『昭和堂薬局』

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日本人間ドック協会が血液検査の新しい基準を発表しました。

その中で、男性の中性脂肪や女性のコレステロールの基準値の範囲が広がりました。
 特に女性のコレステロール値は年齢別に基準値を広げています。女性は閉経により女性ホルモンを卵巣でほとんど作らなくなるために、必然的にコレステロールが上がってしまい、閉経後の女性の半数以上が以前の基準値では正常範囲を超えていました。
 以前のコラムで書きましたが、コレステロール値が高めの人の方が脳卒中の羅漢率が少ないことが報告されています。
 また、コレステロールはホルモンの材料となるため、過度に下げてしまうことによる弊害も出てきてしまう可能性があるのです。このように年齢や性差を考慮して基準値を作ることが重要なのではないかと思います。本来は個人差もあるものです。その方の生活習慣や食生活などを考慮して判断していくものなのに、医療機関では多くの患者さんを相手にしているために範囲を設けているに過ぎないのではないかと思ってしまいます。
 近年、血圧や血糖値の基準値がどんどん下がってきたことを考えると、今回の新基準は非常に意味のあることだと思っています。ある意味で医師と製薬メーカーの関係を断ち切ったことのようにも思える発表です。東海大学医学部名誉教授である大櫛陽一氏が、”性別・年齢別の正しい正常値”と題して日本総合健診医学会において発表した数値を参考の一つとしてみるのも良いかもしれません。
 このように医療機関や製薬メーカーのためではなく、幅広い年齢層や男女差も考慮され、結果として私たち日本人全体のためになる新基準が出てくることを望んでいます。


昭和堂薬局 | 2014年4月11日


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