『昭和堂薬局』

男性更年期

男性更年期

 最近何となく「歳をとって来たかな?」とお感じになる男性が多いと思いますが、40代から60歳代にかけては、男性の社会的責任とストレスが公私共々高まる時期です。
そのため、人によっては、ある日突然男性ホルモン(テストステロン)の分泌が急激に減ってしまうために、自律神経失調のような不定愁訴を生じてしまことがあります。これが、男性更年期です。
多くの女性の場合、更年期は閉経を前に比較的わかりやすいのですが、男性の場合は閉経のような目に見える出来事がありませんし、さまざまな偏見や社会通念により、なかなか認識されませんでした。
「男性にも更年期がある」という説は、欧米では1940年代から様々な提唱と多くの検討がされており、社会の成熟化や高齢化にともない、この10年余の間に抗加齢医学への関心とともに世界的な認知になりました。

原因

女性と同様に男性ホルモン(テストステロン)の減少が大きな原因の一つとなっています。この男性ホルモンは、筋肉をつくる・認知機能・脂質代謝・生殖機能など広く関係しています。分泌量が減少すると、意欲低下・筋力低下・男性機能低下などがみられます。 女性の場合は閉経という区切りによって、女性ホルモンの分泌低下が始まりますが、男性の場合は特に大きな区切りはありません。ただ、男性ホルモン減少の大きな原因の一つにストレスによる影響があるといわれています。  神経質な方やストレスに弱い方、またストレスに常にさらされている方などは男性更年期になりやすい傾向にあるといえます。
 東洋医学では女性と同様に、『腎』機能の低下が基礎にあると考えます。東洋医学における『腎』とは、西洋医学の尿の排泄機能だけでなく、生殖・発育機能も持ち合わせています。東洋医学での『腎』は、女性では7歳・14歳・21歳・・・・というように7の倍数ごとに機能が発達しますが、男性は8歳・16歳・24歳・…というように8の倍数ごとに機能が発達し、32歳をピークに衰えていきます。更年期における腎機能の衰えるスピードの違いが、更年期の体調の変化の違いとなって現れてくるのです。  西洋医学的に見たホルモン分泌の減少も、東洋医学的に見た腎機能の衰えから現れるものだと考えることができます。
さらに、ストレス・食生活の乱れ・運動不足など様々な外的要因が腎に負担をかけ、機能の衰えを加速させるとも考えられます。

主な症状

男性更年期は女性の更年期と違い、はっきりとした体調の変化が分かり辛く、『単なる年のせい』や『最近忙しいから…』などと気にも留めず、見過ごされることがほとんどです。実際に、40歳代以降に下記のような症状があらわれた方は男性更年期化もしれません。
☆身体的変化
○ 精力減退・インポテンツ
○ 朝スッキリ起きれず、疲れが残りやすくなってきた
○ 筋力の低下・腰痛・肩こりが気になる
☆精神的変化
○ 精神抑うつ感・不安感・自信の喪失感などがある
○ 集中力がなく、意欲も湧かない
○ ちょっとしたことでイライラする


治療法

男性更年期の治療も女性更年期と同様、ホルモン補充療法が主な治療となります。ただし、女性更年期のところでもお伝えしたように、人間の体は、体内で不足しているものを外から補われると、ますますその物質の分泌をやめていってしまう性質を持っています。ここが、ホルモン療法の大きな欠点とも言えるかもしれません。
東洋医学では、腎の機能を補うことがやはり基本となります。衰えてきている腎の機能を補うことで、腎自体が正常な働きをするようになり、更年期以降の第2の人生も健康で快適なものとなるのです。
漢方療法は単に減少してきているホルモン量に焦点をあてるのではなく、腎機能を補うことを中心にして、その他の体内の諸問題を解決していくことで諸症状を取り除いていきます。
更年期の時期にホルモン分泌が減少してきたとはいえ、まったく分泌されなくなったわけではありません。分泌が悪いから簡単にホルモンを外から補うのではなく、衰えてきている臓器の機能を補うことで、分泌量を正常に近づける方法が東洋医学には多く存在します。
西洋医学の腎機能は排泄機能のことを指す場合が多く、男性更年期の症状に対して『腎が衰えている』とは考えません。まして、臓器の機能を補うという考えはないと思います。第二の人生の準備期間でもあり、社会的責任のかかるこの時期を快適かつ活力のあるものにするために、腎機能を補うことから始めてください。


◎更年期を快適に過ごすためには
更年期障害だけでなく、現代の主な疾患は食生活・運動不足・ストレス社会など、ライフワークに起因することが増えてきています。そこで、私たちは、漢方薬や良質なハーブを使った健康食品の提案だけでなく、生活習慣の改善を必ず行っていただいています。
○ ウォーキングやゴルフなど適度な運動を楽しみながら、筋力・体力の低下を防ぐ
○ 食事はバランス良く、腹八分目にすることで、カロリー過多を防ぐ(カロリー過多は男性ホルモン低下を招くといわれています)
○ 温泉に入る、音楽・美術鑑賞、読書などリラックスできる趣味を持つ(趣味を持つことは脳の老化予防にもつながります。)
○ 家族や周囲の人との会話を楽しむ

最後に…

男性更年期でお悩みの方の多くは精力減退です。しかし、その前兆やその他の症状としてとして、様々な体調の変化があるはずです。 ぜひ一人で悩まず、私どもと一緒に考えてみませんか。


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。