妊娠した人の約15%に流産の経験があります。流産は決してまれなものではないのです。また、2回以上流産を繰り返すと不育症を疑って検査するようになってきました。不育症は、はっきりした原因のあるものではありません。検査は不育症のリスクを調べています。検査をした中で、65%の人は異常が見つからないのです。たまたま染色体異常が2回続いたケースが多いと考えられていて、その後妊娠して無事に出産する人が80%いると言われています。そのご夫婦にとっては大変な事件なのですが、余り気にしない方が結果はよくなります。最近、体外受精の場合などは、着床前検査を行って染色体異常がないことを確認してから移植するケースもあるようです。
中医学では、妊娠12週以内に胎児が自然に死亡するものを「堕胎(だたい)」といい、妊娠12~28週内で、胎児の体が形成されたものが自然死するものを「小産」または「半産」と言います。西洋医学の「早期流産」、「後期流産」です。これらの流産を3回以上繰り返すものを「滑胎(かつたい)」と言います。これは「習慣性流産」のことです。
中医学的な症候分析では、「腎」という臓が生殖を主っており、その腎の力が先天的に不足していたり、何らかの原因により腎の力が損傷したために、胎を保護したりつなぎ止めておくことができなくなる。また、脾(胃腸)が虚していて、胎を栄養したり、エネルギー不足でとどめておくことができないために流産してしまいます。
中医学的な治療は、補腎益脾です。(鹿茸・菟絲子などを中心に)
補腎は、妊娠にもかかわっているため、より良い卵子・受精卵が得られれば胎の状態もよく妊娠維持もしやすくなります。また、流産を繰り返したことによるストレスも考慮し漢方方剤を選ぶと更によいと思われます。
当店にも流産後、妊娠希望で漢方相談に来られる方は、意外と多いと思います。逆に妊活で相談されていた方が、妊娠して卒業した後、流産して再来店する方もいらっしゃいます。しかし、その後いい結果になって卒業していく方が大勢いらっしゃいますよ。
妊娠することに不安があるようなら、漢方の助けを借りてみてはいかがですか。