『昭和堂薬局』

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店主が癌になった!No.3

 最近、思っている事は、免疫チェックポイント阻害剤が効かなくなることがあるんだろうか?(抗生物質に対する耐性菌のようなこと)という事です。当店に来店されたお客様が、免疫チェックポイント阻害剤を10が月くらい使っていて、効かなくなってきた可能性があるとドクターに言われたと聞きました。

 

 メカニズム的には、単純に自己の手であるチェックポイントを塞いでいるので、これができなくなることは考えにくい気がします。調べてみると耐性ができる作用機序としては、癌自身が更に遺伝子変異することにより、耐性獲得を許してしまうと言っています。(何となく納得できず)

 

 そもそも、この免疫チェックポイント阻害剤が全ての方に効果があるわけではありません。この薬が使われるようになった当初は、1~3割が有効と言われていました。(現在はどうなのか調べていません。すみません。)ですから、効かない方の方が多かったのです。

 

 では、効果のある方は、どんな環境なのか?

 1つ目は、がん局所にあるがん細胞などが、免疫チェックポイント分子を多く発現していること。もう一つががん局所に免疫細胞であるT細胞が浸潤しているかどうか。また、T細胞ががん細胞を認識しやすい状態(変異タンパクが多い)にあるかどうかだそうです。

 

 がん細胞は、がん局所にT細胞が分泌したINF-γ(インターフェロンガンマ)が多くあると免疫チェックポイント分子が多く現れます。これもT細胞ががん局所に浸潤していないといけないことになります。

 

 これらの事を考えると、効かなくなってくるのは、がん局所の環境の変化で効かなくなることがあるのではないかと言う事です。実際に、治療開始当初は効いていたのであれば、その環境が維持できれば効果は持続するのではないかと思うのです。

 

 実際に、がん細胞の遺伝子変異で効かなくなることもあるとは思いますが、自分の免疫力が低下して、がん細胞を叩けなくなっている方が納得しやすいですし、対策も取りやすいかなぁと思います。季節の変化や色々なストレスが私たち人間には起こります。その環境に合わせて対策をしてみることが良いのではないかと思います。


昭和堂薬局 | 2024年8月27日

 

店主が癌になった!No.2

前回の続きです。

 どのくらい治療効果が出ているか見てみようという事になった。(私としては、何も変わってないのではないかと思っていました。大きくなってたらショックでしょうが…)

 

 今回の検査は、免疫チェクポイント阻害剤(キイトルーダ)を3週間に1回点滴投与して、同時にチロシンキナーゼ阻害剤(インライタ)を1日2回毎日服用していく治療です。しかし、病院には、外来で抗がん剤の投与をする部屋があって、その部屋が空いていないと点滴ができないので、間隔が4週間になったりしています。*抗がん剤を定期的に投薬している人って意外と多いんですね。ビックリです。また、一般的な抗がん剤は点滴時間も長くかかるようで大変そうです。

 

 5月8日、6月3日、24日と点滴して、3回目(6月24日)の点滴終了直後にそのままCTを撮影しました。(治療結果の確認です。)結果は、7月8日に聞きに行きました。何と大変よく効き、腫瘍の大きさが半分ほどに縮小していました。(ドクターもビックリ⁉️)

 

 今回の結果は、免疫チェックポイント阻害剤の2回の点滴とチロシンキナーゼ阻害剤47日間の内服でです。その間、色々あって仕事のストレスが普段より多くかかっていたのにです。漢方薬のサポート無くしてこんな効果出ないんじゃないかと感じています。(内心、癌が良くなっていく人って、人生をリスペクトして、心安らかに治療している人じゃないかと思っていたので、自分は良くなっているとは思っていませんでした。)

 

 でも、小さくなったと言っても、見つかった時が大きかったのでまだまだです。身体的には、血圧と頭痛、下腹部の痛みです。最近台風などの影響なのか頭痛が多いですね。漢方の活血薬で何とかしています。(痛み止めは飲みません)腹痛は、やや私の持病的なものがあるので、夏はややしょうがないのかなぁ。(どこが痛いか、痛む場所で判断できませんが…)また、チロシンキナーゼ阻害剤で、血管新生を抑制しているってことは、血管内皮細胞の増殖を抑制しているので、そのうち血管ももろくなるかもです。薬の副作用が出ないようにしながら、効果を維持するのは、色々気を使いますよね。

 

 それでも、仕事はしています。疲れますが、お客様には、ご迷惑はかけられませんから。

 


昭和堂薬局 | 2024年8月18日


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