人の健康には食生活が重要です。日本人は長い間穀物中心の食生活をしてきたので、穀物を吸収するため欧米人に比べ腸が長くなっています。だから日本人の体には、吸収しやすく脂っこい西洋食は合わないのです。ところが今の日本では日本の伝統食が忘れられ、西洋食があたり前になっています。
この食生活の変化が、現代病の原因でしょう。そして残念なことに、日本の伝統食に戻しても食品(特に野菜)の栄養価が低下しており、完全には昔に戻しきれないのが現状です。
例えば、科学技術庁の日本食品基準成分表で年代ごとに比べると、ほうれん草のビタミンC量は、昭和38年では、100gあたり100mgであったものが、平成12年には35mgに減少しています。
とは言っても、昔の野菜を手に入れることはできません。少しでも栄養価の高い物を摂る方法は、意識して旬の野菜を選ぶことです。なぜなら同じほうれん草でも夏と冬では栄養価が違うからです。最近ではハウス栽培など不自然な製法のおかげで旬がなくなり、1年中食べられる物ばかりになりました。そろそろ季節だから食べられるという喜びもなくなりました。太陽の恵みと大地の栄養をふんだんに受けた野菜が減っているのです。
また、人間は自然界から影響を受け、自然の恵みから栄養を摂らなければいけません。私たち日本人は、日本の自然風土に合った体ですから、日本で生まれ育った食材を使った日本食が一番体に合うのです。
そういえば最近テレビで、もぎたて野菜を出す体によいレストランを紹介していました。一見、新鮮で体によさそうですが、レストランの厨房で野菜を育てる…全く太陽の光を浴びていない野菜が本当によいのでしょうか。
何となく変ですよね。ちょっとびっくりです。
こんな時代だから、青汁が売れてしまうのかもしれません。仕方のないことかもしれませんね。ただし青汁は補助的に使うものですから、日頃の食生活を疎かにしてはいけません。
体調が良くない方や健康を維持していたい方は旬の野菜と日本の伝統食を意識してみてください。