘息、皮膚のかさつきなどの症状は、乾燥した大気を取り込むことにより肺が乾くことが原因で起こるのです。

 

 また、「肺」は「大腸」と表裏の関係にあり、肺と大腸は互いに連動しています。そのため、気温が低下して皮膚が閉じると鼻や口などの呼吸器とともに、大腸も余分な水分や老廃物を体外に出さなければならず、スムーズに排泄されずに滞った毒素は、ニキビや吹き出物、シミとして皮膚に現れるようになります。このように、「肺」と「大腸」は密接な関係にあり、「肺」の支配下にある皮膚に症状が現れるのです。

 

 東洋医薬学でいう「肺」は、肺単体のことではなく、その影響を受ける皮膚や鼻、表裏一体の関係にある大腸を含めた部分を示し、そのおもな働きは、呼吸によって気(エネルギー)を取り込み、全身に運搬し、臓腑器官の働きを助け、体液を調節し維持することとされます。そのため、ひとたび「肺」が「燥邪」に侵されれば、その異常は、咳、疵、鼻づまり、くしゃみ、鼻炎、喘息、便秘、下痢、腹痛、皮膚や頭髪の乾燥など、幅広い症状として出現するのです。

 

 秋の養生は、こうした大気の乾燥から体を守り、冬に備えて免疫力を高めることが大切なのです。

 

○肺を補う辛味の食材
 辛味の食べ物は、大気の乾燥や気温の低下で働きの弱まった肺や呼吸器の負担を軽減する効用があります。「燥邪」による症状を未然に防ぎ、「肺・大腸」を補う働きをもつのが辛味の食材です。ねぎ、しょうが、わさび、唐辛子などの薬味や香辛料はもちろん、東洋医学では、大根、たまねぎ、しそ、にらなど、ほのかに辛味のある食材も辛味に配当します。ビール以外の日本酒や焼酎、ウイスキー、ワインなどのアルコールも辛味に配当されます。

 

 辛味の食材は、体を温めて余分な水分や滞った気の流れを促し、発散を助ける作用があります。お酒がストレス解消に利用されるのも発散作用があるからです。風邪の初期に、辛味の酒としょうが、卵を合わせた「卵酒」が飲まれるのも、皮膚からの熱の発散、発汗を活発にするためです。

 

 辛味はまた、大腸の働きを活性化して便通を改善する作用もあります。皮膚や呼吸器のみならず、肺と表裏一体の関係にある大腸にも働きかけて、秋に弱りやすい臓腑器官を手助けしているのです。

 

 「肺・大腸」が弱りやすい秋は、辛味の食材で自分自身を補うとともに、相剋の関係にあたる「肝・胆」を、酸味で保護する必要があります。梅干しや酢らっきょう、酢の物などの酸味の食べ物で「肝・胆」を補い、辛味の食害によって傷つくのをあらかじめ防ぐことが大切です。酸味は肝臓の働きを正常にして、疲労回復にも効果があります。

 

 辛味に酸味を添えることは、ピリッとした辛味をマイルドにする調理のルールでもあります。からしの強い刺激をマイルドにするために、からしは食酢で溶くのが基本です。焼き魚には大根おろしに加えて、すだちをしぼり、焼き鳥には七味唐辛子と一緒にレモン汁をかけるなど、辛味に酸味の食材を添える例はよく見られます。

 

○肺を潤す旬の昧覚
 辛味の食材以外にも、秋にとれる旬の食べ物には、「肺・大腸」の働きを補うものがたくさんあります。
そのひとつが梨です。年中見ることの多くなった果物のなかで、梨は店頭にのぼる時期も限られ、旬を感じることのできる数少ない果物のひとつではないでしょうか。最近は収穫が早まり、夏の果物というイメージが強くなりましたが、本来は秋が旬。9月から11月にかけて収穫されます。水分をたっぷり含み、シャリシャリとみずみずしい梨には、肌に潤いを与え、のどの渇きを止め、声がれや咳を止める効果があります。まさに「燥邪」による秋のトラブルを防ぐのにふさわしい旬の食べ物といえましょう。

 

 同じく秋が旬の果物である柿も、咳を抑え、口の渇きを止め、乾燥による呼吸器系の働きを助けます。「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるように、鼻やのどの粘膜を健やかに保ち、免疫力を高めるビタミンCも豊富に含み、寒さの厳しくなる冬に向けて、風邪をひきにくい体をつくるのに大いに役立ちます。

 

 また、いも類や大根をはじめとする根菜類も「肺・大腸」に働きかける旬の食材です。たとえばさつまいもは口の渇きを止めて肺を潤すと同時に、便通を改善して大腸の働きも活発にします。豊富な食物繊維と緩下作用のあるヤラビンという物質の相乗効果により、腸内環境を整えて便通を促してくれます。

 

 晩秋から冬にかけうまみが増し、一年でもっともおいしくなる大根は、ピリリとした辛みが特徴の辛味の食材で、「肺・大腸」を助け、痰を切って外に排出する働きがあります。余分な熱が体内にこもって咳や痰が出る場合に有効です。また、大根が消化によいのは、でんぷんを分解するジアスターゼなどの消化酵素が豊富に含まれているからです。れんこんもまた肺を潤し、乾燥して熱を帯びた肺の熱を取り去る効果があります。れんこんの粘り気のもとであるムチンは、粘膜を保護して丈夫にする効果があるため、鼻やのどの乾燥を防いで働きを高め、病原菌の侵入を防ぎます。

 

 こうしてみると、秋にとれる旬の食べ物に、「肺」を潤し補うものが多いことがわかります。葉野菜や熱を冷ます山菜などに食効を求めた春夏の熱い季節とは、体にとって必要なものが明らかに異なるわけです。その時季にとれる食べ物は、その時季に体の必要とする養分を十分に備え、その時季に起きやすい症状を防ぐ働きをもっているのです。反対に、春夏にとれる野菜や果物類のように、水分が多く、体を冷やす食べ物は、秋口からは控えるようにしなければなりません。

 

 旬の食べ物を摂ることや日本の伝統料理にはそれぞれ意味があるんですよ。


昭和堂薬局 | 2015年9月24日


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