放置するといけない脂肪肝
食事で摂った脂肪は、小腸で脂肪酸に分解され肝臓に送られます。
しかし、糖分や脂質を摂りすぎて、肝臓に送られる脂肪酸が増えると肝臓で脂肪酸から作られる中性脂肪が肝臓にたまります。皮下や内臓に中性脂肪がたまると肥満になりますが、肝臓にたまると脂肪肝になります。
脂肪肝は年代でいうと30~70歳代に多く、男性では40歳前後、女性では40歳代以降の中高年に多発しています。性別では男性の方が多く発症します。
以前、脂肪肝は治療対象ではなく、肥満の場合は痩せなさいと言われるくらいで放置されていました。
最近アルコールや薬物、毒性物質とは関係がなく、肥満や糖尿病、血清中性脂肪値の上昇によって起こる脂肪肝(非アルコール性)であっても病気の基礎に炎症があると線維化が進み、肝硬変への進行があることが分かってきています。
このような脂肪肝は非アルコール性脂肪肝(NASH -ナッシュと読みます)と呼ばれます。
NASHは肝臓に脂肪がたまり、細胞は通常、糖から細胞内のミトコンドリアというところでエネルギーを作るのですが、何らかの原因でミトコンドリアが糖ではなく脂肪からエネルギーを作ろうとして、どんどん脂肪を取り込んで巨大になったミトコンドリアはその機能を失い、死んでしまいます。ミトコンドリアが死んでしまうことでエネルギーを作れなくなった細胞も死んでしまいます。その細胞の跡を埋めるために線維化が起こります。線維化が進むと肝硬変になってしまいます。
NASHにならないために食事は重要です。前回のコラムに書いた油の摂り方や食事のバランス、食べる順番など変えれば体も変われます。