最近の子どもたちは柔らかいものばかりを食べ、流し込むような食べ物を好むため、噛む回数が減り顎が小さく筋肉が発達していないと言われて問題になっています。
加工食品やファーストフードは柔らかく食べやすく、精製された旨み成分をたくさん入れ食べたくなるような物ばかりを作ります。こういう世の中がそういう子どもたちをつくりだしているのです。噛みごたえのあるものはおいしくない物ばかりなのでしょうか?
本当の食べ物の味を覚えなくてはいけない時期に加工食品のような作られた味の食べ物ばかりでは食育という点からも問題有りです。高齢になり歯が悪くなってから柔らかい物を食べればいいではないでしょうか。
咀嚼の重要性を分かりやすく説明している記事を西日本新聞(食育を子どもに分かるように説明しています)に見つけたので紹介します。
【第3回】かむこと
「ゆっくり、よくかんで食べるとよ」
ごはんを食べるとき、おとうさんやおかあさんから、こんなふうに言われたことありませんか? 実はこれ、とってもたいせつなことなんです。きょうのテーマは「かむ」。なぜ、それが正しいのか、いっしょに考えてみましょう。
じつは、よくかむと、とってもいいことがあるんです。
一つ目は、食べ物がだ液と混じることで、消化しやすくなること。せっかくの食べ物も、よくかむのと、かまないのでは、からだの吸収が変わってきます。
二つ目は、だ液がたくさんでるために、口の中がせいけつになり、病気にかかりにくくなることです。
病気の原因となる、ばい菌やウイルスは、いつもみんなが吸っている空気の中にいて、つねに、人間の体に入り込もうと、すきをうかがっています。とくにねらわれやすいのが「ねんまく(粘膜)」。体の中で、いちばんやわらかなところです。
なかでも、いちばん空気とふれあうのが口。たとえば、寒い季節になると、おとしよりはよく、はいえんで亡くなります。それは、口に入ったばい菌が、気管からはいに入ってしまうことが多いから。そのばい菌をやっつけてくれるのがだ液。この力はすごい。あのこわい「がん」でさえ、たいじしてしまう力があるともいわれるほどです。
三つ目が、みんなの頭がよくはたらくようになること。手や足、口のきんにくは、脳とつながっています。だから、それらをよく動かすと、脳もまたよく働くようになるのです。
さとうのおじさんは、このつながりを歯医者さんから聞いたとき、ピ~ンときました。今まで元気だったおとしよりが、急に体のぐあいがわるくなることがあるでしょう。おじさんのけいけんから言うと、それはだいたい、自分の足で歩けなくなったときと、自分の歯でかめなくなったときだったんです。
ソフトバンクホークスのホームランバッター、松中せんしゅだって、バットをふるときは、おく歯をぐっとかみしめているはず。口をあけてバットをふってるとこなんて、見たことないでしょ?
かむことは生きることとつながっている。まずは、ごはんを食べるとき、さいしょの一口だけでも、30回かんでごらん。それだけでも、集中力がつくし、いままでより、べんきょうもスポーツもきっとできるようになりますよ。
えっ、おじさんはどうしてるって? おじさんのごはんは、みんなが食べている白いごはんじゃなくて、ちょっぴりかみごたえがある玄米ごはん。これをよくかんで食べています。食事のときも、こどもにも「かめ、かめ」って、うるさく言ってるよ。だって、いい子に育ってほしいからね。それが、親のやくめだから、ね。
今回の教訓:
かむことは生きること。べんきょうやスポーツができるようになりたかったら、よくかんでごはんを食べよう。
【おうちの人へ】
子どもをかわいいと思うのなら、噛み応えのある食べ物を食べさせてあげましょう。とりあえず口に入れて、牛乳とかで飲み込んだりしてませんか? だから、どうやって食べているか、小さいうちはついていて見てあげることも重要になりますね。やっぱり、孤食はいけません。
戦前の日本人は1回の食事で1400回咀嚼をしていたのですが、現代人は620回。食の変化で噛む回数が半分以下になっているのです。
噛むことで①顎を発達させ歯を丈夫にする②噛み砕くことで消化を助ける③唾液の分泌を促進するをしています。その効果としては唾液のアミラーゼで消化を助け、IgA抗体・リゾチーム・ラクトフェリンなどが含まれているため抗菌・殺菌作用があります。
咀嚼回数を増やすことで脳を刺激し、集中力を高めますし、ストレスも緩和します。
今までコラムで言ってきたような食事をすることで咀嚼回数を増やさなければならなくなると思います。食を正し、咀嚼回数を増やして健康な体を手に入れましょう。