『昭和堂薬局』

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魚介類摂取で心臓病・脳卒中のリスク低下

 厚生労働省の研究班(代表・三浦克之滋賀医科大教授)の調査で、魚介類由来の脂肪酸摂取が多い人ほど長期間の循環器疾患死亡リスクが低いことがあきらかになり、欧州動脈硬化学会誌「Atherosclerosis」2 月号に掲載されることになりました。
 発表されたプレスリリースの一部をご紹介します。

 対象者は,無作為抽出された日本全国300 地区の一般住民を対象として1980年に実施された国民栄養調査に参加した30 歳以上の成人男女のうち,脳卒中や心筋梗塞等の既往歴のある者などを除外した9,190 人(男性4,028 人,女性5,162人,平均年齢50.0 歳)で、1980 年から2004 年まで24 年間追跡した。
 24 年の追跡期間中,879 人が循環器疾患(脳卒中または心臓病)で死亡した。魚介類に多く含まれる長鎖n-3 系多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)脂肪酸の合計摂取量で4 群に分けたところ,最も少ない群の摂取量は1 日0.42g (さんま1/4 尾程度に相当),最も多い群で1 日1.72g (さんま1 尾弱に相当)) であった。性別,年齢,食塩など他の栄養素摂取量などの交絡因子を調整した循環器疾患死亡リスクは,摂取量の最も少ない群を基準としたところ,最も多い群で20%低く(ハザード比0.80 (95%信頼区間0.66-0.96)),魚介類由来の脂肪酸摂取量が多いほど統計学的に有意に低くなった(傾向性の検定p=0.038)。1980 年時点の年齢で30-59 歳と60 歳以上に分けて分析した結果,30-59 歳の者において魚介類由来脂肪酸摂取量と循環器疾患死亡リスク,脳卒中死亡リスクとの関連をより強く認めた。

 今回のコホート研究では循環器疾患についてですが、糖尿病やがん、アレルギーなどにもこのオメガ3系脂肪酸摂取は関わっています。現在の日本人の食生活は、オメガ3系不飽和脂肪酸と対極にあるオメガ6系不飽和脂肪酸の摂取が多いことが問題にされています。さらに日本ではトランス脂肪酸の規制がなく、このことも体に大きく関係します。特に今の若い年齢層はジャンクフードなどの摂取が多いことで、アレルギーなども多くなっています。
 食事を変えるだけで病気のリスクを改善できるのですから、少し意識してみるといいと思います。
 当店では、食事指導やサプリメントのご紹介をしておりますので、お気軽にご相談ください。


昭和堂薬局 | 2014年2月6日

 

今年こそ、花粉症を克服しよう!

 気象情報会社ウェザーニュースは1月29日、関東地方で花粉シーズンが始まったとの発表をしました。
 同社によると、今シーズンは昨年の花粉飛散量の8割程度だが平年と比べると1割程多いということです。
 今年の花粉の飛散量は昨年に比べ少ないとのことですが、花粉症の方は程度の差はあるものの、アレルギー症状は出ます。全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした2008年(1月~4月)の鼻アレルギー全国疫学調査で花粉症を有する方は29.8%という報告があります。この数字が日本国民全体にそのまま当てはまる数字とはいえませんが、それほど遠い数字ではないでしょう。

 では、なぜこれほど多くの方が花粉症になってしまったのでしょうか?
 これが原因というものは分かっていませんが、食生活や生活習慣、社会的問題などが考えられます。
 その中で私たちの努力で変えることが出来ることは食生活ではないでしょうか。
 便利で簡単に食べられるインスタント食品や加工食品を多くの方は利用しています。しかしこれらの多くには油が使われています。
 油の分類は4種類あり、動物の肉に含まれる飽和脂肪酸、オリーブオイルで代表される一価不飽和脂肪酸、サラダ油などのオメガ6系多価不飽和脂肪酸、シソ油などのオメガ3系多価不飽和脂肪酸があります。
 これらの脂肪酸のうちアレルギー性炎症に大きく関わるのがサラダ油に含まれるオメガ6系脂肪酸で、この脂肪酸は炎症を起こす油であり、その一方で炎症を抑える油、オメガ3系の脂肪酸摂取が減っていることが、更に炎症を強くしています。

 もう一つアレルギーに関わっているのが腸内環境。
 湿度の高い日本に住む私達日本人は胃腸が弱く、東洋医学では高い湿度のことを”湿邪”と呼び、この”湿邪”は胃腸機能を低下させるため便秘や下痢をする方が多いのです。

 今年は花粉の飛散が少ないのでチャンスです!
 前述したように今年は花粉の飛散量が少ないと言われているので、症状が軽く楽に過ごせる可能性があり、今年こそ食生活を改善し、アレルギーを克服するチャンスです!

当店からのあなたへの提案
その1:油を変えよう!
一般的な油であるサラダ油であるω6系脂肪酸の油をできるだけ控え、シソ油などのω3系脂肪酸を積極的に摂りましょう。

その2 腸内環境を改善しよう!
食物繊維や発酵食品(納豆やヨーグルトなど)を積極的に摂って腸内環境を改善しましょう。

その3 漢方で胃腸を丈夫にしよう!
日本人は胃腸虚弱な人か多く、胃腸を丈夫にすることが花粉症を克服することにつながります。

その1,2はサプリメントを利用する事で手軽に変えることが出来ます。
その3はその人の体質や傾向から当店があなたに合った漢方薬をお作りします。

花粉症を克服するためには早めの対応がカギになります。店頭にてお気軽にご相談下さい。


昭和堂薬局 | 2014年1月31日

 

ぜんそく悪化の仕組みが解明

産経新聞に筑波大教授らによって抗生物質の服用によって腸内のバランスが崩れ、ぜんそくが悪化するメカニズムを解明したとの報道がありました。
以下記事抜粋
■新たな治療法開発に期待
 細菌感染症の治療に使われる抗生物質の影響で腸内にカビの一種が増殖し、腸内細菌のバランスが崩れてぜんそくを悪化させるメカニズムを、マウスを使った実験で解明したと筑波大の渋谷彰教授らの研究チームが米科学誌電子版に発表した。
 15日付の米科学誌「セル・ホスト・アンド・マイクローブ」電子版などによると、実験では抗生物質を投与したマウスに原因物質を吸入させてぜんそくを発症させたところ、抗生物質を投与しないマウスと比べて気管支の炎症が悪化した。
 炎症が悪化したマウスの腸管内を調べると、カビの一種「カンジダ」という悪玉菌が増殖する一方で、乳酸菌などの善玉菌が減少。さらに、カンジダの作り出す物質「プロスタグランジンE2」が増加し、ぜんそくを悪化させる様子を確認したという。
 実験では、カンジダの増殖を抑制する薬剤やプロスタグランジンE2を作らないようにする薬剤などを投与すると、マウスのぜんそくの症状が改善されるという結果も得られた。
 渋谷教授は「腸内細菌のバランスが乱れることによってアレルギーが悪化する患者もいると考えている。新しいアレルギー治療が可能になるのではないか」と話し、ぜんそくの新たな治療法の開発につながるとしている。

 これはマウスに抗生物質を投与し、抗生物質が効かない真菌が腸内で増殖したことでぜんそくが悪化する生体反応の詳細が解ったというものです。
 以前より腸内細菌のバランスが崩れることによりぜんそくなどのアレルギーが悪化することは解っていました。抗生物質の投与に限らず、ストレスや食事の乱れなどで腸内細菌は変化します。(多くは善玉菌が減り、腸内環境が悪化した状態になります。)
 これによってアレルギーを誘発したり、アレルギー症状を悪化させたりするのです。今回の発表では、抗真菌剤の投与やプロスタグランジンE2阻害剤、M2マクロファージ活性化阻害剤を投与するなど、新しい発想のアレルギー治療方法になり得ると述べています。
 いろいろな生活環境など腸内環境以外にも様々なことが原因でアレルギーは起こりますが、腸内環境を整えることによりアレルギーが改善することも解っています。新薬に頼るだけでなく、自分でできる予防や緩和方法があることを再確認していただければと思います。


昭和堂薬局 | 2014年1月20日

 

もうすぐ始まる花粉症~東洋医学で対応するには…~

 花粉症の漢方薬といえば、日本では小青竜湯が有名で、服用したことがある方も多いと思います。しかし本来漢方治療は個々の症状・体質によって異なり、様々な処方を用います。小青竜湯が奏効するパターンは少ないのではないかと思います。
 花粉症(アレルギー性鼻炎)は東洋医学上、「鼻きゅう(ビキュウ)」といい、鼻水・鼻づまり・くしゃみ・涙目・目や喉の痒み等を共通の主症状としますが、それ以外に付随する症状から病態の分類を行い、きちんと漢方的に分類する事が治療する上で最も重要となります。
 東洋医学では花粉症を津液(しんえき/「水」とも云われる)が過剰に存在するか分布異常を起こし、花粉の刺激によって、この過剰に存在している津液(痰飲と呼びます)が体外に溢れ出ると考えています。
 では、この津液は何故過剰に存在するようになってしまうのでしょうか?
 答えは胃腸に原因があることが多く、古典には「脾は生痰の源、肺は貯痰の器」と書き記されており、胃腸において余剰な水が発生すると説いています。
 例えば、元々胃腸が弱く風邪をひきやすい、口内炎ができやすい、ちょっとしたことですぐに疲れてしまう、手足や顔色が黄色味を帯びているなどがあると、飲食物から得た水分を代謝することができずに、結果として痰飲が発生し、花粉症やアレルギー疾患を発症します。
 自分は胃腸が丈夫!胃腸のことで困ったことは無いという方でも油断大敵です。胃腸が丈夫な方ほど飲食が不適切であったり、夜更かしをして身体の疲れが溜まっていても、風邪も引かずに過ごせるために無理をしがちです。しかしこの時、胃腸は体の恒常性を維持するために一生懸命に働き、少しずつ疲弊していきます。そして私たちの気が付かない間に少しずつ「痰飲」が発生し、ある日突然に花粉の刺激を感受し花粉症が発生してしまうのです。
 花粉症について様々な情報がもたらされる中に”疲れをためないこと・睡眠をよくとること”とあるのは、胃腸を休ませることに他ならないのです。
 現代社会に生きる私たちは保存技術や輸送技術の発達により食べるものに不自由なく生活することが可能になりましたが、食べ物の質はどうでしょう?
 このコラムにもよく登場する「慢性炎症」。高栄養食によって腸内環境が悪化することで発生します。現代医学で注目を集めている分野ですが、東洋医学は古来から胃腸がアレルギー疾患に関わっていることを示していました。
 適切な飲食・睡眠をとることで胃腸をしっかり休め、「痰飲」を発生させないような生活を心がけましょう。
 すでに発生してしまった「痰飲」を解消するには漢方薬や腸内環境を改善するものを使い、花粉症の時期を楽に乗り切れる身体づくりのお手伝いをさせていただきます。ぜひ店頭にてご相談ください。


昭和堂薬局 | 2014年1月15日

 

チョコレートに長寿効果…精神も安定。この記事の真偽はどうなのでしょうか?

 産経新聞にチョコレートに長寿効果があるという記事が掲載されました。しかし市販のチョコレートの多くはカカオ以外に砂糖や脂肪が添加されている為、逆に健康を害する可能性もありますので、この件について記事の一部を紹介し解説をしたいと思います。

以下掲載記事
 この世の中で最も長生きしたフランス人女性ジャンヌ・カルマンさんは122歳まで元気に長生きしたが、晩年まで大好きだったチョコレートと赤ワインは120歳になっても欠かした日はなかった。
 どちらも抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富に含まれ健康長寿には良い作用がある。特に赤ワインにはレスベラトロールという長寿遺伝子のスイッチをオンにするポリフェノールが豊富に含まれていることは本コラムでも紹介した。実際、100mlの赤ワインに含まれるポリフェノールは0.3g程度だが、100gのチョコレートには0.8gものポリフェノールが含まれているので、チョコレートはワインの3倍近くもポリフェノールを含む抗酸化食材である。
 徳島大学食品機能学の寺尾純二教授等の研究によると、成人男性を対象にした実験で100gのチョコレートを食べると、摂取したカカオマスポリフェノールの一種「エピカテキン」の約30%が体内に吸収され、血漿で抗酸化能力が増強することが確認されている。同教授は、赤ワインやお茶ではポリフェノールが「精々10%しか吸収されない」点を指摘する。
 元来、チョコレートは太りやすいと思われているが、茨城キリスト教大学の板倉弘重名誉教授は、「カカオバターの主成分ステアリン酸は吸収率が低く、低カロリーなので意外にも健康的な食材」である点を強調する。
 さらに、このステアリン酸には血中コレステロール値を下げる効果、カカオ成分には虫歯を抑制してくれる効果もある。
 そして私が注目しているのは、東京薬科大学の井上英史教授らの研究結果。線虫というモデル動を使って、カカオ豆から抽出した「プロシアニジン」という成分をエサに混ぜて与えたところ、酸化ストレスが抑えられ線虫の平均寿命が延びたのだ。酸化ストレスは、動脈硬化、糖尿病、ガンなど多くの病気の引き金になる。晩年までチョコレートを食べ続けたカルマンさんが、「長生きの秘訣は何ですか?」という質問に「長生きの秘訣は病気をしないことだ。」と答えた理由も毎日食べていたチョコレートに潜んでいたのかも知れない。
 実際、スウェーデンのカロリンスカ研究所のラーソン博士らが45~79歳のスウェーデン人男性37,103人を約10年間追跡調査した結果、チョコレートの消費量が最も多かった群の男性はチョコレートを全く消費していなかった群の男性に比べて脳卒中の危険度が17%も低下していることが明らかになった。更に解析を進めるとチョコレートの消費量が50g増えるごとに脳卒中危険度が14%低下したのだ。
 最近、中村学園大学栄養科学部の青峰正裕教授は、ネズミの脳にチョコレートに豊富に含まれているエピカテキンを与えると脳の中のセロトニンの放出量が増加することを見い出した。
 うつ病を発症すると脳内のセロトニンの放出量が低下することが知られている。さらにその作用機序を調べると、エピカテキンにはうつ病に使われているSSRI阻害薬(選択的セロトニン再吸収阻害薬)と同じような作用があることが分かった。つまり、チョコレートを食べて幸せな気分になる理由の一つに、精神を安定化させるセロトニンの作用を高める作用があったのだ。
 ただし砂糖がたっぷりの甘いチョコレートを沢山食べると確実に体重が増し、肥満症を発症したり糖尿病が悪化するのでオススメできない。
 そこで、「カカオ70%のビターチョコレート50gを食事の20分前にゆっくり食べる」という食べ方がオススメで、「食事の前にゆっくり」には、満腹中枢を刺激する狙いがある。満腹中枢が刺激されると食事の摂取量が減少することが知られている。

 読んでいただくと分かるように、カカオやカカオに含まれる成分についての研究などを紹介しています。しかし、市販のチョコレートはカカオ以外に多くの物が含まれています。その多くに脂肪酸があり、マーガリン(食べるプラスチックと言われている)などが使われている場合はトランス脂肪酸など体に害を及ぼす物も含まれている場合があるので注意が必要です。また、砂糖を多く含むため血糖値が上がるとインスリンというホルモンが必要になり、インスリンを多く使う生活をしていると老化を早めるという報告もあります。長寿効果があるから食べたチョコレートがかえって病気を引き起こしたり、寿命を短くしてしまっていては元も子もありません。店頭でアトピーの悪化原因がチョコレートを食べることにあったり、ダイエット相談に来た方がチョコレートを食べているケースはよくあります。マスコミが言っていることを真に受けてしまうとこんなことにもなりかねないので注意しましょう。


昭和堂薬局 | 2014年1月11日

 

あけましておめでとうございます。

 本年も皆様の健康のお役に立てるよう従業員一同、精進してまいりたいと思います。
 昭和堂薬局横浜ポルタ店・三軒茶屋店、両店のご愛顧をお願いいたします。

 さて年末年始、美味しい物をたくさん食べた方が多いのではないでしょうか。
 飽食の時代といわれる今も人間の食に対する欲求は変わっておらず、これは飢餓の時代に身についた本能なのですが、この食に対する過度の欲求が肥満、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、アレルギー疾患、自己免疫疾患、ガンなど様々な病気の温床となっています。

 飢餓の時代、私たち人間は食料を得た際、次にいつ食料を得られるか分からないために栄養を体内に保存しておくシステムを持っています。この保存システムが今の飽食の時代でも変わることなく体内で働いているため肥満になってしまうのです。
 また、食べるものも今と昔では変わってきています。我々は食べたものを消化管で消化、吸収し栄養にしています。一般に摂取カロリーと消費カロリーのバランスで肥満になるといわれているため摂取カロリーを気にしている方も多いようですが、世の中のカロリー表示はあくまでも参考にしかなりません。食べ物のカロリーは調理方法やその人の腸内環境などにより変化するため、厳密には計算することはできません。
 簡単に言うと、同じ食材を使っても調理に手間をかけると消化、吸収がしやすくなり、生に近い状態では消化しにくいため吸収するカロリーは少なくなります。また、カロリーが高い物ばかり食べていると腸内環境が変化してしまい吸収するカロリー量が多くなってしまいます。 食べる物を変えることで肥満や肥満が原因で起きる病気は予防できます。柔らかくて美味しく便利な食べ物は控え、食物繊維や素材の味をそのまま生かした食べ物を積極的に摂りましょう。
 詳しくは店頭でご相談ください。補助的にサプリメントなどのご提案もできますので、お気軽にご来店ください。


昭和堂薬局 | 2014年1月4日

 

太ってしまうのはなぜ?

 肥満が社会問題になっています。
 ダイエットは肥満でお悩みの方の永遠の課題で、様々なダイエット方法が話題になっては消えていきます。また、肥満と生活習慣病の関係が大きな問題となり、肥満の研究が盛んに行われ、肥満のメカニズムが解ってきました。
 少し前までは、摂取カロリーと消費カロリーのバランスや遺伝などがいわれていましたが、それらでは説明ができなくなっています。

 では、どのようにして太っていくのか簡単に説明していきましょう。
 現代は飽食の時代となり人々は高栄養食を摂るようになり、腸内に棲息する細菌に変化が生じ、グラム陽性菌と呼ばれる菌が増えることになりました。このグラム陽性菌が増えるということはおおざっぱにいうと腸内環境が悪くなることを意味します。
 腸内環境が悪くなると腸管の細胞に影響を及ぼし、腸管のバリア機能が悪くなってしまい容易に体にとって不必要なものまでが通ってしまいます。これと同時に高栄養食を摂っているために栄養が使いきれずに脂肪細胞に脂肪として蓄えます。
 過剰にためてしまった脂肪の影響と体にとって不必要なものが腸管を通ってしまったことで、脂肪組織に弱い炎症(慢性炎症)が起こります。この慢性炎症は脂肪組織にとどまらず、全身、および脳でもこの慢性炎症が起きてしまうことがわかってきました。
 脂肪細胞に脂肪がたまるとレプチンというホルモンが出て、脳に栄養がたくさんあることを伝えます。また、食事によって栄養素(糖質、脂質、アミノ酸)の血中濃度が上がるとこれを脳がキャッチします。この二つの情報で脳は「食べるのをやめなさい」と「脂肪を燃やしてエネルギーを作りなさい」という命令をするはずが、脳においても慢性炎症が起きているので命令が出せなくなってしまいます。この結果、命令がこないことによってどんどん食べてしまい、脂肪も燃やさない状態になり、ますます太っていってしまい慢性炎症もさらに悪化し、生活習慣病に至ってしまいます。
 これらを改善していくためには腸内環境を整えることと慢性炎症を抑えることです。腸内環境を整えるには、やはり腸内細菌の善玉菌を増やすこと、食物繊維をきちんと摂取して腸の上皮細胞を刺激して腸管をいい状態に戻すことが必要です。また、慢性炎症を抑えるためには抑制系の脂肪酸であるオメガ3系(魚油など)を積極的に摂ることです。
 これからクリスマスやお正月で美味しい物をたくさん食べてしまう時期です。ますます…
 今までどんなことをしても痩せなかった人は一度ご相談ください。


昭和堂薬局 | 2013年12月20日

 

どう違う? 「怖いめまい」と「怖くないめまい」の症状と対処法

 日刊ゲンダイにめまいについての記事が載りました。わかりやすく解説しているので紹介します。
以下記事
 Aさん(52)は会社で仕事中、立ち上がろうとした途端に体がふらついた。若い頃から貧血気味でめまいを感じることも多かったAさんだが、いつものめまいと少し違うように思った。右側の手足がしびれるのも気になった。しかし、しばらくイスに座っているとしびれは消えたので、そのまま仕事を続けた。
 Bさん(50)は朝、激しいめまいで起き上がれなかった。遊園地のコーヒーカップに乗っているような、ぐるぐる回っている感じがして、吐き気もある。自分はどうなってしまうのだろうという不安から、妻に急いで救急車を呼んでもらった。 疲れた時や急に立ち上がった時など、クラッとした経験はだれでもあるだろう。頭がふらつく「めまい」には、放っておくと命の危険があるものと、放っておいていいものとがある。年末が近づくにつれ忙しくなるが、そんな時でもすぐに対処しなくてはならないめまいは何か? 米山医院・米山公啓院長(医学博士)に聞いた。
■激しくても命に関わるとは限らない
 冒頭のAさんとBさんのケースだが、実はAさんは翌日、脳梗塞を起こして病院に救急搬送された。幸いなことに命は助かったが、右半身にマヒの異常が残ってしまった。
 「めまいには大きく分けて、脳に原因がある場合と、耳の三半規管に原因がある場合があります。Aさんは、めまいに加えてしびれも感じている。脳が原因のめまいの代表的なものは脳卒中ですが、これはめまいと同時に口元や手足のしびれ、ろれつが回らない、手足に力が入らないといった症状があります」
 脳に原因があるめまいにはほかに、動脈硬化で脳に血液が十分に送られず、体がふらついたり倒れたりする椎骨脳底動脈循環不全症、脳神経に腫瘍ができる聴神経腫瘍などだ。
■ポイントは「別の症状」
 また、脳卒中のひとつ、脳梗塞には、発作が10分前後で治まってしまうものもある。
 「一過性脳虚血発作です。頚動脈の辺りの血栓が飛んで脳内の細い血管が詰まり症状が生じるのですが、血栓はすぐに流れ、症状も消えます。放っておくと数カ月先に脳梗塞を起こす可能性が高くなります」
 めまいそのものはそれほどひどくない、あるいは消えてしまったが、同時にしびれなど別の症状があったら、何をおいても病院へ。
 一方、病院へ救急搬送された冒頭のBさんだが、診断は「良性発作性頭位めまい症」だった。
 「三半規管に何らかの問題が生じ、激しい回転性のめまいに襲われます。上を向いたり振り返ったときに目の前がグルグル回っているように感じ、人によっては寝込んでしまうこともあります。めまいの程度は非常にきついです」
 同じく激しいめまいでは、三半規管の神経がむくんで起こるメニエール病もある。
 「メニエール病は一般的に難聴を伴うといわれていますが、そうでないケースも多い。めまいと同時に強烈な吐き気に襲われることもあります」
 三半規管が原因のめまいは命に別状があるものではないが、めまいが消えるまで時間がかかるケースも少なくない。良性発作性頭位めまい症は、完治まで半年から1年。メニエール病は自然と治る場合と、治療しても長く引きずる場合とに分かれる。耳鼻咽喉科が専門になる。
 めまいを甘く見てはいけない。

 記事にもあるように脳が原因の危険なめまいと耳が原因のめまいがあります。
 喋りにくい、麻痺やしびれ、手足が動かしにくいなどいつもと違う症状がある場合、脳に原因の可能性があるため、すぐにお医者さんを受診しましょう。
 耳に原因があるケースとしては、「音が聞こえにくい」「耳鳴り」など聴覚に異常がある場合、メニエール病か突発性難聴で、聴覚に異常がない場合は、良性発作性頭位めまい症か前庭神経炎です。
 また、回転性と非回転性の分け方もありますが、症状の強さなどで回転性になったり回転性でなかったりします。回転性のめまいに多いのは耳が原因の場合が多くありますが、これだけで判断することは危険です。
 貧血や軽い血流障害でめまいが起こっていたり、原因がはっきりしたのになかなかよくならない場合は漢方薬などを併用するとよい場合がありますので、お気軽にご相談ください。


昭和堂薬局 | 2013年12月13日

 

アトピーの80%は皮膚のバリア機能に障害がある

 私たちの皮膚の一番外側には角層が存在していてバリアの働きをしています。その角層は角質細胞と角質細胞間脂質が重なってできています。アトピー性皮膚炎の方の80%に角層バリアが障害されており、いろいろな外からの刺激をバリアすることができずに角層を通過してしまいそれがタンパク質抗原(アレルゲン)になって、アレルギー反応が起こります。
 バリア構造タンパク質にフィラグリンというものが存在します。このフィラグリンが皮膚のバリア機能を決定するうえで重要な働きをしています。また、フィラグリンはいろいろな変化を経て、最終的に角層最上層で天然保水因子になり、皮膚の潤いを保ちます。
 アトピー性皮膚炎の方の20%くらいの方にフィラグリンの遺伝子が異常の方がいることがわかりました。この方たちは手のひらのしわか深いという特長があります。しかし、このフィラグリン遺伝子異常がある人すべてがアトピー性皮膚延になるわけではありませんが、尋常性魚鱗癬や喘息を併発して重症になる方がいらっしゃいます。
 フィラグリン遺伝子が正常な方でも、何らかの影響で皮膚のバリア機能が障害されアレルギーが起こるとアレルギーを誘導する免疫担当細胞が分泌するサイトカインというものが、フィラグリンの発現を抑制することもわかってきました。
 角層は外からの侵入物から体を守っている働きに加え、約30%の水分を含んでいて保湿機能があります。角層が障害されてしまうとこの水分が皮膚の外へどんどん蒸発してしまい皮膚が乾燥してさらに外からの刺激を受けやすくしているのです。
 アトピー性皮膚炎の方は外からの侵入物のブロックと皮膚に含んだ水分が逃げないようにブロックすることが大切になります。アトピー性皮膚炎の克服するためには体の中で起こっているアレルギーが起こってしまう体の傾きを改善していくと共に、スキンケアなどをしっかりしてできるだけ外からの刺激を受けにくくしていくと共に皮膚の水分の蒸発をできる限り少なくすることが非常に重要になります。
 以前「○○のしずく」という石鹸を使用した方の一部に小麦アレルギーが起こりました。これはこの製品の中の小麦加水分解物に皮膚のバリアが弱っている方が反応してしまい、体が小麦に対して抗体をつくってしまったことで、口からとった小麦に対してアレルギー反応が起こってしまったのです。アトピー性皮膚炎ではない方でも皮膚の乾燥がひどい方はスキンケアや皮膚を潤す漢方などで皮膚を正常に働かせて体を守りましょう。
 スキンケアの方法やどんなものが良いのかわからないという方は店頭にてご相談ください。


昭和堂薬局 | 2013年11月26日

 

タイプの違う二つのアトピー性皮膚炎

 一般的にアトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が障害され、細菌やタンパク質が皮膚を通じてアレルギーを誘導することはよく知られていますが、(外因性アトピーといいます。)アトピー性皮膚炎を患っている方の20%くらいの割合でバリア機能が正常の方がいらっしゃいます。このバリア機能が正常な方のアトピーを内因性アトピーといいます。
 外因性アトピーは皮膚のバリアが壊れたところから、抗原と呼ばれるタンパク質などが侵入して体の免疫機能が働いてIgEという抗体をつくりアレルギーが起こります。この時にT細胞という免疫担当細胞の中のTh2というT細胞が働いているのですが、内因性のアトピーは皮膚のバリア機能は障害されておらず、T細胞の中のTh1という細胞が働いています。これはある意味正反対の免疫反応が起こっているのです。
 外因性アトピーと内因性アトピーの特徴として外因性アトピーは乳幼児期から発症し、喘息や食物アレルギー、アレルギー性鼻炎などアトピー以外のアレルギーを合わせて持っている方が多くいらっしゃいます。
 それに対し内因性アトピーは他のアレルギーを発症しておらず、女性に多い特徴があり、金属に反応することが多く、アクセサリーのような非常に小さな金属にも反応している可能性があります。
 このようにアトピー性皮膚炎は二つの異なった免疫反応で起こっているので対応方法も違ってきます。また、外因性アトピーの中には遺伝子異常でバリア機能が障害される方もいらっしゃいます。重篤で難治性のアトピーの方は、この遺伝子異常の方が多いようです。この方たちの特徴として尋常性魚鱗癬を併発していることが多いようです。
 漢方薬で治療する場合は皮膚の状態などから漢方的にどうなっているか判断して、薬を選びます。外因性の方はバリア機能が障害されているのでスキンケアなども必要ですし、食事も改善する必要があります。
 一人ひとりに合った改善方法を考え、ご提案させていただいております。店頭にて気軽にご相談ください。


昭和堂薬局 | 2013年11月20日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。