『昭和堂薬局』

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中医婦人科不妊症専門オープンセミナーの報告がやってきた!

 セミナーでは2名の中医薬大学の中医師の先生の講演があったようです。

 「女性の生殖は、腎と血を以って本となす」専門的な表現ですが、簡単に要約すると、女性において生殖に関わる臓器は「腎」で、生殖に関わる月経、妊娠、出産、授乳などは血をたくさん必要とするので、血は重要であるということです。

 

 その中で、婦人科疾患では、適宜養生をしないと血の不足(血虚)を起こしやすく、血虚が起きると、気のコントロールが上手くできなくなり、情緒不安定になり肝気鬱血という漢方の病態になると言っています。

 

 生殖障害をもたらす主な疾患はいろいろあり、中医学的には腎虚、肝鬱、痰飲、瘀血などから起こることを示されました。

*その中で、卵巣予備能低下には、中国では亀鹿二仙膏という処方が多くつかわれるそうです。(日本にも似たものはあります)

 

などの公演がされたそうです。(自分で講演を聞きに行ったわけではないので、詳しい内容は割愛します)


 これらの内容を見ていると実際に私たちが店頭で相談の時に考えていることとそれほど遠くないのかなぁと思いました。ただ、中医医薬大学の先生ですから、症例の数は全然違うでしょうし、見立ての正確さも違うのでしょうね。

 

 日本でも、妊活漢方が一般的になってきてだいぶたちました。妊活に対する中医学的解釈も普及してきたと思います。

 

 また、妊活に励んでいる方たちにとっても、妊活に漢方を飲むことは、大分普通になってきたようです。妊活成功の確率を上げるために、漢方薬の力を借りるのはいいのではないでしょうか


昭和堂薬局 | 2024年5月29日

 

段々、湿度が上がってくるとふえてくる、胃腸虚弱のめまい

 日本には四季があり、それぞれの季節に特徴があります。
 今は、だんだん気温が高くなり、それと共に湿度も上がってきます。

 

 そう思っていると、めまいと吐き気を訴えてくる方がいらっしゃいます。

 

 こんな時によく使う処方が、「半夏白朮天麻湯」という処方で、胃腸が弱ることにより「肝」を滋養できなくなり肝陰が不足して肝気をコントロールできなくなり、肝気が上昇し、痰湿も上に上がって、胃気もおろすことができなくなるので、吐き気・嘔吐を伴う、めまいや頭痛が現れてきます。

 

 半夏白朮天麻湯は、胃腸を正しく機能するようにしながら、痰湿をとり、嘔吐を止めて、身体に必要な物質を作り各臓腑に配って正常に機能するようにする処方です。

 

 この時期は、胃腸機能を衰えさせないように、暖かいものや香辛料の効いたもので食欲を維持することも大切です。その季節に応じた養生をしましょう。


昭和堂薬局 | 2024年5月22日

 

芸能人やアナウンサーなどの有名人の不妊治療の体験談

 有名人の不妊治療体験談を、時々ニュースなどで見かけますね。私も妊活相談を受けているので興味があって読んだりします。殆どが体外受精の成功例ですよね。治療などが詳しく載っている事はないんですが…

 

 その人によって、アプローチの仕方は違います。漢方もやはり年齢、体質、その他の状況などで選ぶものは違います。

 

 体験談でも、必ずメンタルケアの話は出てきますね。私は非常に重要だと思うことが、このメンタルのコントロールです。ほとんどの体験談も妊活ストレスに関する対処法も語っています

 

 相談に来られている方には言うんですけど、やることはやって、あとは粛々と待っていると、チャンスか必ずやってきます。それを辛抱強く待つのです。いい時もあまりよくない時もあります。それに一喜一憂するのではなく、休み休みで良いのです。焦る気持ちを抑える、それが難しいんですけど…

 

 これが成功の秘訣なんだと、私は思っています。


昭和堂薬局 | 2024年5月11日

 

麦味参顆粒(生脈散)って凄い!

 イスクラ産業(漢方メーカー)さんから、週1回漢方の情報がメールでやってきます。今回、生脈散(麦味参顆粒)について興味深い記述がありましたのでご紹介します。

 

 以下が紹介された記述です。
 中国清代の康煕帝(こうきてい)、雍正帝(ようせいてい)、乾隆帝(けんりゅうてい)(1711年~1799年)までの祖孫三代では、孫の乾隆帝は一生のうちに20人を超える子宝に恵まれ、世に17人の皇子を残しました。

 

 かなり強いパワー(力、元気)を持っていたと言われています。

 

 中国に、歴代の皇帝は600人近くいましたが、70歳を超えて健在だった皇帝は9人のみでした。長寿の養生を研鑽し続けた乾隆帝は89歳まで生きて、中国歴代の皇帝の中で最長寿の皇帝となりました。

 

 そのパワー(エネルギー)の源はどこにあるのでしょうか。

 

 乾隆帝は文武両道で、狩猟、乗馬、作詩、書道、絵画、音楽等々、学問だけでなく様々な技芸にも精通していました。また、よく地方へ巡幸し、精神的な刺激を受け、体も鍛えました。精神的にも体力的にもよく鍛え、整えられていたに違いありません。

 

 実は、超多忙の日々を送る乾隆帝には、漢方養生にこだわりがありました。宮廷侍医のお薦めを聞いて、長期間にわたり、ほぼ毎日「生脈散」を服用していたのです。

 

 生脈散は、中世から近世の救急漢方として知られた処方です。

 

 清の汪昂は著書『医方集解』の中で「人間が死にそうで脈が絶える時、これ(生脈散)を飲んだら、蘇ることができるので、その功績はかなり大きい」と、生脈散を高く評価しました。

 

 確かに、歴代皇帝が重篤な病で命が危うい時には、延命措置として生脈散がよく処方されています。

臨終前の光緖帝(1871年~1908年)を診ている6人の名医の一人、杜錘駿が『徳宗請脈記』に光緖帝の病状、治療経過及び光緖帝の臨終前の病状を下記のように詳しく記しています。

 

 「皇帝が寝台に横になっている。私が手で脈を取ると、驚いたようで、口・目・鼻が突然動いた。これは間違いなく、肝風によるものと思って…。すると、「とても重篤なので、生脈散を処方する」」

 

 輸血・酸素吸入・注射治療などの現代医学の救急措置がない時代は、生脈散は宮廷の救急薬として使われていたことが、ここから伺えます。

 

 800年余りの歴史を持つ生脈散は、現代では、養生にはドリンク剤、救急には注射液といった使い方が、中国では当たり前になっています。
(中医学講師 陶 惠寧(とう けいねい))
ここまでが紹介された文章です。

 

 以前、私も生脈散の点滴は、聴いたことがありました。それは、日本の大学病院で日本に来ていた中医師が行ったものでした。だいぶ昔に聞いた話でどんな病状だったのかは覚えていません。

 

 現代的には、熱中症予防で有名になった処方ですね。大汗をかいて、気と陰を消耗した人や暑い時期に大汗をかいてしまいそうなときに服用します。(ポカリやOSワンなどと飲むとより効果的です。)
また、秋に乾燥して風邪を引きやすい時期に粘膜を潤し、気を補って風邪と戦う力を補うために服用したり、単に疲れなどにも使います。

 

 これから、暑い時期が増えるため、この処方が活躍しそうですね。

 この処方は、多くに方にお試しいただける、あまり飲む人を選ばない処方ですから、お気軽にお試しいただけるといいと思います。


昭和堂薬局 | 2024年5月1日


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