『昭和堂薬局』

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冬の養生 その二

 

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 前回、“冬は平静に落ち着いて過ごす”とお話しました。
 12月は忘年会やクリスマスなどの行事も多くなります。本来、冬は人間を含め多くの動物が、エネルギーをしっかりと蓄える“収蔵”という季節にあたります。
 気や精といった身体にとって必要なエネルギーを消耗しないようにし、しっかり元気を蓄える季節なのです。しかし年末年始はイベントが多く、不摂生をしがちになります。不摂生で体力を消耗すると、寒く厳しい季節である冬に体が適応できず風邪などの感染症にかかりやすくなります。また、冬のこの時期にエネルギーを蓄えておかないと、立春を過ぎたころ温病にかかるとされています。温病とはインフルエンザなどの感染力の強い病気を指します。

 

 また、冬は精を必要以上に漏らさないような生活を心がけなくてはいけません。冬は暖房のかけ過ぎなどで汗をかくことにより精を漏らしてしまいます。夜遅くまで起きているだけでも精を消耗しています。夜遅くまでお酒を飲んでいると、体が必要以上に温まり、やはり汗までかかなくても皮膚はゆるみ、精を漏らしていることになります。そのため、立春の頃に高熱の出る風邪を引きやすく、また精を漏らしているために抵抗力は落ち、免疫力は落ちます。
 昔の方に比べ「栄養」状態は良くなりましたが、私たち現代人は「営養」をしていない生活を送っています。

 

※営養:語源は中国に原典があり、「営食養生」という言葉で、「食を営めば生命が養われる」との意味があります。
栄養:富国強兵が叫ばれていた時代の背景を受け、「食を栄え」さすことで国民を「養い」、体力を向上させようとの狙いから作られた言葉。中国では今も「営養」であって「栄養」ではないそうです。

 

 夜遅くまで起きていることが、精を漏らすことにつながります。冬は日が短く、夜が長くなります。そのため、早く寝て、遅く起きるという夜の長さに合わせた生活が健康につながります。
 師走で忙しい季節ですが、忘年会などは極力早めに切り上げて過ごす生活が良いでしょう。

 


昭和堂薬局 | 2014年12月5日


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