花粉症の季節がやってきました。
今回は花粉症を東洋医学的(中医学)にどうとらえるのかをご紹介します。
花粉症の主な症状は鼻水です。しかも鼻水だらだら、涙まで出て、顔のあたりが水っぽくなります。
これを東洋医学では体に余分な水(中医学的には痰飲といいます)を抱えているとみます。簡単に言うと水分代謝が悪いということです。しかし体に余分な水を抱えているだけでは花粉症の症状は出ません。
そこに「花粉」という外邪が侵入することにより症状がでます。
では、水分代謝が悪くなるのはどこに原因があるのでしょうか。
五臓六腑の中で水分代謝に関わる臓腑は肺・脾・腎です。
肺が弱いとふだんからよく風邪をひいたり、脾が弱いと胃腸虚弱でよく下痢をしたり、腎が弱いと人より寒さを強く感じたり頻尿や夜間尿があったりします。この3つの臓腑どれか1つか2つが弱っていると体に水が溜まってしまいます。
その水(痰飲)が溜まった体質に体を守る力が弱くなっているために「花粉」という外邪が侵入し花粉症を起こしてしまうのです。
中医学的治療は外邪を体の外に出し、弱った臓腑(この場合は肺・脾・腎)を補って水分代謝をよくします。
西洋医学は症状を抑える薬を使いますが、東洋医学では体質(ここでは水が溜まっている身体)も治そうとしますので、花粉の出なくなった時期も肺や脾・腎を補う漢方薬を続けると、翌年花粉症が出にくくなるのです。
漢方薬は眠くなったり尿の出を悪くしたりしませんから一度試してみてください。西洋薬のようにピタッと止めたりしませんが、体に負担をかけることなくマイルドに症状を抑えてくれます。