2022年1月に入り、爆発的に感染拡大している「オミクロン株」について、今現在進められている研究結果から、今回の変異株にはどんな特徴があるのだろうか?
WHOは感染性や重症度の違い、ワクチンや治療薬の効果などが、大きく変化している系統を「懸念される変異ウイルス(VOC)」に指定しています。VOCには、アルファやベータなどのギリシャ文字がつけられ、オミクロンは15番目です。
オミクロン株は、今までの変異株に比べて変異箇所が圧倒的に多く存在してます。
オミクロン株以前の変異は10か所前後だったのに対し、オミクロン株は30か所の変異が発見されています。
オミクロン株にのみにみられる変異としては、人の細胞表面のタンパク質(受容体)と結合する「受容体結合領域(RBD)」に多くの変異が見られます。(12か所)
このRBDはウイルスのヒト細胞への侵入のしやすさや、この部位を抗体が標的にするため免疫にも影響しています。このことがオミクロン株の急速な感染拡大につながっているようです。
まだ不確定要素が多くありますが、感染から発症までが比較的早く3日ぐらいと言われ、体の中から消失しています期間も短いとされています。
今後、新型コロナウイルス感染症にどのような変異株が現れて来るのかはわかりませんが、感染しない人、感染しても無症状の人、感染しても軽症な人がいるわけですから、自分の体を護れるように健康的な体をつくる、もしくは維持していけるように生活面(食事や今まで飲んでいた薬なども含め)を改善していくしかないと思います。
中医学には扶正(ふせい)という考え方があります。正気を養い衛気という体表面を護っている気を増やし、邪気(ウイルスや花粉など)の侵入を防ぐという考え方があります。その代表処方が玉屏風散(衛益顆粒)です。そこに粘膜を潤す補陰が合わさった処方が生脈散(麦味散顆粒)です。
これで完全に防げるわけではありませんが、少しでも安心できる良い状況をつくれるといいですね。