『昭和堂薬局』

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昭和堂薬局がお勧めする病気にならない食事№4

 私たちの周りに、偽物が多くなっています。
 安くする為に、安くできる代替食品。私たちは生きていく為に食事をしますが、その中に知らず知らずに、体をむしばむ偽物の食べ物が増えていたら…。
 消費者は安いものを求め、企業は安く売れて採算がとれるものを開発する時代。自然で、手間のかかる本物は、高くて売れない。
 私たちの体は、食べ物からつくられています。そこに不自然な食べ物が入ることで、知らず知らずに健康を害するものが体に入って健康を害していたのなら…


 安くてたっぷり使いたい
 「安いのをたっぷり」が現代人の病気のもと
 とろんと溶けた様子は本物そっくり。味はやや淡白だが、じっくり味わわないと違いに気付かない程度だった。
二〇〇八年、メーカー数社が発売し、外食や加工食品で需要が伸びたという”代替チーズ”を試食してみた。主原料は植物油脂。値上げされたチーズより、二,三割安いのが売りだ。
「コンビニなどから『値上げしたチーズをサンドイッチの具材から外したい』という話が出た。これまで通り、たっぷり使ってもらえるように代替品を開発しました」と、あるメーカーの広報は言う。
 手ごろな”代替品”があれば、いつでもたっぷり食べられる。そんなニーズに応えた食品は、見慣れた中にもある。
 マーガリンも、もともとは「人造バター」と呼ばれた代替品。最近では、さらに安価な「ファットスプレッド」(マーガリンより水分量が多い)が売り場を占める。
 生クリームの半値のホイップクリームも主原料は植物油脂。アイスクリームの約五分の一で買える「ラクトアイス」も、主原料は糖類と植物油脂だ。
 ”本物”なら時々しか買わないものも、これなら買い物かごに二、三個入れられることになる。
 「和食を基本に。でも、サラダを食べるならシソ油がいい。アレルギーを抑える『α(アルファ)-リノレン酸』が豊富ですから」
 山口県の下関中央病院。1万人以上のアレルギー患者を診てきた医師永田良隆(68)が、アトピー性皮膚炎の子どもの母親に油の使い方を説明していた。
 一般の植物性に多い「リノール酸」は体に必要なものだが、摂り過ぎはアレルギー性疾患やがん、動脈硬化などの原因になると指摘される。
 「でも先生、シソ油って高いですよね」
 「『安いのをたっぷり』が現代人の病気のもと。『良いものを控えめに』でいけば、生活習慣病にもならないですよ」
 外来が終わり、永田はこう振り返った。
 「昔、油は高価だった。私は子ども時代を佐賀県の唐津で過ごしましたが、天ぷらは『おくんち』のごちそうだったと、よく覚えています」
 小売物価統計(東京都区部)を参考に試算すると、永田が二十歳だった1960年、食用油一リットルは米二キロ分とほぼ同じ価格。今で言えば、油一リットルが約千円することになるが、実際、昨年の油は一リットル約三百五十円。多用しやすくなった結果、加工食品を含めて一人が食べる植物油脂量も、六〇年の約四倍に膨らんでいる。
 地元で取れた菜種を低温で焙煎、プレスすると、琥珀色の油が滴る。
 福岡県築上町では今、昔ながらの菜種油づくりが復活している。〇八年に取れた油は、「幅二十メートルの五十メートルプール」と同じ面積(十アール)の畑当たりで約九十リットル。
 一方、大量生産の食用油では、同量の菜種からより多くの油を搾れるよう、高温焙煎したり、溶剤のヘキサンを使ったりする方法が一般的だ。
製法が違えば、価格も変わる。最近の菜種油の相場は、一リットル換算で約二百三十円。築上町の菜種油は一リットル千円だが、「香りがよくておいしいと好評で、大事に使ってもらっている」(生産している湊営農協組合)。
 六〇年以降、急速に原料輸入が拡大した植物油脂は、いまや自給率3%。「良いものを控えめに」という食べ方は、菜種畑の風景とともに、私たちの心から消えていったのかもしれない。

 これは、西日本新聞(価格の向こう側)の抜粋です。
 私達は、安い物を求めることで、本物を忘れかけています。
 食事は、”命をいただく”と言うことです。生きていくための体に、自然界にはないような物から命がいただけるでしょうか?
 本物を知り、健康的な生活が送れるように、もう一度食について、考える時期に来ているのかも知れません。


昭和堂薬局 | 2010年8月31日

 

世界保健機関(WHO)が、抗生物質適切使用を、新型耐性菌で初勧告

 ほとんどの抗生物質が効かない新型耐性菌が問題になってします。
 この問題に対し、WHOは抗生物質の安易な使用が耐性菌の発生につながることから、各国に抗生物質の適切な使用など対策を講じるように初めて勧告をした。
 耐性菌については、私が大学を卒業し病院勤務をしていたころには騒がれていたので二十数年前(もっと前かも)からありました。耐性菌が出ると新しい抗生物質が開発され、一時はいいのですが、また新しい耐性菌が出るという事を繰り返しています。
 細菌は自分の身を守るために抗生物質が効かないように自分の形を少し変えます。これが耐性です。安易に抗生物質を使うことで耐性ができやすい状態にします。特に日本では、風邪の二次感染予防など感染が確認されていない時や感染の可能性が低いような時でも抗生物質を使う事が多く世界の中でもその使用量はかなり多くなっています。
 また一方では、無菌加工品や過剰な除菌により世の中がきれいになり過ぎて人の抵抗力(免疫力)が必要なくなり、細菌に対する力が弱くなったことや過剰なストレスにより免疫の低下が起こったことも人間を弱くしていると思います。
 では私達ができることは何でしょうか?
 手洗いうがいという事も大事でしょうが、適度な運動と栄養バランスに優れた日本の伝統食を心がけると腸内環境が良い状態になり、抵抗力が上がります。
 腸管免疫は全体の60%を占めているので、非常に重要です。善玉菌を増やし悪玉菌を減らし、便通を良くするように心がけましょう。(肉の摂りすぎや野菜不足は腸内環境を悪くし、便秘の原因です。)
 人間の歴史の中で感染症(チフスなど)の大流行で多くの人の命が失われ、その救世主である抗生物質に助けられてきたことも事実です。しかし、抗生物質は万能薬ではないので適切な使い方が必要なのです。


昭和堂薬局 | 2010年8月25日

 

食育について

 「食育」とは、国民一人一人が、生涯を通じた健全な食生活の実現、食文化の継承、健康の確保等が図れるよう、自らの食について考える習慣や食に関する様々な知識と食を選択する判断力を楽しく身に付けるための学習等の取組みを指します。
 (財)食生活情報サービスセンターのホームページ記述です。
 食育基本法は、平成17年6月10日に成立し、その後、食品関連企業が食育についていろいろな活動をしているようですが、「あれ?それが日本の食育?」と思いたくなる事もあります。
 食育についての私の解釈は、欧米食が日本に入ってきたことで脂質が過剰になり、肥満や糖尿病などいわゆる生活習慣病が問題になってきたことで、日本の伝統食をもう一度見直すために言われていることだと思っています。
 日本の生産者が苦労して作った食材が家庭に届き、その食材で食事をつくり、私たちがそれを食べるという流れを中心に、食生活の重要性を学ぶことだと思います。
 健康相談に来る人たちの食生活を聞いて驚くことは、食べられて空腹が満たされればなんでもいいのかなと思うような食べ物が普通に食べられていて、良くない食事だと思っていないことです。病気を治すのに食事と生活習慣の改善は非常に重要です。例えば、アトピーを漢方で良くしようとした時、食生活が乱れていると良くならないことを経験してきました。
 中医学(漢方)では、人間は自然界からの影響を受けて生きていると考えます。ですから、季節や食べ物の影響を向けて成長してきているのです。南育ちの人は南国の食べ物、北育ちの人は北国の食べ物が一番体に合うのです。日本人は日本の伝統食がいいのです。
 日本での食育とは日本の伝統食だと私は思います。ご飯とみそ汁、焼き魚に海苔や納豆、お新香、酢の物などなど日本の伝統的な食事がいいですね。
 しかし、フランス料理やイタリア料理を食べてはいけないと言っているのではなく、日本の伝統食を中心に食すことが日本人には良いと思っているのです。
 今、好んで食べているものが本当に良いのか考えてみてください。日本には日本の、夏には夏の、冬には冬の食べ物があり、夏野菜は体を冷やし、冬野菜は体を温めます。
 こんな事を参考に食を見つめてみると見えてくるのではないでしょうか、意識してみてください。日本の伝統食。



昭和堂薬局 | 2010年8月17日

 

日本人は”植物性”がお好き?

 日本人は「植物性」という言葉に対し、健康に良いというイメージがあるようです。
 過去には、植物油から作られたマーガリンが代表的ですが、これについては以前のコラムに書いたように、トランス脂肪がたくさん含まれます。植物性ということで医師が薦めていた時代があったくらいです。
 最近では、植物性乳酸菌。乳酸菌とは糖から乳酸をつくる菌のことで、植物性乳酸菌ラブレとはラクトバチルス・ブレビスという菌で、漬物のほか人や動物の腸など自然界に広く棲息する菌種です。ラブレがたまたま京漬物から発見されたので植物性と言われたにすぎないのです。そして大ヒット。
 私もそうですが、健康に良い食事について話す時、必ず野菜を摂るようにすすめています。
 野菜を摂るという事と、植物性の油や乳酸菌を摂るという事は話が違います。その事を日本人は勘違いしているのです。
 しかし、植物性乳酸菌が体に良くないと言っているのではありません。植物性と言うだけで体に良いとイメージすることが良くないのです。
 油についても言えることで、紅花油・コーン油など植物性の油=体に良いではないのです。
 油には大きく分けると飽和脂肪酸(バター・ラード・牛などの脂・ココナッツオイルなど)と不飽和脂肪酸があります。不飽和脂肪酸には一価不飽和脂肪酸(オメガ9:オリーブ油やキャノーラ油など)と多価不飽和脂肪酸があり、さらに多価不飽和脂肪酸はオメガ6(紅花油・コーン油・大豆油など)とオメガ3(フラックスオイル・シソ油・青背の魚油など)に分けられます。
 現代人は欧米食が多く、特にオメガ6系の油を多く取る傾向にあります。オメガ3とオメガ6の比が1:1~4が理想ですが、現代人は1:10~50と言われます。
 この二つの油は細胞膜を構成し、柔らかさと固さを調整しています。ですからこの比が崩れ、オメガ6が多くなると細胞は固くなります。オメガ3とオメガ6は拮抗関係にあり、この二つからできてくる物質もオメガ3系は炎症抑制・血栓抑制・血管拡張にオメガ6系は炎症促進・血栓促進・血液を固めるように働きます。バランス良く1:1~4で摂れていれば問題ありませんが、オメガ3とオメガ6を1:10~50で摂ることで炎症系の病気が増えているのです。
 このように植物性と言うだけで油を選ぶことはいけません。油の正しい摂り方を簡単に言うと、炒め物など火を使う油はオメガ9、ドレッシングなど生で使う油はオメガ3、オメガ6は自然に摂れてしまうので極力減らすと良い比になります。
 植物性の物がすべて健康に良い物ではありませんからそのイメージは捨てるべきです。植物性に惑わされることなく正しい認識を持ちましょう。


昭和堂薬局 | 2010年8月10日

 

米の「亜糊粉層」、心臓血管疾患予防に効果(読売新聞)

 和食や玄米・分搗き(ぶづき)米を食すよう、これまで店頭やコラムで薦めてきました。
 お米は精米度により、籾米→玄米→1分搗き→3分搗き→5分→7分→白米と変化していきます。玄米の食物繊維を1とすると白米は0.3、他のビタミンやミネラルなどの栄養素も3分の1くらいに削り落されてしまいます。(外側の糊粉層の方が栄養素が多いと言われているのでもっと少ないかもしれません)
 玄米食もいいのですが、よく噛んで食べないと消化によくない上あまり美味しくないのです。この点、食べやすい分搗き米なら普通に炊け、栄養素もしかり残っています。 そしてついに、玄米・分搗き米の良さが栄養価以外にも科学的に証明されました。


高血圧 原因ホルモン活動抑制
 白米とぬかの間にあり、精米によって失われてしまう「亜糊粉層」に、動脈硬化などの心臓血管疾患を予防する効果があるという研究が、4月に米国の実験生物学会で発表された。研究論文が科学雑誌に掲載されるなど、注目が集まっている。
 和歌山県立医科大の宇都宮洋才准教授(細胞生物学)や和歌山高専の奥野祥治助教(工学)、米ペンシルベニア州立テンプル大の江口暁准教授ら研究グループが2008年頃から、栄養価が極めて高く風味が豊かな組織層「亜糊粉層」で研究を始めた。高血圧や動脈硬化などの原因となるホルモンの一種「アンジオテンシン2」に着目。生後12週間のラットの胸部大動脈から培養した細胞を、亜糊粉層成分を抽出した液に加えたものと加えなかったもので比較。亜糊粉層成分がアンジオテンシン2の活動を抑制する作用があることを初めて確認した。
 亜糊粉層は玄米や胚芽米では残っているが、通常の精米による白米では大半が失われる。今後は治療薬などの可能性も研究するという。宇都宮准教授は「米食は健康に良いと言われるが、その根拠を科学的に明らかにして消費拡大につなげたい。精米技術も日々向上しており、亜糊粉層が残るような方法も推奨したい」としている。
 日本食生活指導センターの野々村瑞穂会長の話「米には未知数の可能性があり、日本の食文化が見直されていくのではないでしょうか。玄米は消化があまりよくないので、白米で採れればなおのこと良い」
(2010年8月2日 読売新聞)

 私の友人のお米屋さんに聞くと、最近の精米はより白い米にするため削りを多くし、昔は残っていた亜糊粉層まで削ってしまっているものが多く見られるそうです。
 そのお米屋さんが取引している大学病院でも入院食に分搗き米を使うことになったそうです。
 いろいろな分野で注目されている米の栄養価。毎日でなくていいので玄米や分搗き米を取り入れてみませんか。



昭和堂薬局 | 2010年8月3日


横浜ポルタ内にある漢方薬局。あなたの健康な体を取り戻すお手伝いを致します。