『昭和堂薬局』

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便利なネットも使い方次第で…

2013年8月24日(土)の読売新聞に以下のような記事の掲載がありました。(記事一部抜粋)
~生徒に「ネット断食」合宿…来年度から依存対策~
 スマートフォンやパソコンに夢中になるあまり、健康や学業に支障をきたす「インターネット依存」の若者が増加していることを受け、政府が初の調査・研究に乗り出す方針であることが明らかになった。
 小学生から高校生までを主な対象に、一定の時間、インターネット環境から遠ざかる「ネット断食」を来年度から開催し、ネット依存の症状や処方箋を探る。
 ネット依存の若者の実態は、今月1日の厚生労働省研究班の調査で明らかになった。推計数によれば、ネットへの依存が強いとみられる中高生は全国で約51万8000人いるとされ、研究班は「依存が強くなると、昼夜を問わずに熱中して睡眠障害が起きたり、生活リズムが不規則になって栄養障害が起きたりする」などの弊害を指摘した。
 ~ネット依存による健康への主な影響~
 ・抑うつ症状
 ・昼夜を問わず熱中することによる睡眠障害
 ・不規則な食事による栄養失調
 ・引きこもりがちになり骨量や筋力が低下
 ・長時間同じ体制を取ることで血栓ができるエコノミークラス症候群
 パソコンやスマートフォンの普及によってインターネットが身近になったことは良い面もありますが、この記事にあるように健康面への影響も大きく、使い方次第で身体にとって負荷がかかることが懸念されています。このコラムを読んでいただいている画面も大変きれいに見えていると思いますが、目にかかる負担は大きなもので東洋医学上、目は肝に通じていて、肝は気の疏泄を主り、血を蔵すという役割を担っています。また、肝‐胆‐目‐筋‐風‐怒というつながりを持ち、パソコンやスマートフォンの画面を見過ぎることでイライラやキレやすくなったりすることを示しており、すべての人がそうではないのですが最近の人がキレやすくなっているのもパソコンやスマフォの使い過ぎがその一因なのかもしれません。
 インターネットの世界は調べものをしたり、SNSのように誰かとつながっていたいという願望を満たすには手っ取り早いツールであることは確かですが、そのせいで睡眠時間を削ったり、食事がおろそかになって体調を崩しては現実世界での生活を健康で充実したものにはできません。
 私が店頭で漢方相談を受けている際にもお客様がネットで得られた情報をお話してくださることがあり、非常に詳しく調べておられる方もお見受けします。その情報で反ってご自身の不安や症状を助長してしまう方が多いことも事実です。
 目にかかる負担を減らして安眠するためにも就寝1~2時間くらい前にはネットの世界から離れ、バランスのとれた食事を心がけることによって「ネット依存」にならないようにしたいですね。仕事柄どうしてもパソコンやスマートフォンの画面を見ることが多く、目の疲れが取れない方やイライラしやすい方には漢方薬で対応することができます。店頭でご相談ください。


昭和堂薬局 | 2013年8月27日

 

不妊治療は夫婦の足並みをそろえて

2013年7月31日の朝日新聞に男性不妊症について次のような掲載がありました。

~男性不妊症、手術で改善も。課題は少ない専門医~
 カップルの10組に1組は不妊症で、半分は男性側にも原因があるという。多くは精子をつくる機能に問題があり、一部は手術で改善できることが分かってきた。ただ、検査に消極的な男性が多いほか、男性不妊の専門医も少なく、治療へのハードルは高いようだ。
~精巣の手術後に自然妊娠~
 結婚して丸5年になる都内の男性会社員(33)は、妻(33)との間に8月、待望の第1子が生まれる。
 1年以上、子供ができず、2009年秋、不妊治療専門の婦人科クリニックを訪ねた。妻に異常はなく、男性も精液検査で、精子の運動率がやや悪いものの問題ないと言われた。
 医師の勧めで血行改善などの漢方薬を飲み始めたが、精子の状態は良くならなかった。精子を濃縮して子宮に注入する人工授精もうまくいかず、体外受精や卵子に針を刺して精子を注入する顕微授精を勧められた。ただ、採卵の妻の負担を考え、踏み切れなかった。
 そんな時、男性不妊外来があることを知り、受診した。触診した泌尿器科医に「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)ですね。手術で精子の改善が期待できます。」と言われた。(以下省略)

 この記事は男性不妊の一つである精索静脈瘤のケースで、男性も奥様と一緒に不妊治療に向き合っていたのではないかと想像されます。ただ記事にもある通り検査に消極的な男性が多いのも事実でしょう。
 私が店頭で子宝についての相談を受けている時に、夫婦間での子宝についての”温度差”を感じることがあります。ご主人が子宝や治療に対しやや消極的であったり、奥様が治療に一生懸命になりすぎているために、相対的にご主人側が消極的に見えてしまうケース、奥様があまりご主人を頼らない、頼れないケース…。
 仮に不妊の原因が明らかに”男性側にのみ”もしくは”女性側のみ”にあったとしても、子宝に恵まれるためには二人が手を取り合って”夫婦二人”で問題に向き合い、共有し、治療における大変さを互いに思いやる必要があると思います。
 現在の生殖医療は高度に発展を遂げており、今後さらに発展していくと考えられますが、その治療を受けるご夫婦の気持ちや精神状態のケアに関してはまだまだ不十分な点は否めません。治療のストレスは避けられないと思いますが、少しでもストレスや不安がなく治療を受けるために漢方薬を服用することも一つの方法だと思います。店頭で相談してみてはいかがでしょうか?


昭和堂薬局 | 2013年8月7日

 

不妊症の解説~子宮内膜症~

 子宮内膜症とは子宮内膜組織が何らかの原因で、本来あるべき子宮内膜以外の場所に発生し、その部位で内膜組織が増殖する疾患です。20~30代の女性で発症することが多く、そのピークは30~34歳にあるといわれており、女性ホルモンのひとつであるエストロゲン分泌が低下する40歳代後半から閉経に向って減少していきます。
 子宮内膜症は女性ホルモンの影響によって月経周期に合わせて増殖し、月経時の血液が排出されずに子宮内に残ってしまったり、周囲の組織と癒着を起こして様々な痛みをもたらしたりします。子宮内膜症の発症原因はまだはっきりとは解明されていませんが、現在いくつかの説あり、その諸説が混在して起こっているといわれています。
 しかし、共通していわれていることとして月経時の経血逆流が発症に関与することは間違いないと考えられています。
 月経がある女性の90%以上は月経血が逆流しているのですが、その人達すべてが子宮内膜症にはなりません。経血が逆流し、停滞したものは免疫が正常に働いていればナチュラルキラー細胞という免疫細胞が働き、取り除いてくれることが解ってきました。
 中医学的に子宮内膜症を考えると、その多くは”お血(血液の滞り)”か”痰飲(代謝し切れていない汚れた水)”であると考えています。(詳しくはトップページ⇒子宮内膜症をご参照ください。)
 簡単な表現をすると、何らかの原因があって生理時に”出さなくてはいけないもの”を出すことが 上手にできていない、ある種”もの持ちのいい方”とも言えます。 望んでそうしているわけではないのでしょうが、出すべきものを出せない原因を知ることが重要になります。
 例えばリラックスすることがなかなかできずにストレスをため込むタイプの方はそのストレスと共に本来出しきらなくてはならない血をため込んでしまったり、忙しすぎて疲れがたまっているような方は出すべきものを出す力が弱くなってしまい、その結果として出せない。冷えを増長するような生活習慣によって出さなくてはならないはずの痰飲を出せなくなっている…など様々な原因が考えられます。
 このような原因がどこから発生しているのか、様々な角度から詳らかにし不妊で悩んでおられるご夫婦のお手伝いをさせていただいております。
 子宮内膜症は女性の疾患であることは間違いありませんが不妊は夫婦二人、手を取り合って考えていく姿勢が重要です。
 その上で漢方薬や健康食品を用いて”しっかり出せる体”を作りましょう。


昭和堂薬局 | 2013年7月12日

 

腸内細菌のおはなし

 胎児は、通常無菌の状態で、母親の産道を通過する際に母体に共生している細菌さらされます。その後空気中の菌などの影響を受けながら、母乳によりビフィズス菌や乳酸桿菌の増殖が始まります。抗生物質の長期使用など特殊な要因がなければ、日々の変動があっても各個人で固有の腸内細菌叢が持続されます。人の常在細菌叢で最大のものが腸内細菌叢で、その菌数は成人で1014個、重さは1~2㎏にもなるといわれています。これら常在菌はヒトと密接な共生関係を形成しており、さまざまな生理機能の発現にも深くかかわっています。
 さらに腸内内容物の解析技術の進歩により、消化された食物、腸管に分泌された胆汁酸、腸内細菌の代謝産物などの情報も得られるようになり、哺乳類などが有さない酵素を腸内細菌が保有しており物質代謝を担うこと、異なる種の腸内細菌同士が栄養を供与し合いながら生存に適した環境形成をしていること、腸内細菌が腸管細胞に影響しホルモン産生を制御すること、逆に腸管から放出されるホルモンが細菌の増殖を促進、抑制することなどが明らかとなり、腸管は一つの独立した”代謝臓器”と理解されるようになってきました。
腸内細菌叢が体脂肪蓄積に影響する
 腸内細菌が食品中の難消化性糖類(食物繊維)を分解し、その最終産物である短鎖脂肪酸が腸管より吸収され、エネルギー源として利用されます。また、腸内細菌叢は脂肪合成酵素などを誘導し脂肪合成を亢進させるとともに脂肪分解を抑制し、体脂肪を増加させます。
腸内細菌叢の肥満の予防
 肥満の脂肪細胞は、余剰のエネルギーを脂質として蓄積しているだけでなく、軽度の炎症状態を呈しており、それがインスリン抵抗性、耐糖能異常を惹起することが明らかとなりました。この軽度の炎症は脂肪酸が原因物質となることが考えられてきましたが、この慢性炎症に対する腸内細菌叢の寄与が最近明らかになってきました。
 また、腸内細菌叢が消化管ホルモンの産生・分泌を介して食欲抑制、血糖調節に寄与しており、ビフィズス菌の増加はこれらホルモンの産生・分泌を増加させ肥満に抑制的に働いていることが示唆されています。
 このように腸内細菌や腸内環境がアレルギーはもとより肥満や糖尿病などの生活習慣病、最近ではうつなどの精神的な疾患にも関連することが解ってきました。
 様々な健康に関する情報の中でも盛んに善玉菌を増やし、疾患の予防や改善の報告がされています。しかし、完全に確立した方法はまだありません。日頃から発酵食品を摂るように心がけて善玉菌を増やし、腸内環境を整えましょう。
 食品から摂ることが難しい方は健康食品でフォローするのも一つの方法です。店頭にてご相談ください。


昭和堂薬局 | 2013年6月28日

 

「巷間される”アルカリ信仰” 栄養学的には意味なし」

 最近、極端な健康法に”もの申す”的な記事をよく見かけます。
 この産経新聞の記事もそうですが…
 基本的に生活習慣とくに食習慣は極端なことはせず、バランスが大切です。
 では、どんな内容か以下に紹介します。


 「アルカリ性食品は健康に良い」と言われることがありますが、明確な科学的根拠はありません。「体を健康に保つアルカリ性食品」「酸性食品を食べ過ぎると血液が酸性になって体に悪い」などと言われ、アルカリ性食品は体に良く、酸性食品は体に悪いというイメージがなんとなくありませんか? 本当ところはどうなのでしょう。
 レモンや梅干しのようなすっぱい味のするものは酸性食品と思われがちですが、それは味覚上のことです。
 「アルカリ性食品」・「酸性食品」の判定は、食品を燃やし、燃え残った灰(ミネラル分)を水に溶かして、その水溶液がアルカリ性か酸性を示すかで判定します。これは体内に取り入れた栄養素を、生理的に燃焼したあとに残ったミネラルが同様の反応を示すと考えられていることに基づきます。
 ■酸性食品、アルカリ性食品の分類
 測定の結果、以下のように分類されます。
 【酸性食品】
 穀類、肉、魚介類、卵、砂糖、チーズ、ビール、日本酒など
 酸性を示すミネラル⇒塩素、リン、硫黄など
 【アルカリ性食品】
 野菜、果物、海藻、きのこ類、大豆、ワインなど
 アルカリ性を示すミネラル⇒ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウムなど
 ■体に与える影響
 食品のアルカリ性・酸性は人体にどの様な影響を及ぼすのでしょう。酸性食品ばかり食べていると、血液は酸性になるのでしょうか?
 人間の血液のpHは7.35~7.45の弱アルカリ性に常に保たれています。これは、血液、呼吸器、腎臓などの働きによって体を常に正常な状態に保とうという機能(=恒常性)によるものです。恒常性は、気温の高低に関わらず、体温を一定に保つ機能と同じような仕組みになります。
 人間には、生命を維持するために防御・緩衝機能が備わっています。「酸性食品を食べ過ぎると血液が酸性になる」と言うことはありません。
 酸性食品に分類されている肉類を多く食べ過ぎると、コレステロ-ルや脂肪の摂り過ぎになることがありますが、酸性食品であることとは関係なく、これによって血液が酸性になることはありえません。
 栄養学的にみて、科学的根拠のない「アルカリ信仰」は、あまり意味があるとは思われません。
Q:アルカリイオン水は、健康にいいのですか?
A:高額な浄水器や飲料が販売されていますが、アルカリ性食品と酸性食品と同様に、医学的な効用はわかっていません。
 アルカリイオン水は電解水とも呼ばれ、水に電圧をかけてプラスイオンを持った分子をマイナス電極に集めて濃度を高めたものです。カルシウム、マグネシウムなどのイオンが増えるのでアルカリ性を示しますが、生理的な活性があるわけではありません。

 通常、極端な病的状態でない限り、血液が一時的に酸性やアルカリ性になっても元に戻ります。
 ただし、この記事で言っている「酸性食品」ばかりを食べていると、アルカリ性・酸性という意味ではなく栄養のバランスが悪くなりますので、「アルカリ性食品」も積極的に摂っていく必要があります。


昭和堂薬局 | 2013年6月19日

 

不妊症の解説~高プロラクチン血症~

プロラクチンとは脳下垂体から分泌されるホルモンの一つで、乳腺刺激ホルモンとも呼ばれ、通常は妊娠~分娩後授乳期間中に乳腺を刺激して乳汁分泌を促し、また排卵を抑えるように働きます。しかし、このホルモンの分泌が妊娠していない時も異常に亢進して、無月経・無排卵月経・乳汁分泌(男性では、精力低下・女性化乳房)などを引き起こします。このようなものを高プロラクチン血症といいます。このことから高プロラクチン血症は不妊症の原因の一つと考えられています。
 プロラクチン値は日内変動(夜間高く、日中低い)するため値が正常な範囲の人でも、夜間に正常範囲を超えている場合があります。これを潜在性高プロラクチン血症といい、排卵障害や黄体不全の原因になります。
 中医学的に高プロラクチン血症を考えると、その原因の多くはストレスであり肝気欝結(かんきうっけつ)の状態を呈すると考えています。(詳しくはトップページ⇒不妊症~高プロラクチン血症~をご参照ください。)
 婦人科から高プロラクチン血症といわれた不妊に悩むお客様と店頭で接していると、実際にストレスを感じている方もみられるのですが、元々の性格として”気遣い屋さん”が多いように感じられます。
 気遣いができることは素晴らしいことだと思いますが、別の表現をするとストレスへの感受性が高く、我慢強いと言うこともできます。
 本人はそれが当たり前になっていて、気を遣っているようには思っていないのかもしれませんが、体は正直に反応してしまい、この結果としてプロラクチン値が上がっているケースもあると思われます。
 性格を変えることはできませんが、周囲の方々には打ち明けにくいことでも私達に話すことによって少しでも楽になっていただけたら…その上で、漢方薬や健康食品を用いて、あなたの気が付かないうちに抱えてしまっているストレスからくるホルモンバランスの乱れを様々な角度から補正するお手伝いをしています。


昭和堂薬局 | 2013年5月29日

 

元宝塚ジェンヌの女優45歳が心筋梗塞で入院

 「元宝塚ジェンヌの女優45歳が心筋梗塞で入院」と報道されました。
 心筋梗塞や脳梗塞などの血管病は、本来であればこの年代の女性において少ないはずであり、この女優の45歳という年齢では心筋梗塞にはあまり罹らない。これは女性がエストロゲン(卵胞ホルモン)で守られているためです。しかし、閉経後増加し70歳以降では男性のエストロゲン分泌レベルに近づいていきます。
 では、この女優はこの年齢でなぜ心筋梗塞になってしまったのでしょうか?
 考えられることは、強いストレスや女性ホルモンを分泌低下などが考えられます。女性の更年期は45歳~55歳であることを考えると、そろそろ女性ホルモンの分泌が不安定になってくる時期でもあります。女性ホルモンの分泌が低下すると脳の視床下部に影響して自律神経系に影響します。この結果としてストレスにも弱くなってくるのです。
 このことに関連するコホート研究が、2009年に独立行政法人国立がん研究センターより紹介されています。この研究は岩手県、秋田県、長野県、沖縄県の40歳~59歳の男女4万人を11年間追跡調査で、食事調査を含む生活習慣のアンケート調査から心筋梗塞・脳梗塞との関連を調査したもので、「大豆をよく食べる女性グループは脳梗塞・心筋梗塞のリスクが低下」という結果が示されています。さらに、この研究では、大豆製品の摂取量からイソフラボンの摂取量を算出し、イソフラボンの摂取が、日本人の女性、特に閉経後の女性で脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを低減させることを示しました。一方、男性では同様の結果は得られなかったようです。
 女性にとって、特に閉経以降の女性にはイソフラボンの力を借りるといいですね。


昭和堂薬局 | 2013年5月13日

 

排卵障害と食

 不妊症で原因が女性にある場合、多いとされる病因は卵管因子と内分泌因子の異常であり、その中でも内分泌因子の異常で排卵障害が起こされています。最近は、食生活の変化が内分泌に影響し排卵障害が起きているとも言われています。
 排卵障害を起こすものとしては、高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群、副腎機能障害、甲状腺機能障害、体重減少性無月経、肥満、下垂体性無月経、黄体機能不全、黄体化非破裂卵胞などがあります。
 これらのうち原因となる疾患や薬剤がある場合を省くと、食との関わりが多くあるように思います。例えば、多嚢胞性卵巣症候群は肥満やインスリン抵抗性(インスリンという糖代謝に関係するものがうまく働かない状態)との因果関係が指摘されていることを考えると、現代の高脂肪食が関係している可能性があり、黄体化非破裂卵胞と慢性炎症の因果関係でも同じように高脂肪食が関係している可能性が考えられます。
 近年、慢性炎症と肥満やインスリン抵抗性の関係が解ってきています。この原因の一つには高脂肪食があり、高脂肪食を摂り続けることによる体に対する影響として腸内環境が悪くなることもわかっています。その腸内環境が脳に影響するとも言われ始めていることから、メンタル面にも影響がある可能性があります。
 障害が出てしまっている状態では、食を変えてもすぐには改善されないかもしれませんが、これ以上状況を悪くしない為に食の見直しは必要なことだと思います。
 以前から当コラムで食養生についていろいろと書いておりますので、参考にしてみてください。また、漢方やサプリメントを上手に利用することも改善への近道になりますので、店頭にてご相談ください。


昭和堂薬局 | 2013年5月8日

 

最近、テレビや本などで話題になっている腸内環境

 最近、テレビや本などで話題になっている腸内環境
 なぜ今腸内環境なのか…
 一昔前までは、腸内細菌を解析する場合、人の便を採取し細菌を培養するしか解析方法がありませんでした。しかし解析技術の進歩で飛躍的に腸内細菌の解析ができるようになったことで、腸内細菌が私たちの体に様々な影響を及ぼしていることが判ってきました。
 腸内細菌は人の腸内におよそ1014個存在し、重さにすると1~2㎏にも及びます。腸内細菌は私たちが消化できない物を分解し私たちの体に栄養素を供給してくれます。また、有害物質の分解や外部から侵入してくる病原菌を増殖しないようにしてくれたり、消化管の上皮細胞の分化誘導をして消化管の機能の恒常性を保とうとしています。
 人の腸内細菌叢は年齢や食事などの生活環境によって個人差があり人によって様々です。しかし、この腸内細菌の構成が病気を誘発したり、逆に病気を防いだりすることが判ってきました。例えば炎症性腸炎、肥満、癌、自己免疫性疾患、アレルギーなど多くの病気と関係していたのです。この事実で多くの研究者が腸内細菌叢に注目し、新しい事実が次々に解明されています。
 正しい表現ではありませんが、大まかにいうと善玉菌を多くして悪玉菌を減らすことにより腸内環境を良くすることができます。しかし、悪玉菌や日和見菌の必要がないわけではなく、これらの菌も免疫細胞の誘導などを行って我々の体に影響を及ぼしています。例えば最近問題になることの多い食物アレルギーですが、本来人間は食物のような体に無害なものには免疫が働かない仕組みがあるため食べ物では免疫反応は起こらないはずです。しかし食物アレルギーがある場合は免疫反応が起こってしまうのです。
 体に無害なものに反応しないようにするためにはTreg細胞(免疫細胞の一つ)を誘導する必要があり、この誘導に悪玉菌と呼ばれているクロストリジウム属が働いていることが判っています。このように”悪”と名がついていても体にとって必要不可欠なこともしているのです。
 健康でいるためには腸内環境を良い状態にしておく必要があります。善玉菌と悪玉菌は常に勢力争いを繰り広げており、相手の勢力を奪おうと虎視眈々と互いの勢力を狙っています。ストレスが多かったり、肉を多く食べ過ぎていたりすると悪玉菌が優勢になります。野菜を多く摂り日本の伝統食である発酵食品やヨーグルトなどを摂ると善玉菌が増えてくれます。最近の食環境はどちらかというと悪玉菌に加勢しており、ストレスも善玉菌を減らす傾向にありますので注意が必要です。



昭和堂薬局 | 2013年4月10日

 

不妊症の解説~排卵編~

 排卵の障害は、主に内分泌因子の障害を現しています。
 内分泌因子とは脳の視床下部から下垂体へ、また下垂体から卵巣へ、卵巣の卵胞や黄体から女性ホルモンの分泌という流れのことで、内分泌因子の障害とは、この流れのどこかが障害を受けてうまくホルモンが分泌しないことです。
 当店の子宝相談で多い質問から紹介し、解説します。

Q:基礎体温が2相性になっているので正常ですか?
周期が28日±7日以内、月経が3日から7日、低温期と高温期の差が0.3から0.5℃、高温期が11日以上あれば正常で、低温期の最後の時期に頸管粘液(おりもの)が多くなり、粘度がサラサラになっていればほぼ正常といえます。

Q:体温が下がった日が排卵日ですか?
排卵日を特定する場合は、体温の陥落日、最低温日、高温相の初日などがありますが、最も一致する確率が高いのは低温相の最後の日ですが、一致する率は60%程度といわれていますし、基礎体温表を後から見ればわかりますが、その日が最終日かを予測することは難しいです。ただ毎月ほぼ一定しているような方は、ある程度予測はできますが、正確には排卵チェックキットを使ったほうがよいでしょう。また、頸管粘液の様子をチェックしてもおおよその予測はつきます。

Q:妊娠していないのに母乳が出るのですが?
高プロラクチン血症の可能性があります。プロラクチンは下垂体前葉ホルモンの1つで、乳管への乳汁分泌作用と性腺抑制作用があります。性腺とは女性の場合卵巣の機能のことで排卵やホルモン分泌機能を指します。性腺抑制作用とは排卵やホルモン分泌を抑制することです。この原因を婦人科で検査する必要があります。最近、大変多いと感じている症状で、原因がわからないケースも多くみられます。

Q:黄体機能不全とは?
黄体ホルモンの分泌が安定していなく、基礎体温では高温を維持できなくて陥落していたり、高温期が10日未満だったりします。この場合は子宮内膜がうまく肥厚しないために着床障害を起こす原因になります。

これら以外にもいろいろなケースがありますが、代表的なものをご紹介しました。


昭和堂薬局 | 2013年4月23日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。