そろそろ花粉の飛散する時期になりました。今年のスギ花粉は例年の10~8.5倍の飛敬量だと言われています。
一昔前は花粉症の時期になると漢方相談に訪れる人が多くいましたが、最近ではずいぶんと少なくなったように思います。病院の薬や市販の薬(病院の薬と同じ成分のものが市販化されたものもあります)を服用して、花粉の飛散する3ヶ月ぐらい我慢すればよいと思う人が多いからかもしれません。しかし,西洋薬では症状を抑えられても花粉症という病気を治すことにはなりません。
では漢方薬ではどうでしょう。漢方(東洋医学)では、鼻水・鼻づまり・目のかゆみなど花粉症の症状の原因を体のバランスの傾きと捉えます。そしてその傾き具合を調べ、体の傾きを整えたり、花粉症の発症のきっかけ(邪)を取り除いたりします。体の傾きを整えるということは、体質を変えることでもあります。2,3ヶ月では体質を変えられませんから、花粉の季節が終わってもしばらくは漢方薬を飲み続ける必要があります。また花粉の時期においても西洋薬のように症状を抑え込むのではなく、症状を楽にします。その代わり副作用はあまりないのが利点です。
花粉症の体質改善には、漢方薬の服用と同時に食事や生活環境の改善も重要です。例えば食事の改善では、体に余分な熱や湿を生み出す脂っこい食べ物を少なくしましょう。それから腸内環境を整え、炎症をとり、精神を安定させる野菜を多く摂ることが大事です。生活環境の改善では、免疫力に悪影響を及ぼすストレスを溜めないようにしましょう。睡眠不足は体のバランスを整えようとする恒常性維持機能を落としますから、睡眠を十分とることも大切です。
最近、国民病ともなってきた花粉症、辛い時期は短いですが体のために真剣に対処法を考えてみてください。