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ぜんそく悪化の仕組みが解明

産経新聞に筑波大教授らによって抗生物質の服用によって腸内のバランスが崩れ、ぜんそくが悪化するメカニズムを解明したとの報道がありました。
以下記事抜粋
■新たな治療法開発に期待
 細菌感染症の治療に使われる抗生物質の影響で腸内にカビの一種が増殖し、腸内細菌のバランスが崩れてぜんそくを悪化させるメカニズムを、マウスを使った実験で解明したと筑波大の渋谷彰教授らの研究チームが米科学誌電子版に発表した。
 15日付の米科学誌「セル・ホスト・アンド・マイクローブ」電子版などによると、実験では抗生物質を投与したマウスに原因物質を吸入させてぜんそくを発症させたところ、抗生物質を投与しないマウスと比べて気管支の炎症が悪化した。
 炎症が悪化したマウスの腸管内を調べると、カビの一種「カンジダ」という悪玉菌が増殖する一方で、乳酸菌などの善玉菌が減少。さらに、カンジダの作り出す物質「プロスタグランジンE2」が増加し、ぜんそくを悪化させる様子を確認したという。
 実験では、カンジダの増殖を抑制する薬剤やプロスタグランジンE2を作らないようにする薬剤などを投与すると、マウスのぜんそくの症状が改善されるという結果も得られた。
 渋谷教授は「腸内細菌のバランスが乱れることによってアレルギーが悪化する患者もいると考えている。新しいアレルギー治療が可能になるのではないか」と話し、ぜんそくの新たな治療法の開発につながるとしている。

 これはマウスに抗生物質を投与し、抗生物質が効かない真菌が腸内で増殖したことでぜんそくが悪化する生体反応の詳細が解ったというものです。
 以前より腸内細菌のバランスが崩れることによりぜんそくなどのアレルギーが悪化することは解っていました。抗生物質の投与に限らず、ストレスや食事の乱れなどで腸内細菌は変化します。(多くは善玉菌が減り、腸内環境が悪化した状態になります。)
 これによってアレルギーを誘発したり、アレルギー症状を悪化させたりするのです。今回の発表では、抗真菌剤の投与やプロスタグランジンE2阻害剤、M2マクロファージ活性化阻害剤を投与するなど、新しい発想のアレルギー治療方法になり得ると述べています。
 いろいろな生活環境など腸内環境以外にも様々なことが原因でアレルギーは起こりますが、腸内環境を整えることによりアレルギーが改善することも解っています。新薬に頼るだけでなく、自分でできる予防や緩和方法があることを再確認していただければと思います。


昭和堂薬局 | 2014年1月20日


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