少し前になってしまいましたが、今月の8日に、日本薬局製剤研究会の神奈川支部で「アトピー性皮膚炎の漢方対応」について、オンラインでしたがお話しさせて頂きました。
実際、皮膚科領域でも少しずつですが、色々な新しい薬が出て来ています。アトピー性皮膚炎の病態は非常に複雑で、人によって違いが合ったりします。
アトピー性皮膚炎の方々の共通したところは、1つは皮膚のバリア機能が弱い、もう一つは、一般的なアレルギーは獲得免疫系で起こりますが、アトピー性皮膚炎の場合は、自然リンパ球による自然免疫が、炎症の中心だったりします。かゆみも、他のアレルギーのようにヒスタミンという物質で起こるのではないので、普通の痒み止めでは効果はありません。
漢方対応は、脾(簡単に言うと胃腸)が弱く、食べ物から、「気」や「血」を作る力が弱く、皮膚に栄養を届けたり、老廃物を排泄したり、皮膚の防御力を強化したりすることが出来ないために、外からの刺激である外邪の影響を受けてしまうのです。
漢方的治法としては、補血(補陰)、清熱解毒、疏肝、祛風、扶陽などをしていきます。(皮膚の状態や年齢、性別などでも薬が違ったりします)
成人型のアトピーは、若い方ほど綺麗に治ります。40歳を超えると皮膚の老化も伴って中々良くなりません。(本人はよくなっていると言う人は多いですが…)
また、重症の方は必ず、皮膚科を受診してほしいです。何年も漢方相談を通じてアトピーの人達を見てきましたが、軽症から中等症は、養生も一緒にやっていたがければ何とかなると思っています。でも簡単には行かないですよ。(漢方卒業しても養生とスキンケアは一生続ける必要があると思います。)