店頭で漢方相談を受けて思うことは、非常識が常識になってない?と思うことです。例えば、生理不順や不妊症など婦人科疾患の相談で、月経はたまに起こっていれば問題ないとか生理前の不調は普通と考えている人が多いことです。また、胸(乳房部)の張りに至ってはこれが普通と思っている人が大半です。辛くなる前に正しておくといいと思います。
それら生理前の不調を月経前症候群(PMS)と言います。月経全症候群は、月経3~10日ぐらい前に精神的・肉体的に様々な症状が現れ、月経がはじまると消える女性の悩みの症状です。イライラしたり、急に悲しくなる、むくみ、過食、便秘など、場合によっては、仕事や日常生活に支障をきたすこともあります。
中医学的な考え方
月経周期は女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の変化と深く関係します。中医学では、性ホルモンを支える物質的なものを「精・血」と捉えますが、性ホルモンをバランス良く動かすのは、「女性の先天」と言われる「肝(かん)」の働きです。
「肝」は自律神経のバランスや性ホルモンのバランスをコントロールしていますが、実はストレスに影響を受ける臓器なのです。
肝がストレスなどによって上手く働かなくなると、気の流れは悪くなり、性ホルモンのバランスが崩れ、PMSを引き起こしやすくなるのです。さらに「気」が滞ると、血の流れや水の代謝にも影響を与え、様々な症状となって現れます。
月経が近くなると情緒の変動が大きくなり、急に悲しくて泣き出しそうになる、憂鬱・不安またはイライラ、怒りっぽくなりったりする、胸が張る、乳首が痛い、腹部が張ってガスが溜まりやすい、便秘、頭痛、肩こり、肌荒れ、集中力がない、夜に眠れないなどがあります。
女性の体は非常にデリケートです。少し歯車が狂ってしまうと大きな不調につながり、ほっておくと後々改善に大変な労力が必要になってしまうこともあるので、早めに対策をしていきましょう。