『昭和堂薬局』

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あなたの瘀血度チェック!

 瘀血とは、血液の流れが悪く、滞りやすくなった状態です。いろいろな病気に繋がりますので注意が必要です。
 あなたの瘀血度は?是非、チェックしてみてください。

 

□頭痛や肩こりがある(5点)
□目の周りにクマがある(6点)
□体の局所にしこりがある(6点)
□あざができやすい(6点)
□決まったところに痛みがある(5点)
□手足のしびれや麻痺がある(3点)
□狭心症の発作を起こしたことがある(6点)
□手足の静脈が浮き出ている。また静脈瘤がある(3点)
□お腹の静脈が浮き出て蛇行している(6点)
□皮膚につやがなく、かさついたり、ざらつく(3点)
□シミが多い(3点)
□便が黒っぽい(6点)
□生理不順または生理痛(6点)
□月経血が黒ずみ、塊が混じる(6点)
□痔になりやすい(4点)
□子宮筋腫、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣、卵巣嚢腫などがある(5点)
□舌の色が暗く、紫っぽい。また、斑点がある(6点)
□舌の裏側の静脈が浮いて蛇行している(6点)
□唇やはぐきの色が黒っぽい(4点)
□集中力にかける、忘れっぽい(4点)

 

10~18点 軽度
19~30点 中度
31点以上  重度

 

解説
舌や唇、皮膚が紫色を帯びることは、血液がドロドロと汚れている証拠です。頭痛や肩こり、神経痛などの痛みは血行不良によって起こります。痛みしびれは血液供給を絶たれた神経の悲鳴と言えるでしょう。痔や生理痛、静脈瘤なども根本原因は瘀血になります。肛門の血流がうっ滞すれば痔になります。月経血がスムーズに排泄できなければ生理痛が生じます。その他、瘀血は動脈硬化を進行させ、ひどい場合は血管の詰まりの原因となります。


昭和堂薬局 | 2022年3月15日

 

新型コロナウイルス感染症内服薬

 新型コロナウイルス感染症の第6波が訪れて1か月以上がたった今ピークは越えたと言われていますが、実感としてそんな感じはしないのですが…

 

 今回のオミクロン株は、上気道感染が主でそれほど重症化しないはずが、死者の数はこれまでのピークの時よりも多くなっています。今までのウイルス感染症の常識では、下気道感染が主であると死者が増え、上気道感染が主だと重症化や死者の数は減るはずでした。そして、これまでのピークではウイルス性の肺炎で亡くなるケースが多かったのでしょうが、今回は高齢者の2次感染による肺炎や持病の悪化でなくなるケースが多いようです。

 

 今回のオミクロン株は感染力が強いと言われ、実際にこれまでの防御方法(マスク、手の消毒など)では防げないケースもあるようです。この状況では感染を防ぎきれないと思っています。しかし、年末から内服の治療薬が特例承認で許可されたことは、新型コロナウイルス感染症対策としては強力な武器になるはずでした。

 

 この2種類の内服治療薬は、症状が出てから5日以内に服用する必要があります。これがネックになっているのでしょうか?

 

 メルク社が開発したムルヌビラビルは、新型コロナウイルスの複製に関する酵素(RNAポリメラーゼ)を阻害する作用で、ウイルスの増殖を妨げます。また、2月に特例承認されたファイザー社開発のバクスロビドは2種類の抗ウイルス薬の組み合わせで、ニルマトレルビルはウイルス増殖に必要なプロテアーゼを阻害し、リトナビルはニルマトレルビルの代謝を遅らせて作用の持続時間を延長する作用を持っています。
許可された時点での臨床データは、数こそ少ないですが2剤ともプラセボと比較して死者・重傷者を優位に減少しています。

 

 コロナ内服薬が、うまく活用されるようになると医療機関に行かなくても服用できますから、医療機関の負担を軽減できますし、感染者本人を入院などする必要がなくなります。

 

 今後、行政と医療機関との連携をうまくやっていただいて、安心して暮らして行ける日が早く来てほしいと思っています。


昭和堂薬局 | 2022年2月22日

 

自己免疫疾患は、なぜ女性に多いのか

 自己免疫疾患は、全身性エリテマトーデスや多発性硬化症、関節リウマチなど、おおよそ80種類ほどが知られています。これらは、自分の免疫系が自分の細胞や組織を誤って攻撃してしまうことで起こされます。そして、約80%が女性です。

 

 以前、このコラム内で、新型コロナウイルス感染症のことで解説しましたが、女性はXX染色体であるため、ある意味免疫力が高いことが一つ上げられます。また、性差によって腸内細菌叢が異なることなどが影響しているようです。人間の進化の過程で、男性は狩りに出て獲物と戦う、女性は家を守り妊娠・出産・授乳ということを受け持っていたことが男女の免疫の進化に違いが生まれてきたものと思われます。

 

 女性は、妊娠・出産・授乳などの子ともを育てることを受け持っていたので、非常に精密で複雑な構造になっています。以前、コラムでも話しましたが、女性は月経周期でホルモンも変動しますが、免疫も変動しています。(着床・妊娠維持のために変動しています)

 

 それだけ、女性の体はデリケートになっているので、何かで歯車がかみ合わなくなると体に不都合なことが起こるのです。そのため女性にとっての節目の時期に自己免疫疾患を患う事が多いのです。


昭和堂薬局 | 2022年2月12日

 

新型コロナウイルス感染症「オミクロン株」

 2022年1月に入り、爆発的に感染拡大している「オミクロン株」について、今現在進められている研究結果から、今回の変異株にはどんな特徴があるのだろうか?

 

 WHOは感染性や重症度の違い、ワクチンや治療薬の効果などが、大きく変化している系統を「懸念される変異ウイルス(VOC)」に指定しています。VOCには、アルファやベータなどのギリシャ文字がつけられ、オミクロンは15番目です。

 

 オミクロン株は、今までの変異株に比べて変異箇所が圧倒的に多く存在してます。
オミクロン株以前の変異は10か所前後だったのに対し、オミクロン株は30か所の変異が発見されています。

 

 オミクロン株にのみにみられる変異としては、人の細胞表面のタンパク質(受容体)と結合する「受容体結合領域(RBD)」に多くの変異が見られます。(12か所)

 

 このRBDはウイルスのヒト細胞への侵入のしやすさや、この部位を抗体が標的にするため免疫にも影響しています。このことがオミクロン株の急速な感染拡大につながっているようです。

 

 まだ不確定要素が多くありますが、感染から発症までが比較的早く3日ぐらいと言われ、体の中から消失しています期間も短いとされています。

 

 今後、新型コロナウイルス感染症にどのような変異株が現れて来るのかはわかりませんが、感染しない人、感染しても無症状の人、感染しても軽症な人がいるわけですから、自分の体を護れるように健康的な体をつくる、もしくは維持していけるように生活面(食事や今まで飲んでいた薬なども含め)を改善していくしかないと思います。

 

 中医学には扶正(ふせい)という考え方があります。正気を養い衛気という体表面を護っている気を増やし、邪気(ウイルスや花粉など)の侵入を防ぐという考え方があります。その代表処方が玉屏風散(衛益顆粒)です。そこに粘膜を潤す補陰が合わさった処方が生脈散(麦味散顆粒)です。

 

 これで完全に防げるわけではありませんが、少しでも安心できる良い状況をつくれるといいですね。


昭和堂薬局 | 2022年1月27日

 

認知機能の低下

 アルツハイマー病や精神疾患に見られる認知機能の低下は、脳を保護するためにある血液脳関門の機能不全によって、引き起こされている可能性があることがわかってきました。

 

 脳血管の壁は、沢山の細胞が詰まってできており、血液脳関門と呼ばれるフィルターを形成しています。正常に働いている血液脳関門は、酸素やブドウ糖などの生命活動に重要な栄養素を通過させ、脳神経を傷つける恐れのある病原体や血中タンパク質、末梢の免疫細胞などを通さないようにしています。このフィルターは脳全体に及んでいます。

 

 認知症や精神疾患などは、このフィルターの一部分が障害を起こすことにより、通常ブロックされる物質が通過してしまう。これが脳内の炎症から神経の損傷、認知機能の低下を引き起こしていきます。
その血液脳関門のバリア機能の低下は、強いストレスや体の炎症、感染、老化などが考えられています。いま世界で流行っている新型コロナ感染症の後遺症による認知機能低下もこのメカニズムである可能性が強いです。

 

 きっかけになるストレスや老化などは、ある意味防ぎようがないことかもしれません。しかし、以前から瘀血の漢方薬がよくつかわれてきました。現代医学的な表現だと血管・血流を改善する漢方薬です。少しでも血管を護ることができれば進行を抑えられる可能性がありますね。


昭和堂薬局 | 2022年1月18日

 

やすらぎ通信 令和4年 正月号

 日野に在る善光寺さんの「やすらぎ通信」のコラムを担当したので、その内容を紹介します。

 

 この2年ほどコロナ禍の影響で思うような生活ができずに我慢を強いられてきました。日本の感染者はだいぶ減っていますが、世界に目を向けるとまだまだ収束に向かっているとは思えません。この2年間で我々は、健康でいることの大切さを学んだのではないでしょうか。健康な生活を送るために東洋医学では、人は自然の中で生活し、四季を感じ、四季折々の食べ物を摂り、季節に応じた服装で生活し、その風土にあった暮らしをしていく事の大切さを説きます。

 

 またこの東洋医学では身体の状態を判断する場合「望診・聞診・問診・切診」という4つの診断方法で診断していきます。診断法と言えば血液検査やMRIなど西洋医学の診断方法を思い浮かべますよね。しかし、東洋医学では、いろいろな物や体の各器官などを五行に配当しています。そして、体表面の変化から内なる蔵の病変を知り、また、内なる蔵の変化もまた体表に現れると考えています。その理論に基づき、東洋医学は特別の機械を使わずに顔や皮膚の色、声、臭い、舌の状態や脈などと、問診で診断をしていきます。体の中の不調は、何らかの形で体の表面に現れてくるものです。これらの見えることや聞こえること(声や体の音)、臭いなどを注意深く分析し、最終的に問診により状況を判断して治療法を決定します。(弁証論治と言います。)

 

 以下表面上に現れるものを記してみます。

 

 顔色
人によって、元々の顔色が違いますので、初めてお会いする方の顔色を見て判断はできませんが、その人がどのような状態かはある程度予測できます。しかし、天候や昼夜、季節によっても顔色は変化しますので、このことを考慮しなくてはいけません。
① 顔色が青い場合:冷えたり、痛んだり、血行が悪かったりしている状態です。(すごく寒いところにいたり、骨折をしたりしてものすごく痛いとき顔が青白くなりますよね。)
② 顔色が赤い場合:全体に赤い場合は「実熱」で熱が過剰の状態です。頬が赤いような場合は「虚熱」で「陰」の不足の状態です。
③ 顔色が黄色っぽい場合:基本的に胃腸の調子がよくない状態です。このケースは、淡い黄色で「萎黄(いおう)」と言います。(「黄疸」との違いです。)
④ 顔色が白い場合:「気」や「血」が抜けた状態です。(大量に出血すると、顔が白くなる状態です。)
⑤ 顔色が黒い場合:「腎」が悪い状態です。(透析患者さんは顔が黒くなりますよね。)
顔色についてはこんな感じですが、これに関しては皆さん何となく日ごろから家族や友人などの顔色を見ているとご理解いただけると思います。

 

 目
目は五臓の「肝」と関係しています。
「五臓六腑の精は、みな上行して目に注がれ、目はそれを受け取り、正常な視覚を持つ」という「黄帝内経霊枢」の条文があるくらい身体の状態を判断する大切な器官です。
白目が赤い場合は、「肝」の熱、黄色い場合は「湿熱」です。目頭が白っぽい場合は「血」の不足です。
また、「肝」は筋肉や爪とも関係していて、筋肉は血の栄養を必要としていて、肝血を得て潤いや柔軟性を保てているのです。肝血が不足すると四肢がしびれ、震えやつりなどが起こります。爪も筋肉と同じで、血の栄養が必要です。肝血が不足すると爪が薄くなり、艶が失われ、ひどくなると変形したり割れたりしてきます。

 

 舌
舌は「心」と関係する器官です。
舌の色艶はよく、柔軟で動きもよい状態は健康的な舌です。心は血脈を主っていますので、血脈の状態が舌に現れます。全身の状態が現れる器官でもあり舌診という診断方法があります。ここでお話しすると細かすぎてしまうので簡単に心の状態だけでお話しすると、心血が不足すると舌は白っぽくなります。心に熱があると舌の先が赤くなります。また、血の流れが悪いと舌の色は紫がかった色になり舌の表面に赤い斑点ができます。

 

 耳
耳は「腎」と関係が深い器官です。
耳が厚く光沢のある、「福耳」と言われるような耳は健康的な耳です。逆に薄くて乾燥していると「腎陰」の不足と考えます。耳が白いと「風寒」、黒い時は、腎の「水」が不足した状態です。耳垢が白くて多い場合は「寒」、耳から膿が出ていて色がついて匂いがある場合は「湿熱」などの「熱」の状態です。
また、「腎」は骨とも関係が深いです。骨を養う髄は、腎精から生まれると中医学では考えます。腎精が不足すると骨が弱くなり骨折しやすくなります。
更に、「腎」は髪とも関係しています。中医学では、髪は「血のあまり」だと考え、腎精は血を生み出す働きがあるので、腎精や血が不足すると、髪に艶がなくなり、乾燥して薄くなります。若白髪も腎精不足です。

 

 鼻
鼻は「肺」と関係する器官です。
肺が呼吸するとき、鼻は重要な通り道です。鼻の通りもよく、においもしっかり感じられれば、鼻は正常な状態です。また、鼻のほかに「のど」も肺につながっています。のどの主な働きに「声を出す」がありますが、声が正常に出ることも肺が正常に働いていることなのです。

 

 唇
唇は「脾」と関係する器官です。
「脾」は消化などを担う臓です。よって胃腸系の状態が唇に現れます。健康な唇の色は、紅く潤いがあります。唇の色が淡い場合は、冷えや気血の不足です。また、濃い紅色は、熱と捉えます。紫色は、気血の流れが悪くなった状態で、「気滞血瘀」と捉えます。唇が渇いた状態は、「津液」という体に必要な水が不足した状態です。
口内炎は、「胃熱」の場合が多いです。口内炎の色が全体に白っぽい場合、気の不足も考えられます。

 

 皆さまは専門家になるわけではないので詳しく覚えなくてもよいですが、「養生の知恵」として知っていると自分や家族の不調がどんな状況なのか、どんな養生をしたらよいかが、少しわかってくると思います。それこそが、「未病を治す」なのです。


昭和堂薬局 | 2022年1月8日

 

妊娠悪阻(つわり)

 妊娠6~12週ごろに悪心嘔吐があって食べることが嫌になったら食べ物の臭いが嫌になったりして、食べると吐いたり、酸っぱい物や塩辛い物を好み、ふらつきや倦怠感があるものを悪阻(おそ)と言います。
 軽症の場合は様子を見るケースが多いと思いますが、重症の場合は治療が必要になります。

 

① 元々脾胃虚弱(胃腸虚弱)な人が妊娠すると、益々胃が虚してしまうため胃気を下降できず、逆に上逆してしまうため悪阻(つわり)になります。
② 元々感情の変化が激しかったりすると肝気が鬱滞しやすくなりその影響で胃気が下降できず、逆に胃気が上ってしまうので悪阻(つわり)になります。
③ 胃が虚していると痰飲が生まれ、それが邪魔して胃気が下りなくなるために悪阻(つわり)になります。

 

 治療は、それぞれ①の場合は、脾胃を補って胃気が下りる様にします。②の場合は、肝気を伸びやかにして胃気が下りる様にします。③の場合は痰飲を取りはぶき胃気が下りる様にしていきます。

 

 辛いようでしたら、漢方薬を飲んでみるといいと思います。


昭和堂薬局 | 2021年12月28日

 

中医学による妊娠期に必要なこと

  •  妊娠期は、妊婦の健康と胎児の正常な発育を保護する必要があます。
  • ① 適度な運動と休息
     「産孕集」という古典には「妊娠中には、起居飲食ともに緩和であることが最上である。安静が過度となると気は滞り、過度の労働をすると気が衰える」と述べられています。妊婦は規則正しい生活をし、過度な労働、重い物を持つ、高い所に上るなど危険なことは避け、胎児を損傷しないように注意しましょう
    ② 適度な食事
     妊婦の飲食は、あっさりとした味で消化しやすく、栄養豊富なものが適しています。
    ③ 胎育に注意する
     妊娠後は、視るもの、聴くもの、言動、思想などすべてを正すと、胎児もそれによって感化される。「葉氏女科証治」では、「出産前には静養することが最も大切である。良し悪しを比較しなければ気は損傷しない。損得を争わなければ神(心)は疲れない。心が嫉妬しなければ血は自然と充実する。安寧で閑静にしていることが胎育である。」と書かれています。
    ④ 房事を慎む
     妊娠3か月以内、妊娠7か月以後は、流産、早産、邪毒感染を予防するため房事(性交)は避ける。
    中医婦人科にはこの様な事が書かれています。
  •  私も、不妊で漢方相談に来ている方が妊娠すると、妊娠中にどんな事を(養生)すればいいのか質問されますので、このような事は言っています。
     「動かな過ぎてもダメ、動きすぎてもダメ」って難しいですけど、家事など日常生活は普通にするってことだと思います。
     初めての妊娠だと不安ですもんね。

昭和堂薬局 | 2021年12月21日

 

心理的要素が更年期障害を生む ―心からのアプローチを…―

 女性にとって更年期は、生理現象ではありますが、人によっては非常に辛い時期になる場合があります。更年期障害の発症は個人差があります。その中で、心理的に抑鬱状態の人は、穏やかな生活を送っている人よりも発症率が高いようです。

 

 中医学では、更年期障害を経断前後証侯と言います。一般的な症状としてめまい、耳鳴り、ほてり、のぼせ、発汗、動悸、不眠、不安感、イライラ、疲労、冷え、口渇等々多彩な症状があります。 中医学的に更年期は、生殖を主る「腎」の衰えにより、生殖軸である心―腎―子宮がうまく働かなくなって起こります。そのため、補腎が基本となります。

 

 中医学的には、腎陰虚によって心肝を滋養できなくなるという解釈です。そして、発熱やのぼせ、ほてりといった熱症状を伴うので、陰虚火旺という状態であるため、陰虚火旺の漢方を処方しますが、それだけではうまくいかないケースが多いです。実際には、発熱や多汗などは、精神的症状や気持ちの高ぶりなどがあるときや特定の時間(午前中)に起こることも多くあることから、「心」に原因があるケースが多く、心火の高ぶりや心気の不足と解釈する方がうまくいくことが多いです。

 

 病院やクリニックでは、ほてり・のぼせ・多汗・動悸などは自律神経症状のため、肝系の漢方薬や子宮系の瘀血(簡単に言うと血流が悪いまたは血液の滞り)の薬が多く処方されていますがこれもうまくいっていないことも多いです。

 

 更年期障害の中医学的なアプローチは、「心」を中心に考えていく方がうまくいんのです。

 

 馴染みのない表現での説明で分かりにくいかもしれませんが、「心」を安定させる安神薬が含まれる処方を試してみるとよいと思います。

 

養心安神薬

遠志(オンジ) 合歓花(ゴウカンカ) 合歓皮(ゴウカンヒ) 酸棗仁(サンソウニン) 秫米(ジュツベイ) 小麦(ショウバク) 柏子仁(ハクシニン) 夜交藤(ヤコウトウ)など

 

重鎮安神薬

琥珀(コハク) 磁石(ジセキ) 紫石英(シセキエイ) 朱砂(シュシャ) 珍珠(チンジュ) 珍珠母(チンジュモ) 鉄落(テツラク) 白石英(ハクセキエイ) 牡蠣(ボレイ) 竜骨(リュウコツ) 竜歯(リュウシ)など


昭和堂薬局 | 2021年12月7日

 

11月19日は「国際男性デー」なんだそうです。 ―男性不妊を考えたときー

 

 男性に健康に関する問題として気になっていることが、男性不妊です。欧米諸国では、この40年間で精子濃度が50~60%低下しているとの報告があるようです。不妊の原因の半数は男性側にあります。しかし、精子濃度が半分に減ってしまっては…

 

 日本では、長い歴史の中で子供ができない夫婦は女性側に問題があると思われていました。現在は、そんなこと思う人はいないのでしょうが…

 

 しかし、不妊に悩む夫婦が最初に行くのは婦人科ですよね。イメージは昔のままなのです。また、妊活の漢方相談をしていて思うのは、ほとんどの男性が奥さん任せです。一緒に来る人の方が圧倒的に少ないです。これってどうなのですか?妊活に対する温度差?

 

 医療体制も大きな差があり、男性不妊に対応している泌尿器科医師は、全国に72人しかいないそうです。現在、15人に1人が高度不妊治療の体外受精で生まれているくらいの現状なのに…、その中には男性側の治療ができれば普通に妊娠できたかもしれないですよね。(過去に漢方相談に来ていた方に、ご主人の精子の問題で体外受精を選択された方がいらっしゃいました)

 

 男性不妊の中で最近増えているのが性機能障害なようですが、これは性教育の問題もあるようです。男の子にもきちんと性教育をしていく必要があるのです。ネットなどで間違った知識を持ってしまうことで、射精障害に至っていることも多いようです。(過去に当店にも相談が来ましたが…)

 

 原因によっては、漢方薬が効果的なケースもあると思いますし、逆に器質的な原因だと泌尿器科で手術が必要なケースがあると思われます。

 

 性ホルモンは、男性でも女性でも脳からの指令で精巣や卵巣で作られますから、このストレスの多い世の中で影響を受けるのは避けられないかもしれませんが、生活習慣や食生活の改善を見直すことを並行しながら治療をしていくといい結果が出やすいんじゃないかと思います。

 

 男性も結果を恐れず、悪い結果であっても逃げずに向き合っていけると子宝という目標を授かれるのではないかと思います。


昭和堂薬局 | 2021年11月19日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。